環境の変化や季節の変わり目で、肌に不調が出やすい春。特に5月は気温や湿度の変化が大きく、肌もうまく適応できず不安定な状態になりがち。そんな春の肌不調を立て直すには、肌の土台作りが大切です。
ヒフの日通信5月号では、肌の土台作りに欠かせない成分「セラミド」について特集します。
厄介な春の肌あれ
春は湿度が高くなり始める季節ですが、まだ湿度が低い日も多く、冬から続く乾燥を引きずっている状態。しかしその一方で、夏に向かって気温は高くなり、皮脂の分泌量が増えベタつくなどの悩みも増えてきます。そのため、乾燥と油分の両方が原因となってトラブルが起き、さらに紫外線も急激に強くなるため、春は1年を通して特に肌があれやすいと言われています。
春の肌あれの主な原因
・乾燥
・花粉
・黄砂
・気温差
・環境の変化によるストレス
そもそも肌の仕組みって?
ヒトの皮膚は大きく分けて、表皮・真皮・皮下組織の3層で成り立っています。
一番外側にある表皮は、外界の環境の変化に応じる大事な役目を担っています。
表皮の厚さは約0.2 mmで、それぞれ異なる役目を持つ4層から成り立っています。その表皮の中で、最も外側を覆っている角質層は、食品用ラップ程の薄さにもかかわらず、バリア機能や水分保持機能を持っており、肌のうるおいを保つうえで、とても大切なところです。
バリア機能とは?
バリア機能とは、肌の角質層が外部からの刺激や異物の侵入から肌を守り、内部の水分を蒸発しないよう保持する機能のことです。バリア機能の働きが衰えると、刺激や異物の侵入により肌が炎症を起こしたり、肌内部の水分が蒸発し、乾燥を招いたりなどのトラブルが発生します。
正常なバリア機能を手に入れるには?
正常なバリア機能を手に入れるには、うるおいの3要素「天然保湿因子(NMF)」「細胞間脂質」「皮脂」のバランスを整えることが重要です。このうるおいの3要素は、元々すべての人の肌に備わっている成分です。
・天然保湿因子(NMF):角質細胞内に存在。角質層の水分保持の役割。
・細胞間脂質:角質細胞同士をつなぐ接着剤のような役割。主成分はセラミド。
・皮脂:汗と混ざり合って肌の表面に膜を張り、外部刺激から肌を守って、肌内部の水分の蒸発を防ぐ。
その中でも、細胞間脂質が角質層のうるおいの約8割も占めていると言われています。その細胞間脂質の主成分であるセラミドは、とても重要な成分であることがわかります。
セラミドが不足すると・・・
セラミドが不足すると、バリア機能が低下し、肌内部の水分保持力も低下して乾燥を引き起こしやすくなります。
その他にも、セラミド不足は、敏感肌やアレルギー、アトピー性皮膚炎などの肌トラブルとも深い関わりがあることがわかっています。
外部からの異物やアレルゲンの侵入が、肌あれやアレルギー・アトピー性皮膚炎を引き起こすことに繋がります。
実際に、アレルギー体質やアトピー性皮膚炎の方はそうでない方に比べ、皮膚のセラミドの量が少ないことがわかっています。
肌あれが気になる時季にはセラミドを補うケアで、バリア機能を高めてアレルゲンに負けない肌を目指しましょう。
また、セラミドの効果を高めるには、老廃物を排出することが大切です。皮膚の場合、ターンオーバーを促進させることで、老廃物を排出できます。
ターンオーバー促進に効果的な成分として、近年注目を浴びているのが「フルボ酸」です。
フルボ酸とは?
フルボ酸とは、森林や土壌に存在するポリフェノールの一種で、暗褐色の腐植物質です。微生物により何度も分解されて、非常に長い年月をかけて生成された最終生成物です。土壌や天然水に広く分布していますが、含有量はごくわずか。有限でとても貴重な成分です。
〈フルボ酸の特徴〉
・70種類ものミネラルを含む
・キレート作用(デトックス効果)
・脱臭効果
・除菌 / 抗ウイルス効果
・抗酸化力
・免疫力アップ
・保湿効果
〈キレート作用とは〉
「キレート」はギリシャ語でカニのハサミのこと。
語源の通りミネラル等を挟む働きがあり、老廃物を挟むことで排出しやすくします。また、必要な栄養を挟むことで吸収しやすくします。
「水」なのに凍らない!?
普段、私たちが「水」と呼んでいるのは「自由水」という状態。0度以下で凍り、乾燥すると蒸発します。一方、セラミドにより蓄えられている「水」は「結合水」という状態。水分子同士がしっかりと結合し動けないため、氷の結晶を作ることができずに-40度の環境下でも凍らず、極度な乾燥下でも蒸発しないと言われています。つまり、水分が逃げださない肌の土台作りにはセラミドの機能を高めたり、セラミドを補ったりすることが重要です。