12月号や1月号のヒフの日通信で腸内細菌の重要性をお伝えしましたが、今月号では腸内細菌の育て方をご紹介します。
小腸と大腸の働きと腸内細菌の違い
“腸内細菌”と一口に言っても、小腸と大腸では棲んでいる腸内細菌の種類が違います。
・小腸
小腸は栄養を吸収する場所で、「善玉菌」の代表格である「乳酸菌」が棲んでいます。「乳酸菌」が作る乳酸やピルビン酸は、小腸の免疫細胞を活性化させる働きがあり、食中毒などを引き起こす有害な細菌から身体を守る力を高めてくれています。
・大腸
大腸は水分やミネラル、小腸で消化できなかったタンパク質を吸収し、便を作る場所で、「ビフィズス菌」が多く棲んでいます。「ビフィズス菌」は腸内を酸性に保ち悪玉菌の増殖を抑える「酢酸」を作っており、ビタミンを合成したり、腸の動きを良くしたりする働きもあります。
腸内は、場所により棲息できる菌が異なります。そして菌によって食べるエサ(栄養)も違うため、様々な方法で菌や栄養をバランス良く摂り入れることが重要です。
腸内細菌の育て方
腸内細菌を育てるには「育菌」に欠かせない3要素をバランス良く摂り入れることがとても重要です。善玉菌を腸へ届ける「プロバイオティクス」、善玉菌のエサとなる「プレバイオティクス」に加え、腸内フローラを介さずに直接身体に働きかける「バイオジェニックス」を摂り入れて、効率良い「育菌」を目指しましょう。
・プロバイオティクス(乳酸菌、ビフィズス菌など)
プロバイオティクスとは、腸内細菌のバランスを整えて、身体に良い作用をもたらす生きた微生物やそれらを含む食品のことを言います。腸内を酸性にして、アルカリ性を好む悪玉菌の増殖を抑えることで腸内環境を整えます。
・プレバイオティクス(オリゴ糖、食物繊維など)
プレバイオティクスとは、プロバイオティクスの栄養源となり腸内でプロバイオティクスの働きを高めるもののことを言います。人の腸内には個々で独自の細菌が棲息しているため、外部から善玉菌を摂取しても、自身のタイプに合っていなければ思うような効果が得られません。そこで、善玉菌のエサとなるオリゴ糖や食物繊維を一緒に摂取することで、自身の腸内に元々存在する善玉菌を育てて腸内環境を整えます。
・バイオジェニックス(乳酸菌生産物質、ポリフェノールなど)
バイオジェニックスとは、腸内を介さずに善玉菌の発酵・増殖の過程で作られる生産物質のことを言います。身体に直接働きかけて腸内環境を整えます。シンバイオティクスに加え、自身の腸内細菌に左右されないバイオジェニックスを摂り入れることで、さらに効率良く腸内環境を整えることができます。
おすすめ成分
・乳酸菌FK-23
生きた菌よりも死んだ菌の方が効果が高いという特徴を持つ、免疫機能の強化をサポートしてくれる乳酸菌です。胃酸などによって活性を失う心配がなく、腸内で効率的に働きます。
・ガラクトオリゴ糖
難消化性で大腸まで届き、ビフィズス菌を増やして腸内環境を改善してくれます。
良いものを摂り入れるだけではダメ⁉