一日中マスクをして隠れている「口元」。マスク着用によって表情筋の衰えや口腔内の唾液の減少が起こりどんどん老け顔に。今まで気にならなかった自分の口臭が気になる方も増えたのではないでしょうか。
マスク時代の今こそ、口腔ケアを意識することで免疫力UPやアンチエイジングにも繋がります。
ヒフの日通信 3月号では、「口腔美容」について紹介していきます。
そもそもなぜ口臭がする?
口臭の多くは歯についた「歯垢(しこう)」や「歯石」が原因です。
歯垢:歯の表面に付着する白くて柔らかい沈殿物のこと。口内の食べかすをエサにして増殖した細菌の塊。
歯石:歯磨きを怠り歯垢を放置することで唾液に含まれるカルシウムを吸着して石灰化したもの。
口臭の種類
1.生理的口臭
唾液の分泌が減ることで、細菌が増えて発生する口臭。
〈 唾液の分泌が減るタイミング 〉
・起床直後
・空腹時
・緊張時
・加齢
・口呼吸
・月経に伴う女性ホルモンの低下
※生理的口臭は、歯磨きや食事により抑えられます。
2.外的口臭
ニンニクやニラなど臭いのある食べ物や、タバコ等による口臭。
※外的口臭は、時間の経過で抑えられます。
3.病的口臭
①口腔由来
進行した虫歯や歯周病による口臭。
②全身由来
消化器系・呼吸器系などの内臓の不調や、糖尿病などの病気が原因の口臭。
※治療が必要となる可能性も。不調を感じたら早めの受診をしましょう。
意外と知らない!?NG生活習慣5選
1.朝起きてから歯を磨かない
⇒寝ている間は唾液が減り、雑菌が繁殖しています。朝起きたら必ず歯を磨きましょう。朝食を食べる方は、起きて直ぐにうがい、朝食後に歯磨きが良いと言われています。
2.口臭をお茶で消そうとする
⇒お茶にはカフェインが含まれています。カフェインは交感神経を活発にし、唾液の分泌を抑制してしまうため、口臭予防には、食後にキシリトール100%ガムを噛むことがおすすめです。
3.舌の筋肉を動かさない
⇒マスク着用により口元を動かしにくくなったことで、唾液の分泌量が減っています。しかし、マスク着用時こそ、こっそり舌体操をするチャンス!口を閉じたまま、歯茎に沿って舌をグルグル回しましょう。
4.甘いもの、酸の強い飲み物をよく飲む
⇒虫歯や、歯を溶かしてしまう原因になります。柑橘系ジュースや酢だけでなく、スポーツドリンクや炭酸飲料なども強い酸性です。酸の強い飲み物を飲んだ後はうがいをして、糖や酸を洗い流しましょう。
5.極度の糖質制限
⇒糖質が足りなくなると、身体の脂肪がエネルギー源に使われます。その際に、独特な甘酸っぱい臭いのする「ケトン体」が増え、口臭の原因になってしまいます。極度な制限はせず、必要最低限の糖質は摂りましょう。
口臭予防だけじゃない!?唾液のパワー
唾液は「唾液腺」で血液から作られています。
通常1日に1~1.5ℓ作られており、成分の99.5%は水ですが、残りの0.5%の中に消化や免疫に関わる成分が含まれていると言われています。唾液は口内の細菌の増加を抑えたり、消化を助けたりするイメージがありますが、実はもっと多くの凄い力を秘めています!
①口内でウイルスや細菌を撃退し、虫歯を予防する
②口内や胃腸の粘膜を守り、腸内フローラのバランスを整える
③睡眠の質を高め、メンタルバランスを整える
④肌のハリやツヤを保ち、脳や身体の老化を防ぐ
口臭を防いだり、身体の健康を維持したりするためには、唾液の分泌を促すこと・口腔をきれいにしておくことが大事です。
唾液分泌を促す方法や口腔をきれいに保つ秘訣をご紹介します。
唾液腺マッサージ
唾液腺マッサージをすると、舌下腺が刺激され唾液が出やすくなります。
①あごの下に両手の親指をあてる。
②垂直に上にグッと押す。5~10回繰り返しましょう。
※舌が持ち上がるくらいの力でしっかり押すと、より効果的です。
口腔をきれいに保つ!ケア用品の選び方
毎日使うからこそ、歯ブラシや歯磨き粉などのケア用品選びは重要です。
自分に合ったものをしっかり選びましょう。
歯ブラシ
奥歯までしっかり磨けるヘッドが薄いものがおすすめです。
硬さは基本的には「ふつう」がおすすめですが、歯茎が弱って出血しやすい方は「やわらかめ」、磨く時に力が入りにくい方は「かため」がおすすめです。また、歯ブラシだけでは取り除けない汚れもあるため、歯間ブラシやデンタルフロスも併用しましょう。
歯磨き粉
歯茎マッサージにも使用できる「ジェルタイプ」がおすすめ。
歯や歯茎が弱っているとき、または電動歯ブラシを使用している方は、研磨剤によって歯を傷つけてしまうことがあるため、研磨剤が入っていない「ジェルタイプ」の歯磨き粉がおすすめです。
歯磨き粉のおすすめ成分
口腔トラブルの代表的ともいえる歯周病は、年齢が上がるにつれて増加しますが、20代でも2割以上が罹っていると言われています。しかし、虫歯と違ってすぐには見た目では分かりにくく痛みも出ません。
そんな歯周病の予防・改善に効果的な成分をご紹介します。
<グリチルリチン酸ジカリウム>
生薬として有名な「甘草」から抽出される植物由来の成分です。優れた消炎作用があり、歯周病(歯肉炎・歯周炎)予防にも効果を発揮すると言われています。
<なた豆>
歯周病の予防・改善に効果的として近年「なた豆」が注目を浴びています。
中国で古くから漢方薬として重宝されてきた、マメ科の一年草です。
<なた豆特有の成分>
「カナバニン」
アミノ酸の一つで、優れた排膿作用と抗炎症作用、血行促進作用があります。歯茎の腫れや出血などの炎症の改善に効果的で、短期間でも改善がみられるとも言われています。
「コンカナバリンA」
タンパク質の一つで、免疫機能を正常化させたり、強化したりする効果があります。また、口腔内の悪玉菌の増殖を抑制し、善玉菌のバランスを整えて歯周病を改善する効果もあると言われています。
「ウレアーゼ」
元々体内に存在する酵素で、尿素をアンモニアと二酸化炭素に分解する働きがあります。
また、有毒な物質を体外に排出する作用があり、腎臓にかかる負担を軽減することで腎機能を高める効果があります。
歯茎マッサージで唾液もUP!
歯周病予防には歯磨きだけでなく、血行を促進する「歯茎マッサージ」も唾液の分泌に効果的です。
さらに歯磨きジェルをつけるとすべりが良くなり、マッサージがしやすくなります。
1日1回、2~3分を目安に行いましょう。
💡ポイント
①歯と歯茎の間に指の腹を軽くあて、小刻みに動かす
②奥から手前の方向に指で軽くなぞる
③下の歯茎は下から上の方向に(上の歯茎は上から下の方向に)小さな円を描くように指を動かす
マスクをしていると、息苦しさから口呼吸になりやすいですが、鼻呼吸を心がけて口内の乾燥を防ぎましょう。
口内の乾燥が気になる時は、上記のケアを意識しつつ、唾液の分泌を促すアメを舐めるのもおすすめです。
イービーエムには口腔ケア用の商品もございます。詳しくはスタッフまでお気軽にお尋ねください。