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老け顔の原因に?口元のシワの種類と原因、目立たなくする方法を解説

加齢とともに目立ってくる、口元のシワに悩む人は少なくありません。口元のシワは顔の印象を大きく左右し、実年齢よりも老けた印象を与えてしまうこともあります。シワを完全になくすことは難しいですが、目立たなくすることは可能です。

口元のシワにはいくつか種類があり、原因もさまざま。ここでは、口元のシワの原因や、シワを目立たなくするためにできることをご紹介します。

口元のシワには種類がある

口元のシワは、できる部位ごとに、「縦ジワ」「ほうれい線」「マリオネットライン」「梅干しジワ」の4つに大きく分けられます。それぞれどのような特徴があり、何が原因でできるシワなのかを見ていきましょう。

縦ジワ

縦ジワは、唇の上下(白唇部)に縦に入る細かいシワを指します。目元や目尻、眉間や額などにもできるちりめんジワや小ジワと同じタイプで、主に皮膚の乾燥によってできるとされています。

口の周りの皮膚には皮脂腺や汗腺が少なく、顔の中でも特に乾燥しやすい部位です。若い人でも、環境や肌質、誤ったスキンケアなどによって、縦ジワができてしまうことはあります。縦ジワを作らないためにも、こまめな保湿ケアをすることが大切です。

ほうれい線

ほうれい線は小鼻から下にハの字に伸びるシワで、「鼻唇溝(びしんこう)」とも呼ばれます。

ほうれい線ができる主な原因は、皮膚の奥深くにできる「真皮ジワ」による頬の皮膚のたるみです。皮膚は表皮・真皮・皮下組織の3層構造になっており、真皮はコラーゲンやヒアルロン酸、エラスチンなど、肌のハリや弾力を保つために重要な成分によってできています。

加齢や紫外線ダメージによってコラーゲンやエラスチンの量が減ると、肌のハリや弾力が保てなくなり、真皮ジワが進行しやすくなることに。それによって頬の皮膚がたるみ、ほうれい線も目立ってきてしまいます。

マリオネットライン

マリオネットラインはその名のとおり、マリオネットや腹話術人形のように、口角からあごにかけて縦に伸びた2本の線のことを指します。マリオネットラインができると口角も下がりやすくなり、周囲に不機嫌そうな印象を与えてしまうことも。

マリオネットラインは表情筋の衰えやこわばり、皮膚のたるみといった複数の原因が合わさることで現れるとされています。表情筋が衰えて皮膚や脂肪を支えられなくなったり、こわばって口角を上げにくくなったりすることでマリオネットラインができやすくなり、皮膚がたるむことでさらにマリオネットラインを深くする原因となるのです。

梅干しジワ

梅干しジワは、口を閉じるとあごに現れるシワのことです。でこぼことした梅干しの表面のようなシワで、あごにある頤(おとがい)筋という筋肉が緊張することで現れます。梅干しジワがあると表情が硬く見え、真顔でいると周囲に不満そうに思われてしまうことがあります。

歯並びや骨格が影響するため、年齢に関係なく若い人でも現れることがあり、ほかのシワとは違った対策が必要でしょう。口呼吸や食いしばりの癖などでもできやすくなります。

口元にシワができる4つの原因

口元のシワは、普段の生活習慣や癖が関わっています。具体的にどのようなことが口元のシワにつながるのか、大きく4つの原因をご紹介します。

乾燥

肌の水分や油分が不足すると、乾燥によって口元や目元、額などに細かいシワができやすくなります。乾燥はバリア機能の低下を招き、シワのほかにもシミや肌荒れの原因にもなるため要注意です。

口元は皮膚が薄いこともあり、顔の中でも目元と並んで肌が乾燥しやすい部分です。皮膚が薄いと外部からの刺激にも反応しやすく、少しの刺激でも肌荒れを起こしやすくなります。その結果、肌のバリア機能が低下し、さらなる乾燥を招いてしまうのです。

さらに、口元は皮脂腺も少ないため皮膚の表面を覆う皮脂が少なく、水分が蒸散しやすい部位です。これも、乾燥によるシワができやすい原因のひとつといえるでしょう。

ハリ不足

シワができた初期は乾燥による「小ジワ」の状態ですが、加齢や紫外線ダメージ、ホルモンバランスの乱れなどによって肌のハリや弾力が失われると、真皮まで刻まれた真皮ジワになります。

肌の奥深くにある真皮では、コラーゲンやエラスチンなどが結びついて肌のハリや弾力を支えています。コラーゲンやエラスチンなどが劣化したり減少したりすることで表皮も支えられなくなり、シワやたるみの原因となるのです。

表情の癖や衰え

表情筋の使い方によっても、口元にシワができることがあります。癖などで日常的に同じ動きを繰り返したり、笑ったときに口周りにくっきりとシワができたりする人は、元々口元にシワができやすいタイプです。長年同じような表情筋の使い方をすることと、加齢や紫外線ダメージによる肌の弾力不足が相まって、シワとして定着してしまいます。表情の癖でシワができる場所には個人差があり、口元ではなく鼻や目元、眉間などにできることもあります。

また、あまり表情筋を動かさないことや加齢によって、口の周りの皮膚を支える筋肉が衰えることでも、皮膚が支えられずに口元にシワができることがあります。

紫外線ダメージ

紫外線は肌のバリア機能を低下させたり、真皮まで届いてコラーゲンを壊したりして、肌の弾力やハリ不足による深いシワを作る原因となります。

肌の老化には、加齢による老化と日光による光老化があり、さらに日光による老化の約8割が紫外線によるとされています。光老化は紫外線を浴びた時間と強さに比例して起こるともいわれ、若い頃に紫外線対策を怠ったことがシワの原因になる可能性もあります。

その他のシワについては、こちらの記事もご覧ください。
目立つシワができる場所と原因は?効果的なシワ改善方法をご紹介!

口元のシワを目立たなくするには?

口元のシワを目立たなくするには、毎日の丁寧なスキンケアとともに、紫外線対策を見直したり効果的な美容成分を取り入れたりすることがポイントになります。それぞれ、どのようなケアをすれば改善や予防効果が期待できるのか解説します。

毎日のスキンケアでしっかり保湿する

口元の皮膚は特に乾燥しやすいため、日々のスキンケアでは保湿力の高いスキンケアアイテムでしっかりとうるおいを与えることが大切です。乾燥による小ジワが目立たなくなるだけでなく、肌のバリア機能を保つ効果もあります。

基本的なこれらのスキンケア化粧品は、ヒアルロン酸やセラミドなど、保湿成分が配合されたものを取り入れましょう。また、薄くてデリケートな口元の皮膚を守るためにも、化粧水などを塗るときは、強く叩き込んだりこすったりせず、手でやさしくなじませます。特に、入浴後や洗顔後は水分が蒸発しやすい状態のため、すぐに水分を補給し、乳液やクリームなどを使って油分で蓋をしてください。

ほうれい線やあごなど、口元のシワが気になる部分には美容液なども併用し、乾燥対策をしましょう。

スキンケアについてはこちらの記事もご覧ください。
スキンケアのやり方はこれでOK!朝と夜で行うひと工夫

季節や天候を問わず紫外線対策をする

紫外線対策は、現在あるシワを悪化させないために、また将来のシワを防ぐためにも重要です。

紫外線対策は屋内外問わず行うのが理想ですが、特に外出をする際は、どんな季節や天候でも対策してください。日焼け止めを塗り、日傘や帽子も活用して紫外線によるダメージを予防しましょう。

シワ改善に効果的とされる栄養成分を補給する

シワの改善に効果的とされる成分を積極的にとるのも、シワを目立たなくする方法のひとつです。コラーゲンをたっぷり含む食品のほか、コラーゲンの生成を促す鉄分やビタミンC、イソフラボンなどを補給してみてください。これらの成分は緑黄色野菜や柑橘系の果物のほか、サプリメントからも効率よく摂取できます。また、ビタミンC誘導体が配合されたスキンケアアイテムを使うのもおすすめです。

ほかにも、厚生労働省の認可を受けた、シワ改善の有効成分が配合されたアイテムを使うのも口元のシワ対策になります。認可を受けた有効成分は「ニールワン」や「レチノール」「ナイアシンアミド」があります。これらを配合したスキンケア製品も取り入れてみるといいでしょう。

レチノールについてはこちらの記事もご覧ください。
レチノールとは?エイジングやニキビのケアに【美容成分解説】

口元のシワを目立たなくするスキンケアや生活習慣を実践しよう

口元のシワを防いだり目立たなくしたりするためには、日々のスキンケアで乾燥を防いだり、紫外線対策を徹底したりすることが大切です。また、口元のシワの原因となる生活習慣や表情の癖がないかを振り返り、ひとつずつ改善していくことも有効でしょう。

基礎化粧品会社イービーエムが展開する全国の「スキンケアスタジオ」では、お一人おひとりの肌や体質に合った化粧品をベースに、心を込めた美と健康の「手あて」をいたします。スタジオに足を運ぶのが難しいお客様には、オンラインでのスキンケアレッスンも用意いたしましたので、ぜひご利用ください。シワの予防やケアのための、表情筋マッサージもオンラインでレクチャーいたします。

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この記事の監修者

医学博士。聖マリアンナ医科大学医学部卒。 聖マリアンナ医科大学病院、昭和大学病院、墨田病院などを経て、現在は子育てをしながら産業医として活動している。