お肌のお悩み・肌トラブル

今さら聞けない化粧水の役割とは?効果的な使い方や選び方を解説

化粧水は毎日のスキンケアで使用するアイテムのひとつ。しかし、毎日必ず使っていても、具体的にどのような役割があるのか、よく理解できていないことも多いもの。スキンケア効果を高めるためには、アイテムの持つ役割や正しい使い方を知った上で利用することが大切です。
そこで今回は、化粧水の働きや効果的な使い方をご紹介します。自分に合った化粧水の選び方についても見ていきましょう。

化粧水の役割は肌にうるおいを与えて整えること

化粧水の70~80%は水(精製水)で、その主な働きは、クレンジングや洗顔、入浴などで失われた水分を肌に補給することです。
水分を与えるなら水をつけるだけでいいような気がしますが、水をつけて肌が一時的にうるおっても、すぐに蒸発してしまいます。化粧水には保湿成分も含まれており、水分といっしょに肌に保湿成分を与えることで、水だけをつけたときよりうるおいが持続します。

また、肌は乾燥すると硬くなって、美容成分が浸透しません。水分を与えることで肌をなめらかに整え、次に使う美容液やクリームなどの浸透を助けるのも、化粧水の役割のひとつです。

化粧水の種類


化粧水は、大きく分けて3種類あります。主な役割は肌に水分を補うことですが、種類によってそれ以外にもさまざまな働きがあります。化粧水の種類について見ていきましょう。

柔軟化粧水

柔軟化粧水は最も一般的な化粧水で、一般化粧水、保湿化粧水などと呼ばれることもあります。日本で化粧水といえば、柔軟化粧水を指すことが多いでしょう。
肌に適度な水分を与えて柔らかくほぐし、次に使う美容液やクリームなどの浸透を促すもので、導入化粧水も柔軟化粧水の一種です。エイジングケアや小ジワ、肌荒れなど、肌の悩みの改善効果を持つタイプの柔軟化粧水もあります。

ふき取り化粧水

ふき取り化粧水は、肌に水分を補いつつ、肌の汚れや表面の古い角質を取り除く化粧水です。除去化粧水、スキンフレッシュナーなどと呼ばれる場合があり、コットンなどに含ませ、クレンジングや洗顔で落としきれない汚れをふき取ります。
使い方としては、洗顔後すぐにふき取り化粧水を使い、その後に柔軟化粧水や美容液、クリームなど、通常のケアを行うのが一般的。欧米では柔軟化粧水より普及している化粧水で、クレンジング後に洗顔の代わりとして利用されることも多いです。

収れん化粧水

肌に水分を与えつつ、皮脂の分泌をコントロールし、肌を引き締める効果があるのが収れん化粧水です。保湿効果もありますが、それより引き締めや、皮脂の分泌を抑える効果が重視されている場合が多いでしょう。そのため、柔軟化粧水や美容液などとの併用が推奨されていることが多いです。
日本では夏用、脂性肌用など、スペシャルケア向けの化粧水と思われることが多いですが、欧米を中心に、海外ではふき取り化粧水と並んで毎日のお手入れアイテムとして使われています。

化粧水を使う順番と注意点

スキンケアでは、化粧水のほかにも美容液やクリームなど、複数のアイテムを組み合わせて使うため、化粧水を使うタイミングに迷う場合もあるでしょう。一般的に化粧水を使うタイミングは、クレンジングや洗顔の直後です。

洗顔やクレンジングは、汚れや余分な皮脂を落とすために重要ですが、肌のうるおいを守るために必要な皮脂なども洗い流してしまいます。うるおいを守るバリアが洗い流されたことで、肌は乾燥しやすい状態ですから、すぐに水分を補う必要があるのです。
化粧水は肌に水分を補給しますが、それだけではスキンケアは不十分です。化粧水で水分を与えても、その後何もしなければ蒸発し、乾燥を招いてしまいます。そのため、化粧水を使った後は、美容液やクリームなど、油分を含むアイテムで密閉し、水分を逃がさないようにすることが大切。スキンケアアイテムを使う順番に迷ったときは、水分の多いアイテムから順に使い、最後に油分の多いアイテムで覆うことが基本です。

ただし、化粧品会社やブランドなどで、独自の考え方や美容法がある場合もあり、洗顔後すぐに使わないタイプの化粧水もあります。化粧水を使う場合は、パッケージの注意書きやパンフレットなどをよく読んでから使用しましょう。

スキンケアの順番についてはこちらの記事もご覧ください。
美容液をつける順番は?効果を引き出すスキンケアグッズの使い方

自分の肌に合った化粧水の選び方


化粧水は種類も有効成分も多彩で、どれを選んだらいいのか迷う人も多いのではないでしょうか。化粧水は、種類で選ぶ、年代で選ぶ、肌の悩みで選ぶなど、選ぶ観点もさまざまです。
おすすめは、自分の肌タイプに合わせて化粧水を選ぶこと。ここでは、肌質の特徴と化粧水選びのポイントについてご紹介しましょう。

乾燥肌の場合

乾燥肌はバリア機能が低下し、水分も油分も不足している状態です。洗顔後につっぱる感じがしたり、全体的にカサつきが気になったりする特徴があります。小ジワやくすみなどにつながるほか、悪化すると粉吹きやかゆみ、赤みなどを起こすこともあります。

<化粧水選びのポイント>
乾燥肌は肌の水分を保持し、外部刺激から守る働きのあるセラミドやアミノ酸、コラーゲンなどが配合された、高保湿タイプの化粧水がおすすめです。「しっとりタイプ」「さっぱりタイプ」などがありますが、基本的にはテクスチャーや使用感の違いなので、乾燥肌の人もさっぱりタイプを選んでも問題ありません。

セラミドについてはこちらの記事もご覧ください。
セラミドとは?うるおいを守る働きとスキンケアアイテムの選び方

脂性肌の場合

脂性肌は、水分・油分ともに過剰なタイプです。肌のつっぱり感がなく、ふっくらとハリがあってシワがあまり気になりません。ただし、顔全体のべたつきやテカリ、メイク崩れに悩まされがちです。毛穴の開きや黒ずみ、ニキビが気になる傾向もあります。

<化粧水選びのポイント>
脂性肌の人におすすめの化粧水は、皮脂をコントロールしたり、酸化を抑えたりするビタミンC誘導体が配合されたタイプです。スペシャルケアとして、皮脂の分泌を抑える収れん化粧水を併用するのもいいでしょう。ニキビに悩んでいる場合は、抗炎症作用のあるグリチルリチン酸ジカリウムが配合された化粧水もおすすめです。

混合肌

混合肌は油分が多く、水分が少ない状態です。肌の内側の水分不足で肌のバリア機能が低下しているため、肌がさらなる乾燥を防ぐために過剰に皮脂を分泌しており、インナードライ肌とも呼ばれます。
「Tゾーンはべたつくのに目元や頬は乾燥する」など、パーツによって肌の状態が違うのが混合肌の特徴。毛穴の開きやニキビが気になるのに、カサつきやつっぱり感もあるなど、脂性肌と乾燥肌とどちらの悩みも現れます。

<化粧水選びのポイント>
混合肌は肌の内側の水分不足を補う必要があるため、セラミドやアミノ酸など、角質まで浸透しやすい保湿成分が配合された化粧水がおすすめです。脂性肌用や美白化粧水に配合されることが多いビタミンC誘導体は、肌が乾燥しすぎていると刺激になることがあるので注意してください。

敏感肌の場合

敏感肌は、肌の水分と油分のバランスが崩れている状態です。肌が乾燥してバリア機能が低下し、気温変化や花粉、衣服、髪の毛など、ちょっとした刺激でも湿疹やかぶれ、かゆみなどの肌トラブルを起こします。原因の多くは乾燥ですが、季節の変わり目やストレス、生活習慣の乱れ、誤ったスキンケアなどで敏感肌になることがあります。

<化粧水選びのポイント>
敏感肌には低刺激で高保湿の化粧水、中でもバリア機能を補うセラミドが配合された化粧水がおすすめ。アルコールや香料、防腐剤など、肌に刺激となる成分はできるだけ避けてください。赤みやヒリつきが気になる場合は、トラネキサム酸やグリチルリチン酸ジカリウムなど、肌荒れを抑える成分が配合されたタイプもいいでしょう。

肌質についてはこちらの記事もご覧ください。
肌質は改善できる?肌質ごとの特徴と整えるためのケア

効果的に化粧水を使うコツ


化粧水は、使い方のポイントを押さえることで、しっかりと肌に水分や有効成分が浸透し、高い効果が期待できます。続いては、化粧水を使うときの3つのポイントをご紹介します。

1 汚れや余分な皮脂を落とした肌に使う

まずはクレンジングや洗顔で、メイクや余分な皮脂などの汚れをしっかり落としてください。肌に汚れが残った状態で化粧水を使っても、水分や有効成分の浸透が妨げられてしまいます。手をしっかり洗って清潔にしておくこともお忘れなく。

2 洗顔後すぐにつける

化粧水は洗顔後、時間を置かずすぐにつけましょう。クレンジングや洗顔をした後の肌はすぐに水分が蒸発し、乾燥しやすい状態です。洗顔後、時間を置いて肌が乾燥した状態で化粧水をつけても、角質が硬くなっています。すると、化粧水が浸透しにくくなり、効果が半減してしまうのです。

3 適切な量を数回に分けてなじませる

化粧水は多すぎても少なすぎても効果が下がるため、パッケージなどに記載された使用量を守ってください。なお、化粧水の1回あたりの使用量の目安は500円玉大といわれていますが、一度にその量をつけようとすると手からあふれてしまいますので、少量を数回に分けてなじませましょう。乾燥が気になる部分は重ねづけします。
両手に化粧水を広げたら、顔全体を包み込むようにしてなじませます。小鼻や目元のくぼみなどは、指の腹を使って塗ってください。

化粧水の使い方についてはこちらの記事もご覧ください。
化粧水の使い方とは?使うときの注意点や選び方のコツを紹介

化粧水を見直して自分にぴったりのスキンケアを

毎日の肌のお手入れに何気なく使っている化粧水ですが、実は自分の肌質に合っていなかったり、使い方が誤っていたりして、きちんと効果を得られていない可能性もあります。
スキンケアをしていても肌の不調が続くというときは、一度アイテムの種類や使い方を見直してみてもいいかもしれません。選び方に迷うときは専門家に相談するなどして、自分にぴったりの化粧水を見つけましょう。

基礎化粧品会社イービーエムが展開する全国の「スキンケアスタジオ」では、お一人おひとりの肌や体質に合った化粧品をベースに、心を込めた美と健康の「手あて」をいたします。肌やスキンケアでお悩みがある方は、ぜひご相談ください。

この記事の監修者

医学博士。聖マリアンナ医科大学医学部卒。 聖マリアンナ医科大学病院、昭和大学病院、墨田病院などを経て、現在は子育てをしながら産業医として活動している。