季節を問わず悩まれる方が多い冷え。冬だけでなく、夏も冷房や冷たいものを摂る機会が多く身体は冷えてしまいます。特に手先や足先、下半身の冷えなど、部分的に冷えることが多いと言われている中、近年注目されているのが女性特有の「フェムゾーンの冷え」です。今月号は「フェムゾーンの冷え」について、今話題の「フェムケア」とともにご紹介します。
フェムケアとは?
「フェムケア」とは、「Feminine(女性の)」と「Care(ケア)」をかけ合わせた言葉で、女性の身体や健康のためのケアをする製品やサービスを意味します。性ホルモンの変動が緩やかな男性に比べて、女性は思春期から閉経期まで女性ホルモンが約1ヵ月単位の周期で大きく変動しています。また、閉経前後の約10年間(45~55歳ごろ)の「更年期」と呼ばれる時期は、特に女性ホルモンの分泌量が減少します。女性ホルモンの急激な減少により、体調や精神的に不安定になることがあります。時には日常生活に支障をきたすこともあるほどです。フェムケアはそのような症状を緩和して、過ごしやすくしてくれるケアとしてとても重要です。
フェムゾーンの冷え
「フェムゾーン」という言葉が冒頭にも出てきましたが、「フェムゾーン」とは、膣・外陰部・骨盤底筋など、膣周り全体のことを指します。フェムゾーンの理想の状態は、膣は温かくうるおっていること、外陰部は清潔に保たれていること、骨盤底筋は鍛えられていることです。中でもフェムゾーンの冷えは自覚しにくく、悩みがあっても人に相談しにくいデリケートな部分です。まずは、今のフェムゾーンの状態を知るため以下の項目でセルフチェックしてみましょう。
あなたはいくつ当てはまりますか?
☑パソコンやスマホを長時間使い、目を酷使する
☑夏に部屋を必要以上に冷やしたり、冷たい飲み物をたくさん飲む
☑アルコールやカフェイン、甘いものを多く摂る
☑生活が不規則で身体を動かす習慣がない
☑過度なダイエットをしている
以上の項目に一つでも当てはまっていると、フェムゾーンが冷えていたり乾燥していたりするかもしれません。これからご紹介するフェムゾーンのお手入れを実践してみましょう。
フェムゾーンのお手入れ
ポイント1.フェムゾーンを清潔に
膣周りは汚れが溜まりやすく、細菌が繁殖しやすい部分です。ただし、角質層が薄く繊細なため、弱酸性などの刺激の少ないソープを使ってしっかり洗い、清潔に保ちましょう。
ポイント2.フェムゾーンの保湿・温め
粘膜でできている膣は、うるおいを与えることが大切です。膣周りがうるおうことで、乾燥やかゆみ、匂い対策にも繋がります。また、膣・骨盤底筋などのマッサージや入浴によりフェムゾーンを温めて血行促進することで、身体の内部から冷えの解消にも繋がり、好循環となります。
ポイント3.骨盤底筋トレーニング
骨盤底筋は、子宮や膀胱などの内臓を支える機能や、排泄機能を担っています。骨盤底筋が衰えると、内臓を支えきれず下っ腹が出たり腸内環境に悪影響を及ぼしたり、尿漏れや頻尿を引き起こすことにも繋がります。骨盤底筋トレーニングを行い、しっかりと鍛えましょう。
①仰向けになりひざを立てます。
②お尻を持ち上げて10秒キープ。
※この時、膣や肛門を引き締めるように意識しましょう。5セットを目安に自分のペースで行いましょう。また、身体の冷えは自律神経が乱れる初期サインでもあります。自ら積極的に休養の時間をつくることもとても大切です。