私たち一人ひとりの健康を考えるうえで、実は目を向ける必要があるのが、動植物や生態系の健康、自然環境を含めた地球全体の健康です。ここでキーワードとなるのが「プラネタリーヘルス」。この言葉は近年、世界的に広まりつつありますが、まだあまり聞きなじみがない方が多いのではないでしょうか。そこで今月号は、「プラネタリーヘルス」について特集します。「プラネタリーヘルス」への理解を深め、地球の健康と私たちの健康、そして繋がる未来の輪を広げる大きな一歩を私たちと一緒に踏み出してみませんか?
「プラネタリーヘルス」とは?
プラネタリーヘルスとは、人も地球という大きな循環システムの一部であり、人の健康と地球の健康が深く繋がっているという考え方です。地球の健康というのは、地球環境の様々な問題を解消するということです。人と地球は密接に関わっているという考え方を基に、多様な生物が共生する自然環境を守り、人の健康のためにも地球の健康を考えることを目指しています。
土と腸には深い関わりがある!?
土の中にいる微生物は地球の循環システムの一部で、地球や私たちの健康において重要な役割を担っています。土の中の微生物は動物のフンや死骸、落ち葉などを分解し、それが植物の根から栄養として吸収されます。栄養をたっぷり吸収した植物を草食動物が食べ、さらにそれを肉食動物が食べるという食物連鎖が起こっています。私たちの身体の中でも同じように菌が働いています。身体の中に取り込んだ食物を腸内細菌が分解し、その栄養が上皮細胞(腸管にあるひだ)から植物の根のように吸収されます。また、食物や動植物を通して腸内環境に影響を与えることもあり、私たちの健康のためには土の環境を良くすることも非常に大切です。土の環境を考えることもプラネタリーヘルスに繋がるのです。
私たち一人ひとりの行動が地球の健康を守る
「地球の健康とは様々な問題を解消すること」と冒頭でお伝えしましたが、それは地球環境の問題が部分的ではなく、水も土も、そこで生きている植物も生物も全てが循環の仕組みで繋がり、影響し合っているからです。水の循環を考えてみると分かりやすいかもしれません。雨が降ると、山などの土を通って川や海へ流れます。そして、また水蒸気となって大気中へ流れます。水の通り道の一部に問題があれば水の循環する過程全てに影響を及ぼします。そして、巡り巡って私たちの健康にも影響を及ぼします。しかし、循環しているからこそ一人の行動が良い方向へと変えることもあります。例えば、スーパーで野菜を買う時に、菌のバランスがとれた「健康な土壌」で育った栄養価の高い野菜を意識的に選んだり、野菜がどのような土壌で育てられているのかに関心を持ったりすることが、生産者の方の野菜作りや土壌づくりの原動力にもなります。一人ひとりの行動が、地球に影響を与えるという意識を持って過ごしてみましょう。
イービーエムのプラネタリーヘルス
イービーエムは、「身体に愛を、地球に愛を」をテーマにプラネタリーヘルスに基づいた、真に豊かで健やかな生き方の実現を目指しています。取り組みの一つとして、「光合成細菌」の働きに注目しました。光合成細菌は土を豊かにしたり、水をきれいにしたりする力をもち、水や土に流すだけで身の回りの環境をちょっと豊かにしてくれる菌です。イービーエムのスキンケアスタジオでも、排水の浄化のために使用しています。