夏の暑さが本格化する8月。暑さと冷房による寒暖差によって身体のだるさを感じる方も多いのではないでしょうか。身体のだるさを感じるということは、肌も同様に「肌バテ」を起こしているかもしれません。いつも使ってる化粧品が合わない、化粧ノリが悪くなったと感じる方は要注意!
夏が終わるとやってくる秋には、夏に受けたダメージによって乾燥が懸念されます。さらに夏の時季は感染対策であるマスク着用による「ムレや摩擦」にも注意が必要です。
今の時季から、秋の乾燥に負けないためにも水分の蒸発を防ぎ、紫外線を跳ね返す肌の土台作りが大切です。コロナ禍である今こそ、巣ごもり美容で「肌の土台作り」をしっかりしていきましょう。
今月のヒフの日通信8月号では「肌の土台作りの重要性」についてご紹介します。
【真夏の不快感、肌バテチェック!】
☐ 冷房と外の気温差で体調を崩しやすい
☐ 汗をかいた後、そのまま放置しがち
☐ 汗・皮脂によって肌がべたつきやすく、肌あれを起こしやすい
☐ 日焼け止めをこまめに塗る習慣がない、または塗らない
☐ 夏が終わり、気が付くと肌が黒く焼けている
☐ 夏バテで食生活が同じルーティーンになりがち(栄養が偏る)
☐ マスクで肌あれが起こる
夏の肌は、紫外線によるダメージや外的刺激により次のような肌トラブルが引き起こされます。
- 冷房・外の気温差により肌のバリア機能、保水機能が低下
⇒ 乾燥が進み、キメが乱れる。小じわやハリの低下、たるみが出現する
- 紫外線によりメラニンが増加・蓄積し、ターンオーバーも乱れる
⇒ シミ、そばかす、くすみなどが出現する
このようなダメージを肌に残してしまうと深いトラブルに繋がります。
肌の土台を整えるカギは「バリア機能」
肌を外部刺激から守り、肌の基盤である土台を整えるためには、バリア機能を強く保つことが大切です。バリア機能の働きとして、体内から水分が蒸発するのを防ぐ、外部から異物や刺激が体内へ侵入するのを防ぐ働きが挙げられます。
肌だけでなく身体にとっても重要なバリア機能は、皮膚表面の“角層”という部分が主に担っており、角層の厚さはわずか約0.02mm 、食品用ラップフィルムと同じくらいの非常に薄い層です。
角層には、バリア機能に重要な「天然保湿因子(NMF)」と「細胞間脂質」が存在します。
「天然保湿因子(NMF)」とは、角層細胞の中にある保湿成分です。アミノ酸を中心とした水溶性の保湿成分で、角層細胞内の水分を保つ役割をしています。
「細胞間脂質」は、角層細胞の間にある保湿成分で、油と水がミルフィーユのように層状に重なりあった「ラメラ構造」を形成し、水分を強力にキープします。
例えるならば、「天然保湿因子(NMF)」を含んだ角層細胞は“レンガ”で、「細胞間脂質」は角層細胞(レンガ)をしっかりつなぎとめる“セメント”の役割をしています。角層細胞の間を細胞間脂質が密に並んだ「ラメラ構造」をつくり上げ、肌内部のうるおいを守るとともに、外部刺激を肌内部に入れない、というバリア機能を発揮しています。
しかし、バリア機能はとても繊細なため、過酷な環境では機能が低下してしまいます。バリア機能が低下すると肌内部の水分が蒸発しやすく、外部刺激にも敏感になってしまいます。
そこでバリア機能を強くするために大切なのが、日々の「保湿ケア」です。
保湿ケアで重要なのが肌の水分を補給するだけでなく、「天然保湿因子(NMF)」、細胞間脂質である「セラミド」、そして天然の保湿クリームと言われている「皮脂」この3つの「うるおいの3要素」を補うことです。この3つが肌の土台を整えるカギとなり、外部刺激から肌を守るバリア機能が正常に働く手助けをしてくれます。肌の土台が整うことで、普段使用している化粧水や美容液などの浸透率が高まります。
うるおい肌へ導く3つの要素
- 天然保湿因子(NMF)・・・天然保湿因子の約半分はアミノ酸でできており、吸収性に優れています。空気中から水分を吸収して肌にうるおいを補うほど保湿力が高く、肌の表面を整えてうるおいのある若々しい肌へ導きます。この天然保湿因子が減少すると角質保湿機能が低下し、乾燥肌になりやすくなります。
- 細胞間脂質(セラミド)・・・細胞間脂質の主要成分であるセラミドは、細胞と細胞の隙間を埋めて水分や美容成分の蒸発を防ぎ、肌あれも改善する効果が期待できます。セラミドの中でも「ヒトヒフセラミド」と言われる人が本来持つセラミドと同じ成分で構成されたセラミドNPは肌の奥まで水分と美容成分を届ける働きがあります。
- 皮脂・・・汗腺から出る汗(水分)と混ざり合い、天然のクリームともいえる皮脂膜を形成します。この皮脂膜は外部の刺激から肌を保護したり、肌内部の水分蒸発を防ぐ役割を持っています。しかし年齢とともに皮脂は減少傾向にあるため、皮脂に近い成分によって皮脂膜を形成し、水分の蒸発を防いで、うるおいを閉じ込めることが大切です。
素肌の土台をキープできるようになると、紫外線を浴びても過剰なメラニンの生成を抑えることにつながり、たとえ肌が黒くなったとしても、色が戻るが早くなります。
さらに肌の土台が整うことで、秋の乾燥による肌トラブルにも影響を受けにくくなります。ご紹介した「うるおいの3要素」を意識して肌バテに負けない素肌を手に入れましょう。