蒸し暑さで溜まった夏の疲れを引きずっていませんか?夜の蒸し暑さが和らぎ始めるこの季節は比較的快適に過ごすことができ、「秋の夜長」とも言われるほど夜が長くなるため、睡眠の質を高めるのにちょうどいい季節です。一時的な疲れがリセットされずいつまでも解消されない場合は、睡眠不足などによるホルモンバランスの乱れや自律神経の乱れが考えられます。今の時季こそ睡眠を見直し、その日の疲れはその日のうちにリセットしましょう。睡眠の質を高めるチャンスである今月は、「質の良い睡眠とは何か」を「睡眠の質を高める方法」と合わせてご紹介します。
実はそれ、「睡眠負債」かも!?
あなたやあなたの周りにこんな方はいませんか?
○いつでもどこでも眠りにつける
○就寝後5分以内に眠りにつく
○起床後4~5時間後に眠くなる
○休みの日はいつもより2時間以上長く寝る
○寝ている時にいびきをかく
睡眠負債とは、日々の小さな睡眠不足が借金のように積み重なり、日常生活に支障をきたす恐れがある状態のことを言います。上記の項目に当てはまる方は、すぐ眠りにつける、一度寝ると長時間目が覚めずに寝続けられるなどの理由から睡眠負債を背負っているという自覚がない方が多いと思います。しかし、上記の項目に当てはまるほど睡眠の質が悪く睡眠負債を背負っている状態と言えます。それでは、質の良い睡眠とはどういう睡眠のことを言うのでしょうか。
質の良い睡眠とは?
●起きた時すっきり目覚められる
●ぐっすり眠れた感覚がある
●前日の疲れが残っていない
●日中は眠気がなく、頭がすっきりしている
このような状態に当てはまると、質の良い睡眠がとれていると言えます。
睡眠は量より質が大事!
睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠があります。レム睡眠は身体は休まっていますが脳は起きている状態で、ノンレム睡眠は脳は休まっていて身体は起きている状態です。眠りにつくとノンレム睡眠、レム睡眠の順に周期的にやってきます。1サイクルが約90分、4~5サイクル繰り返し、徐々に眠りの深さは浅くなります。レム睡眠のタイミングで起きるとすっきりとした目覚めとなります。また、ノンレム睡眠は睡眠の深さにより1~4の4段階に分けられます。3~4の特に深い睡眠の時を深睡眠と言い、脳がぐっすり眠っている状態です。深睡眠中は、疲労回復や成長ホルモンの分泌、ストレスの抑制などに対する高い効果が期待できます。睡眠時間を長くとると単にレム睡眠とノンレム睡眠のサイクル数が増えるばかりなので、ノンレム睡眠をより深くするよう睡眠の質を上げることがとても大切です。
質の良い睡眠をとる方法
ゆっくりと深呼吸をすることで心身をリラックスさせましょう。副交感神経をオンにして質の良い深い眠りへ導いてくれます。
➀大きく息を吸い込みます。この時、お腹をしっかり膨らませるよう意識して行いましょう。
②ゆっくり息を吐きます。この時、お腹をしっかりへこませるよう意識して行いましょう。
③➀と②をゆっくり繰り返し、5~10回を目安にして心地よい程度に行いましょう。
ちょこっとコラム
人間だけでなく、全ての動物が睡眠を必要としますが、その時間は動物の種類により様々です。一般的に、運動量が多く体重当たりの消費カロリー数が大きい動物(こうもりやネズミなど)ほど、睡眠時間が長い傾向が見られます。人間においても、高齢になるにつれ比較的体重当たりの消費カロリーが減る傾向にあるため、睡眠時間が短くなると言えます。