美肌づくりを目指す上で重要といわれているのが「クレンジング」です。いくらスキンケアで美容成分を加えても、メイクを落としきれなければ効果を発揮できません。また、肌に汚れが残っていると、毛穴を詰まらせてニキビや肌荒れなどの原因になることもあります。
クレンジングにはさまざまな種類があり、自分の肌質やメイクに合わせて選ぶことが大切です。ここでは、クレンジングの種類ごとの特徴と選び方を、クレンジングの際の注意点と併せてご紹介します。

クレンジング選びは重要

油性成分が多いメイクは、お湯や洗顔料だけではきちんと落とせず、メイクを浮き上がらせて落とすクレンジングが必須です。さらに、クレンジング剤にはさまざまな種類があり、自分に合ったタイプを選ぶことが、肌のコンディションを左右するポイントになります。

自分の肌質に合わせたクレンジング剤を選ぶ

人の肌質は、大きく分けて、普通肌・乾燥肌・脂性肌・混合肌・敏感肌の5タイプがありますので、自分の肌タイプに合わせたクレンジング剤を使ってください。
例えば、乾燥肌タイプの人が洗浄力の高いクレンジング剤を使い続けると、肌に必要な皮脂まで落としてしまい、乾燥が加速する可能性があります。また、脂性肌の人が洗浄力の低いクレンジング剤を使っていると、過剰な皮脂を落としきれず、毛穴の黒ずみやニキビなどにつながる可能性があるでしょう。

肌質についてはこちらの記事もご覧ください。
肌質は改善できる？肌質ごとの特徴と整えるためのケア

毎日同じものでなく、状況に応じた使い分けがおすすめ

肌のコンディションは、体調や気候、生理周期などによって日々変わるものです。また、その日のメイクの濃さや、クレンジングにかけられる時間なども考慮する必要があります。
自分の肌質に合うと思ったクレンジング剤が、常に最適であるとは限りません。肌が乾燥しがちなときはクリームタイプ、しっかりメイクをした日はオイルタイプなど、肌コンディションやメイクによって使い分けが望ましいです。

クレンジングの種類

クレンジング剤には、オイルタイプやバームタイプ、クリームタイプ、ジェルタイプなどさまざまな種類があり、違いは主に、油性成分の配合比率とテクスチャーとなります。ここからは、クレンジングの種類を詳しく解説していきましょう。

オイル

クレンジング剤の中で最も油分の配合が多いオイルタイプは、メイクや皮脂などの汚れをスムーズに浮かせて、しっかり落とすことができます。洗浄力が高く、濃いメイクもするっと落としやすいのが特徴です。メイクとなじみやすいので、肌との摩擦が少なく済むでしょう。
ただし、洗浄力が強い分、肌に必要な皮脂まで落としてしまう可能性も。最近は低刺激のオイルタイプも登場しているため、特に乾燥肌や敏感肌の場合は、そういったタイプを選ぶのがおすすめです。

バーム

オイルタイプのクレンジング剤を固めたものが、バームです。半固形状ですが、肌にのせると体温で溶け、オイルのような質感になってメイクとなじみます。ダブル洗顔が不要なタイプが多いのも特徴でしょう。
油性成分が多く洗浄力が高めのため、脂性肌にぴったり。乾燥肌や敏感肌の場合は、べたつきが気になる夏だけ、濃いメイクをした日だけなど、ピンポイントで使うのがおすすめです。

クリーム

オイル、バームに次いで油分の配合が多いのがクレンジングクリームです。適度な油分でうるおいを保ちつつ、クレンジング後もしっとりした肌を保てるため、乾燥を抑えられ、乾燥肌におすすめ。洗浄力はオイルほど強くないものの、通常のメイクを落とすなら十分です。
こっくりとしたテクスチャーで、マッサージクリームとして使用できるものもあります。

ミルク

ミルククレンジングは、水分の配合率が高く油分が少なく、乳液のような、なめらかな使い心地が特徴です。しっとりとうるおいを残すような洗い上がりで、肌にやさしいクレンジング剤といわれています。
一方、洗浄力はやや弱めなため、濃いメイクやリキッドファンデーションを落とすのにはあまり向きません。ポイントメイクリムーバーと併用するか、ナチュラルメイクの人におすすめのクレンジング剤です。

ジェル

とろっとしたみずみずしい感触のクレンジングジェル。クッション性のあるテクスチャーで、肌なじみがよく、汚れを素早く溶かし出すため、肌への摩擦が抑えられます。洗浄力は、オイルとクリームの中間程度。色でも多少違いがあり、白っぽいものよりも透明タイプのほうが、さっぱりとした洗い上がりになります。

ローション

クレンジングローションは、水分やアルコール成分をベースにしたクレンジング剤で、「リキッドクレンジング」や「水クレンジング」とも呼ばれます。油分が少なくサラッとした使い心地なので、べたつきが苦手な人にもおすすめです。
洗浄力はオイルタイプに比べれば劣るものの、一般的なメイクなら問題なく落とせるでしょう。ただし、コットンに染み込ませて拭き取るタイプの場合、肌をこすりすぎないように気をつけましょう。

クレンジングシート

クレンジング剤を含ませたシートでメイクオフできるのが、クレンジングシートです。濃いメイクの場合はオイルインタイプ、ナチュラルメイクやメイク直しにはローションタイプと使い分けるといいでしょう。クレンジングシートはどこでも簡単にメイクを落とせる手軽さが魅力ですが、物理的にメイクを拭き取るため、摩擦による肌への負担は大きくなります。疲れているときや旅行中など、一時的な活用がおすすめです。

ポイントメイクリムーバー

ポイントメイクリムーバーは、アイメイクやリップといったポイントメイク専用のクレンジングです。目元や口元は皮膚が薄く、摩擦によるダメージでシワや色素沈着が起こりやすい場所でもあります。あらかじめ、ポイントメイクリムーバーで目元や口元のメイクを落としてからクレンジングをすれば、肌への負担を軽減できるでしょう。しっかりメイクをする人には、必須ともいえるアイテムです。

肌やメイクに合わせたクレンジングの選び方

クレンジングの種類ごとの違いを把握したところで、次に、肌の状態やメイクに合わせたクレンジングの選び方を見ていきましょう。

乾燥が気になるとき：ミルク、クリーム、ジェル

肌が乾燥しているときは、ある程度油分が含まれていて、柔らかいテクスチャーのミルクやクリーム、ジェルタイプがおすすめ。程よい洗浄力で、うるおいを残しながらメイクを落とすことができます。オイルタイプなど洗浄力が強いタイプは、皮脂を取りすぎて乾燥を進ませる可能性があるため、乾燥が気になるときは避けたほうがいいでしょう。

テカリが気になるとき：オイル、バーム

肌のテカリやべたつきが気になる場合は、しっかりと皮脂を落とせるオイルタイプやバームタイプを選びましょう。毛穴の皮脂汚れを改善したいときにも、オイルクレンジングは効果的です。おでこや鼻だけがテカるという場合は、Tゾーンはオイルタイプ、そのほかの部分はクリームタイプなど使い分けてみてください。

濃いメイクのとき：ポイントメイクリムーバー、オイル、クリーム

濃いメイクを落とすときは、肌なじみのよいオイルタイプやクリームタイプがおすすめです。するするとメイクになじみ、強くこすらなくてもスムーズに汚れを落とせるので、肌への負担を抑えられます。アイメイクやリップなどは、クレンジング前にポイントメイクリムーバーで落としておくことを忘れずに。

ナチュラルメイクのとき：ジェル、ミルク、ローション

ナチュラルメイクの日は、必要以上に洗浄力の強いクレンジング剤を使わなくても大丈夫。むしろ、肌をいたわるために、水分の配合が多く刺激の少ないジェルやミルク、ローションタイプのクレンジングを選ぶといいでしょう。

ニキビなど肌トラブルがあるとき：ミルク、クリーム

毛穴に残ったメイク汚れや肌への摩擦ダメージは、肌トラブルを悪化させる要因になります。ニキビなど肌トラブルがあるときは、メイクを控えめにするとともに、いつも以上にやさしく丁寧なクレンジングを心掛けてください。クレンジングは、肌への摩擦が少なく、しっとりと洗い上げることができるミルクやクリームタイプがおすすめです。

クレンジングのポイント

せっかく肌質やメイクに合わせたクレンジング剤を選んでも、誤った方法でクレンジングをすれば、効果は半減。ここからは、クレンジングの際の注意点についてご紹介します。

クレンジング前に手を洗う

手には、さまざまな汚れや雑菌がついている可能性があります。ハンドクリームやヘアワックスなど、油性の汚れがついていれば、クレンジング剤がそちらと反応してしまう可能性も。メイクを落とす前には必ず手を洗い、清潔な状態でクレンジングしてください。

ケチらずに必要量を使う

クレンジングの際は、商品パッケージに記載されている必要量を守りましょう。クレンジング剤の量が少ないと、肌をこすることになりかねず、摩擦でダメージを与えてしまいます。多少「もったいないな」と思っても、クレンジング剤の節約は厳禁です。

しっかり乳化させる

拭き取りタイプ以外のクレンジングを使う際には、油分と水分をなじませて乳化させる必要があります。クレンジング剤を肌になじませると、白っぽく膜がかかったようになりますが、これが乳化です。ミルクやクリームのようなこっくりしたテクスチャーのクレンジング剤の場合、なじませていると手が軽くなる瞬間があるため、わかりやすいでしょう。
クレンジング剤は乳化によってメイクを浮かせ、するっと洗い流せるようになっています。しっかり乳化させないままクレンジング剤を流すと、メイク汚れをきちんと落としきれないことがあるので注意してください。

乳化したらすぐに洗い流す

クレンジングとメイクをなじませて乳化させたら、すぐにぬるま湯で洗い流します。肌の上に長くとどめていると、せっかく浮かせた汚れが毛穴に詰まってしまう可能性があります。トリートメントクリームとして使えるクレンジングであっても、肌にのせるのは1分以内を目安にしてください。

肌に合わせたクレンジングで美しい素肌を目指そう

クレンジングで大切なのは、汚れをきちんと落とすことと、うるおいを取りすぎないことです。そのためには、肌の状態やメイクに合わせたクレンジングを選ぶ必要があります。
肌コンディションやメイクは日によって違うため、洗い上がりの肌の状態なども確認しながら、肌に負担をかけずにしっかり汚れを落とせるクレンジングを選びましょう。

基礎化粧品会社イービーエムが展開する全国の「スキンケアスタジオ」では、お一人おひとりの肌や体質に合った化粧品をベースに、心を込めた美と健康の「手あて」をいたします。肌やスキンケアでお悩みがある方は、ぜひご相談ください。