お肌のお悩み・肌トラブル

エイジングケアはいつから始める?具体的に何をしたらいいか解説

人の肌は、年齢とともに変化していきます。同じ方法でスキンケアをしていても、10代や20代の頃とは違った肌トラブルが起こることも少なくありません。年齢を重ねた肌には、そのときの肌の状態に合わせたエイジングケアが必要です。
では、エイジングケアは、いつからどのようなことをすればいいのでしょうか。ここでは、エイジングケアの意味やスタートするタイミング、エイジングケアで心掛けたいことなどを、肌の悩み別の対処法とともに解説します。

※エイジングケア:年齢に応じたお手入れ。
※美白:メラニンの生成を抑え、シミそばかすを防ぐこと。

エイジングケアとは?

「エイジング」とは「時間の経過」を指す言葉で、美容分野では加齢や老化という意味で使われます。つまり、エイジングケアとは、「年齢に応じたケア」ということになります。

加齢や老化に合わせたケア

肌の状態は、年齢によって大きく変化します。スキンケアも、年齢とともに変わる肌の状態に合わせたお手入れをする必要があるでしょう。年代によって似合う服装や髪形が違うように、肌に合うスキンケアも年代によって異なります。
加齢に伴う肌の変化を踏まえ、自分の今の肌状態を見極めた上で行うスキンケアを、エイジングケアと呼ぶのです。

アンチエイジングとの違い

エイジングケアとよく似た言葉に、「アンチエイジング」があります。この2つはほぼ同じ意味で使われますが、年齢による肌の変化に応じたケアをするエイジングケアに対して、アンチエイジングは老化を防止する(抗老化)という意味合いです。
エイジングケアは、老化にあらがうというよりも、自分の年齢に応じて肌本来の力を引き出すためのケアのことを指しています。

エイジングケアを始めるべき時期


エイジングケアと聞くと、年齢肌が気になる「40~50代になってから始めるもの」というイメージがあるかもしれません。また、「早くからエイジングケアを始めると、肌が甘やかされて老化が進むのでは」と心配する人もいるのではないでしょうか。
しかし、エイジングケアを始めるタイミングに、早すぎることはありません。肌の状態に変化を感じたタイミングが、エイジングケアの始め時です。

エイジングケアは早ければ早いほどよい

個人差はあるものの、肌の変化は10代後半頃から始まるといわれています。「まだ若いから大丈夫」と思っていても、20代後半になると徐々に肌の代謝が落ち、肌のカサつきやハリ低下を感じる人もいるでしょう。
また、スキンケアアイテムの多くは、シミやシワなどのエイジングサインや、乾燥をはじめとした肌トラブルを「予防」するためのものです。肌にエイジングサインが現れる前から適切なケアを行うことで、美しく健康的な肌を長く保つことができるでしょう。

加齢によって現れるエイジングサイン

エイジングサインとは、加齢によって起こる肌トラブルのこと。人の肌は、20代半ばを越えたあたりから代謝が低下してターンオーバーのサイクルが遅くなりはじめ、肌のハリを支えるコラーゲンの生成量が減少します。そのため、シミやシワ、たるみ、くすみといったエイジングサインが出やすくなるのです。
「なんとなく肌にハリがなくなった」「目元や口元の細かいシワが気になる」「以前に比べてほうれい線が目立ってきた」といった変化を感じたら、それはエイジングサインかもしれません。

エイジングケアは何をしたらいい?


実際にエイジングケアをしようと思ったら、何から始めたらいいのでしょうか。エイジングケア用のアイテムを使うことだけが、エイジングケアではありません。ここでは、エイジングケアで心掛けたいポイントを具体的に紹介しましょう。

紫外線対策を徹底する

エイジングケアを行う上で必ず心掛けたいのが、紫外線対策です。紫外線を無防備に浴び続けると、そのダメージが肌に蓄積され、シミ、シワ、たるみといった「光老化」を招きます。光老化は加齢による老化とは異なり、紫外線を浴びた時間と強さに比例するとされています。実は、顔や手など、直接日光にさらされやすい部分の肌の老化の約80%は、紫外線が原因だといわれるほど。

紫外線は、肌のハリを支えるコラーゲンを傷つけて変性させ、シワやたるみの原因になります。また、シミやくすみを引き起こすメラニンを生成するなど、あらゆるエイジングトラブルのもとになるといっても過言ではありません。
紫外線は、夏の暑い時期や日差しの強い日だけではなく、季節や天候を問わず年中降り注いでいます。特に、肌の奥まで届いてシワやたるみを招くUV-Aは、ガラスや雲も通過する性質を持ちます。日焼け止めや日傘、帽子などを活用し、一年を通してしっかりと紫外線対策を行いましょう。

紫外線ケアについてはこちらの記事もご覧ください。
意外に知らない日焼け止めの正しい塗り方

保湿する

さまざまなエイジングサインに共通する原因が、肌の乾燥です。10代から20代前半くらいまでは、肌の保水力が高く、皮脂も十分に分泌されるため、保湿ケアを意識しなくても肌が乾燥することはなかったかもしれません。
しかし、肌の保水力を支えるセラミドなどの成分は、年齢とともにどんどん減少していきます。肌の保水力が衰えると角質の水分が蒸発しやすくなり、乾燥してバリア機能の低下を招きます。肌の乾燥はシワに直結する上、バリア機能が低下すると紫外線をはじめとする外部刺激を受けやすくなります。

エイジングケアのベースとして、保湿は必須です。洗顔後はすぐに化粧水で肌に水分を補い、乳液やクリームなどの油分で蓋をして、水分の蒸発を防いでください。

スキンケアを見直す

10代や20代前半の頃に使っていたスキンケアアイテムが、いつまでも自分の肌に合うとは限りません。例えば、皮脂の分泌が多い10代ではさっぱりタイプの基礎化粧品を使っていても、20代後半以降は保湿を重視して、水分と油分をバランスよく補うほうが合っているかも知れません。年齢による肌の変化に注意しながら、そのときの状態に合ったアイテムを選びましょう。

また、気をつけたいのが洗顔です。洗浄力の強すぎる洗顔料を使ったり、熱いお湯で洗ったりすると、肌に必要な皮脂まで落とすおそれがあります。力を入れてゴシゴシとこすることも、摩擦による刺激で肌が乾燥する原因に。洗顔のときは、たっぷりの泡で肌をやさしくなでるように洗い、人肌程度のぬるま湯で流すようにしましょう。

洗顔についてはこちらの記事もご覧ください。
洗顔の正しいやり方をチェック!洗顔をマスターして理想の美肌へ

食生活を改善する

エイジングサインの原因にもなる酸化を防ぐため、食生活の見直しも必要です。エイジングケアにおすすめなのは、抗酸化作用を持つビタミンA・C・Eを含む食材。ビタミンAは緑黄色野菜やレバーなど、ビタミンCはレモンやブロッコリーなど、ビタミンEはアーモンドやモロヘイヤなどに多く含まれています。日々の食事に積極的に取り入れるといいでしょう。
同時に、活性酸素を増やす添加物や油をとりすぎないことも大切です。添加物の多いインスタント食品や加工食品、揚げ物などの脂っこい食べ物は、できるだけ避けてください。

良質な睡眠をとる

生活習慣の乱れは、エイジングを加速させる要因となります。特に、肌のターンオーバーは睡眠中に活性化するため、寝不足は美肌の大敵です。
ターンオーバーを促す成長ホルモンは、睡眠中に多く分泌されます。ターンオーバーを正常に保つために、良質な睡眠を心掛けましょう。パソコンやスマートフォン、テレビなどを寝る直前に見るのは避け、休日でも寝だめをせずに、できるだけ睡眠リズムを整えるようにしてください。

肌の悩み別・おすすめエイジングケア成分


エイジングケアを始めるタイミングに早すぎることはありませんが、反対に遅すぎることもありません。肌にエイジングサインが出ても、気になったタイミングでケアをスタートすれば、その分、改善へと働きかけることができます。
ここでは、シワやシミなど、気になる肌の悩み別に、おすすめのエイジングケア成分を紹介しましょう。

乾燥や小ジワが気になる

カサつきや小ジワが気になるときは、肌の保水力を高めるセラミドヒアルロン酸、コラーゲンなどが配合されたスキンケアアイテムを選びましょう。目尻や目の下にできやすい乾燥小ジワには、目元専用美容液や、アイクリームを使うのもひとつの方法です。

シミやくすみが気になる

シミやくすみの予防や改善には、厚生労働省から認可を受けた、美白有効成分が配合されたものが効果的です。代表的な成分には、トラネキサム酸やハイドロキノン、ビタミンC誘導体などがあります。
美白有効成分の種類によって、シミやくすみを薄くするもの、シミやくすみを予防するものなど、働きはさまざま。どれが効くかではなく、自分の肌の状態や悩みに合わせて選ぶことが重要です。

シワやたるみが気になる

シワやたるみが気になる場合は、肌のハリや弾力性を促すレチノールやコラーゲン、ナイアシンアミドなどの成分が含まれたスキンケアアイテムを選ぶといいでしょう。これらの成分は、「ほうれい線が目立ってきた」というときにもおすすめです。

年齢に合わせたスキンケアについてはこちらの記事もご覧ください。
スキンケアとは?肌と真摯に向き合うイービーエムだからわかること

肌の状態に合わせたエイジングケアで肌トラブルを予防しよう

肌の状態に合わせた適切なエイジングケアを行えば、シミやシワ、たるみなどの肌トラブルを防ぎ、若々しく健康的な肌を保つことができるでしょう。エイジングケアは、気になったときが始め時。紫外線対策や保湿をはじめとしたスキンケアと、食生活や睡眠など身体の内側からのケアを組み合わせて、加齢に負けない素肌を手に入れてください。
また、年齢を重ねれば、肌の老化は誰にでも起こるものですから、そのままの自分を受け入れてスキンケアを楽しむことも重要です。

基礎化粧品会社イービーエムが展開する全国の「スキンケアスタジオ」では、お一人おひとりの肌や体質に合った化粧品をベースに、心を込めた美と健康の「手あて」をいたします。肌やスキンケアでお悩みがある方は、ぜひご相談ください。

この記事の監修者

医学博士。聖マリアンナ医科大学医学部卒。 聖マリアンナ医科大学病院、昭和大学病院、墨田病院などを経て、現在は子育てをしながら産業医として活動している。