何かとストレス社会の現代、ストレスと最も関係が深いとされる生活習慣が「睡眠」です。
心と身体の健康を維持するには“睡眠の質”を上げることがとても重要になります。また美容にとっても「睡眠」はとても大切です。とはいえ、最近は新型コロナウイルスによる環境の変化によって例年以上にストレスを抱え、睡眠に影響を及ぼしている方も多いのではないでしょうか。
今回のヒフの日通信4月号ではストレス疲労を解消する「睡眠美容」について特集します。
日本は世界で第1位の睡眠最短国!?
OECD(経済協力開発機構)が2018年に発表した国際比較において日本の睡眠時間は「7時間22分」と33ヶ国中なんと最下位に!そこまで短くないようにも感じますが、1位の南アフリカと比べると1時間51分もの差が開いており、日本人の平均睡眠時間は世界的に見てもかなり短く、睡眠最短国であることが分かります。
忙しさのあまりに睡眠時間が削られたり、ストレスで眠れないなど睡眠時間が短いことで様々な病気や不調の原因となるだけでなく、集中力や思考が低下するなど生活の質にも深くかかわってきます。
・寝る前はスマホやパソコンをチェックする
・寝る時間は毎日決まっていない
・布団に入っても寝付くまでに時間がかかる
・夜中に何度も目が覚める
・小さな物音や少しの光でも、すぐに目が覚めてしまう
・朝予定よりも早く起きてしまい、まだ眠りたいのに眠れない
一般的に上記のような状態が続くと睡眠時間が削られて睡眠不足に繋がります。
しかしアメリカの研究で睡眠時間が7時間の人は10時間寝ている人より長生きするというデータがあります。この結果を受けて睡眠時間を減らした方が良いと考える人もいますが、実はここで重要なのは睡眠時間ではないのです。
7時間睡眠で活動できる人は質の良い睡眠がとれており、10時間寝る人は、10時間寝ないと疲れがとれない睡眠をしているということです。
つまりは、睡眠は時間の長さではなく質が大切であると言えます!
隠れ睡眠不足チェック
□ バスや電車で数駅でも寝られる
□ ベッドに入ったら5分以内で寝られる
□ 起床後、4時間後に眠気がある
□ 休みの日はいつもより2時間長く寝られる
□ 朝気分が晴れず、いらいらすることがある
□ 起きた時に「よく眠れた」と思うことが少ない
上記にいくつ当てはまりましたでしょうか?
実は一見、睡眠時間が取れているように見えても睡眠の質が悪いために隠れ睡眠不足の可能性も。
睡眠がうまく取れていないことを睡眠負債といいます。
睡眠負債とは毎日の睡眠不足が借金のように積み重なりやがて負債となって健康被害を及ぼすことを言います。これらは一見、睡眠時間を確保しているように感じますが、実は睡眠の質の低下により負債が溜まってしまう状態であると言えます。睡眠不足で疲労が回復しない状態が続くと、判断力や記憶力の低下に繋がります。
睡眠不足を感じたら…“睡眠の質”を向上させましょう。
早く寝なければと焦る余り、余計眠れなくなることがあります。まずは良質な睡眠がとれるよう睡眠環境を整えていきましょう。
理想的な睡眠には「リズム」と「バランス」が大切です!
睡眠にはノンレム睡眠とレム睡眠という2つの状態があり、「ノンレム睡眠」は眠りが深く、脳が休息状態にあると言われています。脳が休息状態となるノンレム睡眠は睡眠段階が4段階に分類され、段階によって眠りの深さが変化していきます。「レム睡眠」は眠りが浅く、脳は活動した状態で身体が休息状態にあると言われています。どちらか一方が長ければよいというわけではなく両方のバランスが大切で、この2つの睡眠は90分周期で交互に現れ、これを4~5回繰り返します。ノンレム睡眠80%、レム睡眠20%が理想の睡眠と言われています。
そして睡眠の質を決めているのは睡眠ホルモンと呼ばれる「メラトニン」です。メラトニンは成長ホルモンの分泌を促す役割があり、睡眠中に最も分泌されます。メラトニンがきちんと分泌されると睡眠の深さと長さが安定した質の良い睡眠をとることができ、美容効果も高まります。そのメラトニンは、神経伝達物質の「セロトニン」(別名「幸せホルモン」)が原材料となります。
朝日を浴びると脳内のセロトニンの分泌が活発化し、約15時間後に脳の松果体において日中に分泌されたセロトニンを原料にメラトニンが作られます。つまりセロトニンが少ないと、合成できるメラトニンの量も減ってしまい、うまく入眠できなくなるのです。日中はセロトニンを活性化させ、夜はできるだけメラトニンを減少させない生活を心がけることがよい睡眠に繋がります。
睡眠の質の高め方
①朝起きたら太陽の光を浴びましょう
朝目覚めたと同時に太陽の光を5~10分間浴びましょう。朝起きて太陽の光が目に入るとメラトニンの分泌が抑えられます。
②お風呂に浸かる
シャワーで済まさずに、湯船に浸かる習慣をつけましょう。38℃程度のぬるめのお湯に15分程度浸かり身体をじっくり温めることで、緊張をほどきリラックス効果を期待できます。
③寝る前のスマホやパソコンの使用を控える
スマートフォンやパソコンの画面から発せられるブルーライトの光によってメラトニンが減少してしまうため、寝る前の使用は控えましょう。
④寝具を変えてみる
湯船に浸かりじっくり身体を温めたり、スマートフォンの使用を控えたりすることも大切ですが、睡眠の質を高める一番の近道は寝ている環境を「快眠できる環境」に変えてみましょう。普段何気なく使っている枕やシーツなどは睡眠の質に大きく作用します。睡眠不足が続いているようなら寝具との相性はどうなのか、見直してみてはいかがでしょうか。
また、質の良い眠りを取るために欠かせない動きである寝返りは、ノンレム睡眠とレム睡眠を切り替える時、そしてノンレム睡眠に達している時によく寝返りをうち、身体への負担を少なくしているといわれています。
腰痛でお悩みの方も、実は深い睡眠に到達できていない可能性があります。肌の調子が悪い、最近腰が痛むという方も睡眠の質を上げることに意識を向けてみてはいかがでしょうか。イービーエムにはセロトニンの分泌をサポートしてくれる商品もございますので、詳しくはスタッフまでお気軽にお尋ねください。