本格的に秋が深まり、身体の冷えを感じる季節になってきました。身体の冷えにより体調を崩す方や、疲れやこりを感じる方も多くいらっしゃいます。しかし「この時季は身体が冷えても仕方がない」と諦めていませんか?冷えの原因をよく理解して温活を行うことで、身体の不調の解消が期待できます。今月号は冷えの原因や温活についてご紹介しています。冷えは身体に様々な悪影響を及ぼすため、温活で今年の冬もより美しく健康に過ごしましょう。
冷えの原因
➀筋力の低下
身体の熱をつくるのは筋肉です。全筋肉の約8割は下半身に集中しているので、下半身の筋肉量が少ない方は特に冷えやすいと言われています。また、男性より女性が冷えやすいのも筋力が関わっていると考えられます。
②血流の悪化
血液は細胞の熱源となる栄養を全身に運びます。血流がスムーズでないと、身体はまず内臓に血液を運ぼうとして手足の血液の流れが滞り、手足の冷えに繋がります。また、貧血気味、低血圧気味の方も血流の悪化が原因の冷えの可能性が高いです。
③自律神経のバランスの乱れ
身体の全機能を調節する自律神経のバランスが乱れると、体温調節がうまくできなくなり冷えに繋がります。自律神経は、女性ホルモンの分泌や感情を管理する神経中枢とも関わりがあるので、出産・閉経時やストレスによっても乱れやすくなります。
冷えの影響
身体の冷えは良くないということは多くの方が知っていると思いますが、どのように影響を及ぼすのか知っていますか? 下記の中で思い当たる症状はありませんか?もしかしたら冷えが原因かもしれません。
・免疫力の低下・疲労感・肩こり・頭痛・腰痛・肌あれ・便秘、下痢・月経痛・眠りが浅い 等
温活で期待できること
温活とは、身体を温めて基礎体温を上げ、体調不良を改善したり免疫力を上げたりすることを言います。美容業界や医療業界でも注目度が高いテーマです。温活をすることで、次のような嬉しい作用が期待できます。
➀免疫力、基礎代謝向上
免疫力は体温が1℃下がると30%低下し、1℃上がると5~6倍向上、基礎代謝は体温が1℃下がると12%低下し、1℃上がると13~15%向上すると言われています。
②むくみ改善
むくみは血流の滞りやドロドロした血液が原因です。身体を温めることで、血液がサラサラになり巡りが良くなって余分な水分や老廃物が排出され、むくみの改善へと繋がります。
③肌あれ改善
温活により、肌あれの原因となる老廃物が流れることで肌あれ改善へ繋がります。また、血行が良くなるのでくすみも抜けて、すっきり健康的な顔色へ導きます。
④自律神経が整う
自律神経が整うことで、疲労感や痛みの緩和に繋がります。
健康と美容に効果的な温活法
効率的な温活法としてよく活用されているのが「遠赤外線」です。「遠赤外線」とは電磁波の一種で、ものを温める働きがあります。身近なところでは、調理器具や加熱機器、温熱療法として医療分野で活用されたり岩盤浴など美容や健康の分野でも広く活用されたりしています。日常で取り入れやすい遠赤外線による温活法を3つご紹介します。
➀日光浴
一番手軽に遠赤外線を取り入れられる方法は日光浴です。ただし、太陽の光には紫外線も含まれているため、長くても1日30分位を目安に浴びることをおすすめします。しかし、曇りや雨の日には、太陽から遠赤外線を浴びることはできません。
②岩盤浴
岩盤浴は、遠赤外線を放つ岩盤の上に寝てその遠赤外線を浴び、温熱効果を得る入浴法です。サウナより低い温度ですが身体の内側からしっかり温まるので、出た後も冷めにくく温熱効果が長く持続します。
③遠赤外線温熱器
家庭用遠赤外線温熱器は、部分的に冷える方でも簡単に温めることができ、効果的なツボを温めることで岩盤浴に入ったような温熱効果が手軽に得られるのでおすすめです。
効果的な温めのツボ
おへその周りにはツボがいくつか集まっています。小さな範囲で様々な効果が表れるため、おへそ周りを温めることは効率が良いとされています。温熱器やカイロ、お灸などを使うと手軽におへそ周りのツボを温めることができるのでおすすめです。
➀天枢(てんすう):おへその中央から左右に指3本分のところにあるツボ。腸に作用し、消化不良や便秘・下痢の改善に繋がります。
②水分(すいぶん):おへその中央から上に指1本分のところにあるツボ。余分な水分を流し、全身のむくみをとります。
③気(き)海(かい):おへその中央から下に指2本分のところにあるツボ。気の流れを良くして全身の血行を促進し、身体を温めます。
④肓兪(こうゆ):おへその中央から左右に指1本分のところにあるツボ。集中力アップやイライラ・不眠症などに効果が期待できます。