お肌のお悩み・肌トラブル

肌質は改善できる?肌質ごとの特徴と整えるためのケア

「カサカサしやすい」「すぐにべたつく」など、肌の状態は人それぞれ異なります。また、「自分の肌は乾燥しやすい」と思い込んでいても、実はそうではなかったり、年齢や環境で肌質が変化していたりすることもあります。
肌質を改善するには、現在の肌の状態を知り、タイプに合わせたスキンケアを行うことが大切です。ここでは、肌のタイプごとの特徴と起こりやすいトラブルのほか、正しい状態に整えるためのスキンケアについてご紹介します。

肌質改善とは?

そもそも「肌質を改善する」とは、どういったことでしょうか。あらためて、その意味を考えてみましょう。

自分の肌の状態を知り、それに合ったケアを行うこと

肌質改善と聞くと、「肌の状態を変えること」と考える人もいるかもしれませんが、それだけではありません。肌質改善とは、一人ひとりの肌の状態に合わせて適切なスキンケアを行い、美しく健康な肌へと導くこと。そのためには、まず自分自身の肌の状態をしっかりと把握することが大切です。自分の肌質をきちんと把握できていないと、誤ったケアを続けてしまうことにもなりかねません。

大きなトラブルに見舞われず、すこやかな肌を保てること


美しい肌の条件のひとつが、肌のターンオーバーが正常なサイクルで行われていることです。ターンオーバーとは、新しい皮膚が生まれて古い皮膚がはがれ落ちる代謝のサイクルのこと。
ターンオーバーの乱れは、シミ、シワ、くすみ、肌荒れなど、さまざまな肌トラブルの原因になります。肌質改善を目指す上では、このターンオーバーを整えることを重視したケアが必要になるのです。

そのときの肌の状態に合ったケアを行うこと

肌の状態は、ずっと同じとは限りません。年齢や環境の変化によって、肌質が変わるケースはよくあります。そのような場合、以前と同じスキンケアを続けていると、肌質とのミスマッチが起こり、肌トラブルが起きることもあるでしょう。刻々と変化する肌の状態をとらえ、適切なスキンケアを行うことが大切です。

5つの肌のタイプ


肌のタイプには、大きく分けて「乾燥肌」「脂性肌」「混合肌」「敏感肌」「普通肌」の5種類があります。各肌質の特徴は、下記のとおりです。

乾燥肌

皮脂量と水分量の両方が不足している状態の肌が、乾燥肌です。ふれるとカサつきやごわつきがあり、肌のバリア機能が低下しているため、肌荒れや炎症が起きやすくなります。外気が乾燥する秋冬や、紫外線が強くなる夏場の季節に乾燥を強く感じる場合もあります。
乾燥肌に起きやすい肌トラブルは、小ジワやくすみ、シミなどです。

<こんな場合は乾燥肌かも?>
・朝起きてすぐや洗顔直後に肌のつっぱりやカサつきを感じる
・肌がいつもザラついている
・乾燥して肌が粉を吹いているときがある
・肌のくすみが気になる

脂性肌

脂性肌はオイリー肌とも呼ばれ、皮脂量が多い状態の肌を指します。油分が過剰に分泌されている一方で、水分は適量か少し多めです。そのため、うるおいや弾力には問題がありませんが、さわるとベタつきを感じるでしょう。過剰な皮脂分泌のために、毛穴が詰まってニキビができやすくなったり、毛穴が開いてファンデーションが崩れやすくなったりします。
脂性肌に起きやすい肌トラブルは、ニキビや吹き出物、毛穴の黒ずみなどです。

<こんな場合は脂性肌かも?>
・朝起きると肌がベタベタする
・メイクがすぐ崩れてしまうのが悩み
・毛穴の黒ずみが気になる
・おでこや鼻の頭がいつもテカテカしてしまう

混合肌

油分の分泌量が多いのに、水分量が少ないのが混合肌です。つまり、「脂性肌と乾燥肌が混合している状態」といえるでしょう。肌にふれるとべたついているのに肌内側の水分量は不足しているため、「インナードライ」とも呼ばれます。水分と油分のバランスが崩れているので、「Tゾーンはべたつくのに頬は乾燥する」など、部分的に肌の状態が異なります。
季節や環境の変化で肌が影響を受けやすいため、その都度スキンケアを見直していく必要があるのが混合肌です。

<こんな場合は混合肌かも?>
・Tゾーンだけテカリを感じる一方で、頬や口周りは乾燥している
・さっぱりタイプの化粧品だと頬がつっぱり、しっとりタイプではTゾーンがべたつく
・季節によって肌質が変化する

敏感肌

敏感肌は、外部刺激から肌を守るためのバリア機能が低下して、水分と油分のバランスが崩れた状態です。メイクやスキンケアグッズの成分はもちろん、髪の毛や服の接触、寒暖差、ストレスなど、わずかな刺激でも肌が反応し、かゆみや赤みといった肌荒れが起きやすい傾向があります。
敏感肌に起きやすい肌トラブルは、湿疹や炎症、かゆみ、赤みなどです。また、アレルギーなど、元々の体質が原因となっている場合もあります。

<こんな場合は敏感肌かも?>
・紫外線にあたると肌がヒリヒリしたり、赤くなったりする
・化粧品がしみることがある
・肌のかゆみや湿疹などが起こりやすい

普通肌

普通肌は、肌の皮脂量と水分量のバランスがとれている状態です。肌のバリア機能もしっかりと働いているため、大きな肌トラブルが起こることはないでしょう。キメやハリが整った理想的な肌質といえますが、季節や体調によっては肌が乾燥し、皮脂量が増えることもあります。

<こんな場合は普通肌かも?>
・洗顔後に急いで化粧水や乳液をつけなくても肌がつっぱらない
・適温の室内にいれば、肌にふれてもカサつきやべたつきを感じない
・ほぼ安定してファンデーションのノリがよい

肌のタイプ別の肌質改善ケア


ターンオーバーを整える肌質改善は、肌のタイプによって適したケアが異なります。自分の肌質と起こりやすい肌トラブルを知ったら、タイプに合わせた肌質改善ケアを行いましょう。

乾燥肌:水分と油分を補う

皮脂量と水分量がともに不足している乾燥肌には、水分と油分の両方をしっかりと補うことが必要です。コラーゲンやヒアルロン酸など、保湿力の高い成分を含む化粧水や美容液を使い、化粧水の後には乳液やクリームも忘れずに。化粧水や美容液がしっかり浸透するように、ブースター(導入液)を使用するのもおすすめです。
摩擦による刺激は乾燥を加速させるため、クレンジングや洗顔はこすらないようになでるようなやさしいタッチで。肌に必要な皮脂を奪ってしまわないよう、ぬるめのお湯ですすぎましょう。

乾燥肌のスキンケアについてはこちらの記事もご覧ください。
どうして肌は乾燥する?原因と正しい対策について

脂性肌:皮脂汚れをしっかり落として保湿する

脂性肌のスキンケアは、まず洗顔で皮脂汚れをきちんと落とすことが大切です。ただし、熱いお湯で顔を洗ったり、力を入れてゴシゴシこすったりするのは禁物。洗いすぎによって必要な皮脂まで取り除いてしまい、肌を守るためにかえって多くの皮脂が分泌される悪循環に陥ってしまいます。同様に、脂取り紙などで皮脂を取りすぎても、反対に皮脂が増えることがあるため注意が必要です。
べたつきが気になる脂性肌は、化粧水もさっぱりタイプがおすすめです。「オイルフリー」や「ノンコメドジェニック」と表示されている商品を選ぶのもよいでしょう。ただし、脂性肌であっても保湿ケアは重要です。べたべたするからと乳液を省略すると、肌の内側が乾燥して余計に皮脂が分泌されてしまいます。乳液かテクスチャーの軽いクリームを薄くのばして、しっかりと肌を保湿しましょう。

脂性肌のスキンケアについてはこちらの記事もご覧ください。
脂性肌のスキンケアを紹介!正しいケアでべたつき知らずへ

混合肌:部分的に水分と油分を調整する

混合肌の場合は、部分的にはべたついていても、肌の内側は水分が不足している状態です。そのため、化粧水は保湿力の高いものを使い、クリームや乳液は肌の状態に合わせて、種類や使い方を調整するといいでしょう。
例えば、乾燥しやすい頬や口元にはしっかり保湿できるクリームを選び、Tゾーンにはさっぱりタイプを使用するのもひとつの方法。化粧水がなかなか浸透しにくいと感じる場合は、ブースター(導入液)をプラスするのもおすすめです。また、刺激が強すぎないピーリングなど、古い角質を取り除くケアを上手に取り入れ、肌のターンオーバーを整えましょう。

混合肌のスキンケアについてはこちらの記事もご覧ください。
混合肌のスキンケアとは?正しいケアで一日中快適肌へ

敏感肌:自分に合った低刺激のスキンケアグッズを選ぶ

敏感肌は、乾燥に弱く、少しの刺激でも肌に負担を与えてしまいます。クレンジングや洗顔料、化粧水などは低刺激タイプを選び、水分や皮脂を奪いすぎないようにしましょう。もしも化粧品を使って痛みやかゆみがあったときは、すぐに使用をやめてください。肌に合うスキンケアアイテムがなかなか見つからない場合は、皮膚科医やスキンケアアドバイザーなど、専門家に相談するのもおすすめです。
また、ストレスや睡眠不足、食生活の乱れは、肌の状態に悪影響を及ぼします。規則正しい生活を心掛け、適度に趣味などで気分転換を図ってください。できるだけ肌に直接紫外線を浴びないように、季節や天気を問わず、紫外線対策を行うことも大切です。

普通肌:肌の状態を見極めてケアする

水分と油分のバランスがとれている普通肌の場合は、基本的にいつもどおりのスキンケアで問題ないでしょう。ただし、大きな肌トラブルがなくても、花粉や乾燥の時期に肌の調子が悪くなったり、睡眠不足やストレスによって肌荒れが起こったりすることがあります。
また、年齢が進むにつれて肌質が変わっていくことも考えられます。肌の状態に注意を払いながら、季節や環境に合わせて、乾燥対策や保湿ケアをプラスするといいでしょう。

肌質改善の基本は、自分の肌の状態を知ること

肌質にはいくつかの種類があり、タイプによって、起こりやすいトラブルや適したスキンケアは異なります。自分の肌の状態を把握していなければ、肌質改善のためのケア方法もわからず、肌のためによいと思って行ったケアが逆効果になる可能性もあります。
自分の肌を知ることは、肌質改善の第一歩です。肌のタイプに合わせたケアでターンオーバーを整え、トラブルのない美しい肌を目指しましょう。

基礎化粧品会社イービーエムが展開する全国の「スキンケアスタジオ」では、お一人おひとりの肌や体質に合った化粧品をベースに、心をこめた美と健康の「手あて」をいたします。肌やスキンケアでお悩みがある方は、ぜひご相談ください。

この記事の監修者

医学博士。聖マリアンナ医科大学医学部卒。 聖マリアンナ医科大学病院、昭和大学病院、墨田病院などを経て、現在は子育てをしながら産業医として活動している。