お肌のお悩み・肌トラブル

レチノールとは?エイジングやニキビのケアに【美容成分解説】

その効果から、美容界でも注目度が高い成分であるレチノール。レチノールはニキビや毛穴といった肌の悩みから、シワやたるみといったエイジングサインに関する悩みまで、幅広く効果が期待できる美容成分です。
ここでは、レチノールの美容効果や種類のほか、選び方や注意点などについて解説します。

※エイジングケア:年齢に応じたお手入れ。

ビタミンAの一種であるレチノール

化粧品や医薬部外品に配合されるレチノールは、ビタミンAの一種です。ニールワン、ナイアシンアミドと並んで、厚生労働省からシワ改善効果が認められた3つの成分のうちの1つでもあります。

攻めと守りのバランスがいいレチノール

美容目的で使われるビタミンAには、「守りのビタミンA」と「攻めのビタミンA」と呼ばれるものがあります。
守りのビタミンAといわれるのは、レチニエステルといわれるビタミンA誘導体です。レチノールを安定化させ浸透を良くした成分で、成分名でいうと、パルミチン酸レチノールや酢酸レチノールなどがあります。レチニエステルは、肌への作用が穏やかな分、肌への刺激も少なく、一般的には赤みなどが出ないのが特徴です。

対して、攻めのビタミンAといわれるのは、トレチノイン(レチノイン酸)とレチノールです。
トレチノインは医薬品で、欧米では40年以上前からニキビ治療薬として使用され、現在ではFDAに認可を得てシミ、シワ、ニキビの治療薬として幅広く使われています。医薬品であるトレチノインは皮むけや赤みが出るなど刺激感が強く、クリニックで処方される一方、レチノールはこうした“攻め”と“守り”のいいとこ取りをしたような成分といえるでしょう。
ビタミンAとしては肌への刺激が比較的少ないため、日常的に使用する化粧品や医薬部外品、医薬品などに使用されています。

レチノールは何歳から取り入れるべき?

肌のターンオーバーやコラーゲン産生は、20代をピークに減少していきます。そのため、意外と早いと感じるかもしれませんが、レチノールは25歳くらいから使用し始めると良いといわれています。
早いうちからしっかりとビタミンAを肌に取り込むことで、肌の老化を緩やかにし、若々しい印象の肌を長く保つことができるでしょう。

レチノールの効果とは?


レチノールの注目度が高いのは、期待できる美容効果がたくさんあるからです。レチノールを使うことで、どういった効果があるのか見ていきましょう。

シワ改善

レチノールには、真皮のコラーゲンやエラスチンの合成を促進してくれる作用があるため、シワやたるみを改善することができます。2017年には、厚生労働省からシワの改善効果が認められました。
さらに、肌のハリやつや感のアップも期待でき、エイジングケアとしてさまざまな効果を発揮します。

シミの予防

レチノールには表皮のターンオーバーを促進する作用があります。それによりメラニンの排出を促し、シミの予防やニキビ跡のケアにも効果があります。

抗酸化作用

レチノールには、肌の老化の原因となる活性酸素を除去する抗酸化作用があります。シワやたるみ、シミの原因となる活性酸素を除去することで、肌の老化を防ぐのです。

ニキビ予防

レチノールには抗炎症作用があるため、ニキビの炎症を抑えて肌荒れを防ぐ効果が期待できます。また、皮脂の分泌を抑制する効果やピーリング効果もあるため、毛穴が詰まりにくく、ニキビができにくい肌環境へと整えてくれるでしょう。

レチノールを利用する際のポイントと注意点


若々しく美しい肌に必要不可欠といっても過言ではないレチノール。レチノール配合の商品を選ぶときや使うときのポイント、注意点についてまとめました。

レチノイド反応(A反応)を知っておく

レチノールに関する記事やコラムなどを読んでいると「レチノイド反応」や「A反応」といった言葉を目にすることがあります。ビタミンAが不足している肌にビタミンAを補うと、一時的に乾燥感やかゆみ、赤み、皮むけといった症状が出ることがあり、これがレチノイド反応やA反応と呼ばれるものです。

ビタミンAは、元々私たちの肌に存在していていますが、紫外線にあたることでビタミンAは破壊され減少していくため、急にビタミンAを補うことで肌の新陳代謝が促進され、過剰反応が現れるのです。
レチノイド反応は毒性反応やアレルギー症状などとは違うため、ビタミンAを補うことに肌が慣れてくれば、自然と治まっていくことが一般的です。個人差はありますが、1ヵ月程度様子を見てください。ただし、肌荒れの状態がレチノイド反応ではなく別の理由であることもあるので、長引く場合は専門医の指示を仰ぎましょう。

使用の際は無理をしない

レチノイド反応について前述しましたが、早くビタミンAを肌に慣れさせたいからといって、無理をしないようにしましょう。
レチノイド反応は、ビタミンAの濃度が高いほど強く出ます。肌荒れのような症状が強く出た場合は、濃度を低いものに変えるか使用頻度を落とすなど、少しずつ肌を慣らしていくのがおすすめです。また、レチノールを配合した製品の複数使いは避けるほか、肌の調子が整ってきたら使用頻度を増やすなどして、肌の状態を確認しながら調整してください。

レチノールの酸化に注意する

レチノールは安定性が低く酸化しやすい特徴があります。早めに使いきるか、酸化しにくいエアレスポンプ容器を採用しているものを選びましょう。

紫外線対策を行う

レチノールを使用する場合は、日焼け止めを塗るなどの紫外線対策をしっかり行いましょう。これは、レチノールには光の感受性を高める特性があり、使用中は紫外線からの影響をより受けやすくなるからです。
なお、これまでレチノールは安定性が非常に悪く、空気や紫外線にふれることでその効果が半減してしまうことから、夜に使用することが推奨されてきました。最近では、日中に使用できるレチノール配合製品も増えています。こうした製品は光に対する耐性を改善した、安定したレチノールが使用されています。
とはいえ、レチノールは基本的には紫外線に弱いため、使用する際はしっかりと紫外線対策を行うようにしましょう。

妊娠中・授乳中の使用は慎重に

食品による過剰摂取は良くないといわれることもあるレチノールやビタミンAですが、レチノール配合の化粧品を妊娠中や授乳中に使用することは、基本的に問題ないとされています。
ただ、妊娠中は肌が敏感になるなど、妊娠前には現れなかったような肌トラブルに見舞われる場合もあります。何か異常を感じた場合は使用を中止する、使用を中止しても症状が改善されない場合は、専門医の指示を仰ぐなど、慎重に取り入れるようにしましょう。
なお、同じビタミンAでもクリニックで提供されるトレチノインは、妊娠中・授乳中の使用は禁止されています。

レチノールでエイジングケアやニキビケアをしよう

レチノールには、シワ改善やシミ予防、ニキビケアといったさまざまな肌への効果が期待できます。
使い始めに赤みや皮むけなどの症状が現れる場合があったり、使用時は紫外線対策が欠かせなかったりと、いくつかの注意点もありますが、若々しくすこやかな肌を保つために欠かせない成分といえるでしょう。毎日のケアにレチノール製品を取り入れることで、美肌を目指してみてはいかがでしょうか。

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この記事の監修者

医学博士。聖マリアンナ医科大学医学部卒。 聖マリアンナ医科大学病院、昭和大学病院、墨田病院などを経て、現在は子育てをしながら産業医として活動している。