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ヒアルロン酸とは?肌への効果と取り入れ方を解説【美容成分解説】

コラーゲンやセラミドとともに、「3大保湿成分」と称されるヒアルロン酸。目にする機会の多い保湿成分ですし、肌にいいイメージを持っている人も多いでしょう。実は、このヒアルロン酸にはいくつかの種類があり、それぞれ特徴や期待できる効果が異なります。
ここでは、身近な美容成分であるヒアルロン酸について、効果や選び方のほか、取り入れ方について解説します。

高い保水力を持つヒアルロン酸

ヒアルロン酸は、ムコ多糖類というたんぱく質と糖が結合した物質です。コロンビア大学のカール・マイヤー博士らによって、1934年に牛の目の硝子体から見つかりました。1gで約6Lもの水分を抱え込むことができるといわれるほど高い保水力を持ち、水に溶かすことで高い粘性を得られます。
これらの特徴を活かし、ヒアルロン酸は医療・化粧品・食品など、さまざまな用途で利用されているのです。

また、人の皮膚・関節液・眼球の水晶体にも多く存在し、肌や目のうるおいを保ったり、関節の動きを滑らかにしたりするなど、すこやかな体を保つのになくてはなりません。

ヒアルロン酸と肌の関係

真皮にはコラーゲンが網目状に存在し、肌のハリや弾力を支えています。その網目の隙間を満たすように存在しているのがヒアルロン酸です。
ヒアルロン酸は細胞と細胞のあいだを満たして水分を蓄えたり、細胞同士をつなぎ合わせたりするなど、コラーゲンやエラスチンとともに肌の弾力性を高める重要な役割を担っています。

ヒアルロン酸は年齢とともに減少する

ヒアルロン酸はハリのある若々しい肌には不可欠なものですが、20代をピークに少しずつ減り始めてしまいます。40代後半を境目に急激に減少し、50代の肌に含まれるヒアルロン酸は、赤ちゃんの頃と比べると約40%程度、60代になると25%程度にまで減ってしまうともいわれています。こうして、十分な水分を保持できなくなると、乾燥やシワ、たるみにつながっていくのです。
すこやかな肌を保つためには、ヒアルロン酸を意識的に補っていくことが大切なのです。

ヒアルロン酸の肌への効果とは?

ヒアルロン酸は、どのような美容の悩みがある人におすすめなのでしょうか。ヒアルロン酸によって得られる美容効果を見ていきましょう。

肌のうるおいをキープし、ハリと弾力を与える

化粧品などでヒアルロン酸を塗布することにより、角質層をうるおして、肌にハリと弾力を与えます。乾燥による小ジワのケアやたるみの予防にもおすすめです。

ターンオーバーを整える

肌が乾燥するとバリア機能が低下し、ターンオーバーが乱れます。ターンオーバーが乱れると肌がごわついたり、外的刺激を受けやすくなったりするため、肌荒れや肌のエイジングにつながってしまいます。ヒアルロン酸には角質層をうるおすことでターンオーバーを整えて、バリア機能を正常化させる効果が期待できます。
ヒアルロン酸は、肌質や世代を問わずおすすめの成分ですが、特にしわやたるみ、ハリ不足といったエイジングサインが現れ始めた人に、ぜひ取り入れてほしい成分です。

ヒアルロン酸を取り入れる方法は?

保湿ケアやエイジングケアのために、毎日補ってほしいヒアルロン酸。日常生活では、化粧品やサプリメント、食品から取り入れることが可能です。

化粧品からヒアルロン酸を取り入れる


化粧品で使われるヒアルロン酸には、大きく3種類あります。どのヒアルロン酸が使用されているかは、化粧品のパッケージやサイトに記載されている全成分表などを確認するとわかります。自身の目的に合わせて、ヒアルロン酸を選んでみてください

・ヒアルロン酸ナトリウム
ヒアルロン酸ナトリウムは水に溶けやすく、高い保湿力があります。ただし、ヒアルロン酸の分子は大きいため、角質層の奥には入らず肌表面にとどまり、保湿効果を発揮します。肌の表面に蓋をして、水分の蒸散を防ぐための乳液やクリームなどによく使われます。

・加水分解ヒアルロン酸
加水分解ヒアルロン酸は、加水分解によりヒアルロン酸の分子を小さくしているため、浸透しやすいという特徴があります。浸透型ヒアルロン酸と呼ばれることもあり、化粧水や美容液などによく使われます。

・アセチルヒアルロン酸ナトリウム
水分保持力と肌への吸着持続性を向上させたのが、アセチルヒアルロン酸ナトリウムです。ヒアルロン酸ナトリウムと比べるとおよそ2倍の保湿力を持つため、スーパーヒアルロン酸とも呼ばれます。化粧水や美容液、クリームなどに幅広く使われ、角質層の表面から奥までをうるおいで満たします。

サプリメントや食品でヒアルロン酸を取り入れる


美容目的でヒアルロン酸を経口摂取しても意味がないといわれていた時期を経て、近年の研究ではヒアルロン酸を経口摂取することで皮膚の水分量を維持、または増加させて乾燥を防いだり、シワが改善したりすることがわかっています。

経口摂取したヒアルロン酸が肌に届く仕組みとしては、まず摂取したヒアルロン酸が大腸の腸内細菌によって分解され、低分子化されます。低分子となったヒアルロン酸はそのまま大腸で吸収され、皮膚に到達するのです。
さらに、吸収されたヒアルロン酸は、コラーゲン代謝をも活性化させ、肌の状態を改善します。

ヒアルロン酸は、鶏の鶏冠・手羽・軟骨、豚足などに含まれていますが、食材からは必要量がとりづらいため、サプリメントを活用するのがおすすめです。
化粧品と違って効果を感じるまでに時間はかかりますが、体の中から肌をうるおすことに加えて、顔だけではない全身のうるおいケアができることが、サプリメントの魅力といえます。

ヒアルロン酸でうるおいあふれるハリ肌を目指そう

ドラッグストアの化粧品売り場などでも目にする機会の多いヒアルロン酸。今回は、その役割や効果、取り入れ方などをご紹介しました。
毎日のケアに取り入れることで、うるおいやハリ感のある肌を目指せたり、エイジングを緩やかなものにできたりするでしょう。ぜひ、自身の肌に合ったヒアルロン酸を選んでみてください。

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この記事の監修者

医学博士。聖マリアンナ医科大学医学部卒。 聖マリアンナ医科大学病院、昭和大学病院、墨田病院などを経て、現在は子育てをしながら産業医として活動している。