1年の中で7~9月は特に紫外線が強く、シミやシワなどの肌トラブルが挙げられます。
しかし、意外と見落としがちなのが汗による肌トラブル。本来、汗は体温調節や不要な老廃物を排出するために身体に必要な機能ですが、まだまだ暑いこの時季は、汗による「かゆみ、あせも、かぶれ」といった肌トラブルも起きやすくなります。
汗によって新陳代謝を高め、肌のターンオーバーを早めることはとても大切ですが、塩分を含む汗は肌のかゆみの原因になることがあります。そのため、「できるだけ汗をかかない」というよりは、汗をかいた後の皮膚トラブルを起こさないためのアフターケアで対策をとる必要があります。
今月のヒフの日通信9月号では「汗による肌トラブル」について特集します。
汗による肌トラブル
☐ 敏感肌である
☐ 乾燥肌である
☐ ニキビができやすい
☐ アトピー性皮膚炎である
☐ 汗によって肌がかゆくなりやすい
☐ 疲れがたまると肌があれやすい
☐ 汗をかきにくい体質である
上記に当てはまる項目が多い方は汗による肌トラブルが起きやすいかもしれません。
汗の種類について
汗は、運動や半身浴などでかく「サラサラとした汗」と特に夏の時季に見られる高温多湿による「ベタベタとした汗」の2種類に分けられます。
<サラサラ汗>
塩分やミネラルを含まず、蒸発しやすい臭いのない汗を指します。蒸発しやすいため、体温調節や新陳代謝を高めて肌のターンオーバーにも効果的です。運動や半身浴などで出る汗がこれにあたります。
<ベタベタ汗>
汗腺は身体に必要な塩分とミネラルを血液に再吸収させる働きをしています。しかし汗腺の機能が低下すると塩分やミネラルが再吸収されずに汗と一緒に出てしまいます。これがベタベタ汗を指します。ベタベタ汗は、塩分やミネラルが蒸発しにくいため、不快感だけでなく、体温調節がしにくい汗になります。普段、あまり運動をしない方や、一日中エアコンの効いた環境にいる方は汗をかきにくく、ベタベタとした汗をかきやすい傾向にあります。
さらに汗による肌あれ「汗あれ」にも種類があります。
「汗かぶれ」と「あせも」について
「汗かぶれ」は、皮膚が傷ついたところに自分の汗が刺激になって炎症が起きた状態です。そのため、かぶれが面状に広がり、赤味を帯びます。元々、肌が弱い方、敏感肌の方は、肌のバリア機能が低下しているため、汗かぶれが起こりやすい傾向にあります。
「あせも」は、急激な発汗によって汗管が詰まり、周囲に漏れ出た汗の刺激成分で炎症が起きた状態です。小さな水疱がぽつぽつと点在し、かゆみが出る場合があります。
そしてどちらも汗をかくことでふやけた皮膚と衣類や下着が接触し、こすれあって汗にかぶれた状態として肌表面に肌トラブルとして現れます。
また汗は蒸発する時に肌の水分を奪うため、汗をかいたまま放っておくと肌の乾燥を招いてしまいます。通常の汗は肌と同じ弱酸性ですが、汗をかいた肌の表面は時間が経つとアルカリ性へと傾き、肌のpHバランスが崩れます。通常健康的な肌はpH4.5~6.5の弱酸性で保たれています。しかしアルカリ性に傾いた肌は、アクネ菌やブドウ球菌など雑菌が繁殖しやすい環境になってしまい、あせもや汗かぶれ以外に、ニキビなどもできやすくなってしまいます。
本来肌は、アルカリ中和能という機能でアルカリ性に傾いた肌を弱酸性に戻そうとする働きをもっています。しかし、乾燥肌やアトピー性皮膚炎の方はアルカリ性に傾きやすく、アルカリ中和能も弱い傾向にあります。
汗は、健康な身体を保つためにとても重要な機能ですが、正しい汗対策で肌ダメージを抑えることが大切になります。
汗を残さないこと、そして肌の乾燥を防ぐために保湿を行い、肌のpHを整えてバリア機能を正常に保つことが肌トラブルを防ぐカギとなります。
肌の乾燥を防ぐために化粧水や美容液による保湿だけでなく、効果的・効率的に肌に美容成分を浸透させるケアとしておすすめなのが「フェイスマスク」です。
フェイスマスクは美容成分がたっぷりと含まれており、夏の紫外線ダメージによる鎮静ケアとしてもオススメです。目的別にさまざまなシートがあるため、自分に合ったフェイスマスクを選びましょう。
【オススメ美容成分】
<ヒト幹細胞エキス>
幹細胞の種類は大きく分けて3つあり、ヒト由来・植物由来・動物由来です。ヒト幹細胞エキスは、ヒトの皮下脂肪から採取した脂肪由来の幹細胞です。ヒト幹細胞エキスは皮膚組織の主要構成成分であるヒアルロン酸、コラーゲン、エラスチンを作り出す線維芽細胞に働きかけ、皮膚のハリと弾力に働きかける効果が期待できます。
<フラーレン>
フラーレンは肌のサビと言われる「酸化」を防いでくれる抗酸化力に優れた成分です。抗酸化力はビタミンCの172倍、プラセンタの800倍と言われています。シミの原因となるメラニンの産生抑制効果が期待できます。
<ブラックシリカ>
黒色の天然鉱石で、温泉やサウナ・岩盤浴にも使用されていることで有名です。遠赤外線・マイナスイオンを放射、発生させます。身体を芯まで温め、ターンオーバーの正常化が期待できます。
<ゴレンシ葉エキス>
熱帯アジアに分布しているカタバミ科の常緑植物です。果実の切断面が星形になることからスターフルーツとも呼ばれます。ゴレンシの葉には、コラーゲン産生や活性酸素除去などの働きがあります。肌のハリやターンオーバーの正常化、シミ・シワを抑制する効果など色々な肌悩みにアプローチできる注目の成分です。
紫外線も夏バテの原因!?
残暑が残る9月。疲れが取れにくく、夏バテ気味な日々が続いている方も多いのではないでしょうか?
紫外線を浴びると活性酸素が過剰に作られてしまい、酸化ストレスがかかります。酸化ストレスによって細胞がダメージを受けると、疲労を感じてしまいます。
このダメージを修復するためにはATP(アデノシン三リン酸)というエネルギーが必要です。
「クエン酸」はATPを産生する「クエン酸回路」という代謝サイクルの活性化に役立つため、疲労回復にとって重要な成分だと言われています。
また、糖質をエネルギーに変える際に必要な「ビタミンB1」を「クエン酸」と一緒に摂ることで、効率的にエネルギーを作り出すことができ、疲労回復により効果的だと言われています。
「クエン酸」は柑橘類や梅干し、お酢など酸味が強いものに多く含まれています。「ビタミンB1」は豚肉や玄米などに多く含まれています。
玄米おにぎり+梅干・豚しゃぶポン酢など、「ビタミンB1」と「クエン酸」が一緒に摂れる、さっぱりとしたメニューで残暑を乗り切りましょう!
夏に紫外線対策をしている人は多いですが、紫外線を浴びた後や汗に対するアフターケアをしている人は少ない傾向にあります。夏に受けたダメージをそのまま放置していると、秋以降に待ち受ける乾燥などによってさらに肌老化が加速してしまいます。
肌ダメージを受けた肌に対してしっかりとアフターケアをすることで、将来の肌に差がつくと言っても過言ではありません。イービーエムのスキンケアスタジオにも目的別に合わせたフェイスパックや鎮静ケアがたくさんあります。是非スタッフまでお気軽にお尋ねください♪