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大人ニキビのケアのポイントは?改善には体の内と外からアプローチを

頬やあご、首などにできやすい大人ニキビは、思春期にできるニキビとは原因が異なり、ケアの方法も違います。同じ場所に何度もできて、なかなか治らず悩んでいる人も多いのではないでしょうか。改善のためには、大人ニキビの特徴と原因を踏まえて、肌の内側と外側から適切なアプローチをすることが大切です。
そこで今回は、大人ニキビができる原因や、予防や対処法としてできることをご紹介します。

大人ニキビは20歳を超えてからできるニキビ

大人ニキビは特に定義されているわけではありませんが、一般的には20歳を超えてからできるニキビを指します。
思春期にできるニキビは額や鼻周りなどの皮脂分泌の多い部位に見られますが、大人ニキビは皮脂分泌に関係なく、頬やあご、首などのフェイスラインのほか、胸元や背中にもできやすいです。また、一度治っても、同じ場所に繰り返しできやすい点も大人ニキビの特徴です。

なお、思春期ニキビは生理的な現象のため、年齢を重ねることでできにくくなります。一方、大人ニキビは原因が複雑で、睡眠や食事、ストレスといった生活習慣も深く関係しています。

大人ニキビの原因は複雑

ニキビができるメカニズムは、大人ニキビも思春期ニキビも同じですが、大人ニキビの場合、原因はさまざま。大人ニキビは肌質に関係なく、次のような要素が重なるとできやすくなります。

<大人ニキビができる要因>

  • 肌の乾燥
  • 皮脂の過剰な分泌
  • ホルモンバランスの乱れ
  • 栄養バランスの偏った食生活
  • 生活習慣の乱れ
  • ストレスや疲労
  • 代謝の低下
  • 誤ったスキンケア
  • メイクをしっかりと落とせていない など

上記の原因の中でも、特に肌の乾燥は要注意です。乾燥すると肌のバリア機能が低下し、ちょっとした刺激にも反応しやすくなって大人ニキビができやすくなります。また、肌がさらなる乾燥を防ごうと皮脂を過剰に分泌することも、大人ニキビができる原因のひとつです。

外側からできる大人ニキビのケア

大人ニキビは、日々のスキンケアや紫外線対策といった外側からのケアと、生活習慣や食習慣の見直しによる内側からのケア、両方からアプローチすることが大切です。
まずは、外側からできる大人ニキビのケア方法について見ていきましょう。

正しい洗顔を行う

洗顔は、毎日1日2回朝晩に行いますが、洗いすぎには注意が必要です。思春期ニキビは過剰な皮脂が原因であるため、大人ニキビも同じように皮脂をケアしようと何度も洗顔する人は多くいます。しかし、洗顔のしすぎは皮脂を必要以上に落とすことになり、肌の乾燥を招いて大人ニキビを悪化させるかもしれません。また、洗顔の際に皮脂を取ろうとゴシゴシこすってしまうことがありますが、それも肌にとっては刺激となります。
洗顔料はよく泡立てて、肌を直接こすらないように、泡を滑らせるようにしてやさしく洗います。

しっかり保湿する

洗顔後は、化粧水やクリームでしっかりと保湿することが重要です。べたつくのが気になって、「ニキビがあるときは化粧水だけ」という人もいますが、乾燥してさらに大人ニキビの原因になってしまいます。
低刺激の化粧水をたっぷり使い、べたつきが気になる場合はさっぱりタイプの乳液やクリームを選びましょう。パックやピーリングなどのスペシャルケアはお休みして、保湿に注力してください。

季節を問わず紫外線対策をする

紫外線対策も、大人ニキビケアのために忘れてはいけません。紫外線は炎症を悪化させることがあり、さらに紫外線ダメージを受けた肌が乾燥し、さらにニキビが悪化することもあります。季節や天候を問わず、紫外線対策をすることが大切です。

ただし、日焼け止めの中には刺激が強く、大人ニキビを悪化させる可能性があるものもあります。ニキビができている部分に塗る日焼け止めは、紫外線吸収剤フリーやノンケミカルタイプを選んでください。紫外線は大人ニキビだけでなく、シミやシワなどの肌悩みの原因になるものです。日焼け止めと併せて、帽子や日傘、UVカット加工のストールなども活用し、紫外線対策を習慣にしましょう。

美白効果が期待できるアイテムを利用する

大人ニキビは、繰り返し同じところにでき、ニキビ跡が残りやすい傾向があります。跡が残らないように、できてしまったらすぐにケアをしましょう。ターンオーバーを正常化させるために保湿したり、悪化させないように紫外線対策をしたりすることも重要ですが、併せて美白ケアも行いたいところ。
メラニンの生成を抑えてシミ・そばかすを防ぎ、美白効果があるとされる成分が配合された、スキンケアアイテムを取り入れてみてください。おすすめの成分には、ビタミンC誘導体やトラネキサム酸、アルブチンなどがあります。

ニキビ跡のケアについてはこちらの記事もご覧ください。
ニキビ跡に効くスキンケアとは?予防法を含めて解説

内側からできる大人ニキビのケア

大人ニキビは生活習慣の乱れや睡眠不足、ホルモンバランスの乱れなど、体の内側に原因があることもあります。ケアするためには、体の内側からのアプローチも必要です。体の内側からできる大人ニキビのケア方法を紹介しましょう。

十分な睡眠

睡眠はすこやかな肌を作る重要なポイント。肌は睡眠中にダメージを修復するため、寝不足だとうまく修復が行われずにターンオーバーのサイクルが乱れ、大人ニキビができたり悪化したりする原因になります。
良質な睡眠のためには、入眠の2~3時間くらい前に入浴すること、寝る前のスマートフォンやパソコンの使用は避けることなどを心掛けてください。朝起きてすぐに朝日を浴びることも、良質な睡眠には欠かせません。

ストレスを溜め込まない

ストレスを受けると肌のバリア機能が低下し、大人ニキビができやすい状態になってしまいます。また、ストレスを感じることでホルモンバランスが乱れ、皮脂が過剰に分泌したり、皮膚が固くなったりして、大人ニキビの原因となることも。
適度にリフレッシュしたり休養をとったりして、できるだけストレスを溜めない生活を送りましょう。

食生活を見直す

栄養バランスの偏った食事や過度なダイエットは、大人ニキビの発生や悪化につながります。1日3回の食事から、さまざまな栄養を摂取することが理想です。
特に、肌の新陳代謝を促し、皮脂の分泌量をコントロールするビタミンB2やB6は、積極的にとりたい栄養素。ビタミンB2はレバーやうなぎ、卵、納豆、アーモンドなどに多く含まれ、ビタミンB6は赤身肉、鶏肉、マグロ、カツオ、バナナなどに多く含まれています。
ほかにも、肌のもととなるたんぱく質や、ターンオーバーを整えるビタミンA、便秘改善に役立つ繊維質などは、たくさんとりたいもの。反対に、糖分や動物性脂肪の多い食べ物は皮脂を増やす可能性があるため、控えめにしてください。

大人ニキビを悪化させないためのポイント

大人ニキビ改善のためにスキンケアをしていても、何気ない習慣でニキビが悪化する可能性があります。最後に、大人ニキビを悪化させないための2つのポイントをご紹介します。

ニキビ部分へのメイクはできるだけ避ける

ニキビをメイクで隠す人は多いですが、コスメに含まれる油分が原因菌であるアクネ菌のエサとなり、大人ニキビの発生や悪化の原因となることがあります。大人ニキビができたときは、できるだけその部分のメイクは避けることをおすすめします。
どうしてもメイクしたい場合は、肌に負担が少ない成分が配合されたコスメを選び、清潔なパフやブラシを使ってください。赤みが気になるときはイエロー系のコントロールカラーやコンシーラー、凹凸が気になる場合は質感補正タイプの下地がおすすめです。

思春期ニキビと同じ対処をしない

皮脂の過剰分泌が原因の思春期ニキビの場合、過剰な皮脂のコントロールが対処法のひとつでした。しかし、大人ニキビは肌の乾燥やホルモンバランスの乱れ、不規則な生活習慣など、さまざまな要素が重なってできるものです。皮脂の取りすぎは、乾燥して大人ニキビを悪化させる原因になるかもしれません。
皮脂が気になるからと一日に何度も洗顔したり、化粧水だけでスキンケアを済ましたりするのはNG。洗顔は1日に2回、こすらないようにやさしく洗うこと、化粧水の後は美容液やクリームで油分も補うことがポイントです。

大人ニキビのケアは外と内からのアプローチを

大人ニキビは乾燥や紫外線ダメージ、食生活の乱れ、睡眠不足など、さまざまな要因が重なってできやすくなります。できてしまったニキビは悪化したり跡が残ったりしないようにケアするとともに、生活習慣の改善で大人ニキビができにくい肌を目指しましょう。

基礎化粧品会社イービーエムが展開する全国の「スキンケアスタジオ」では、お一人おひとりの肌や体質に合った化粧品をベースに、心を込めた美と健康の「手あて」をいたします。肌やスキンケアでお悩みがある方は、ぜひご相談ください。

この記事の監修者

医学博士。聖マリアンナ医科大学医学部卒。 聖マリアンナ医科大学病院、昭和大学病院、墨田病院などを経て、現在は子育てをしながら産業医として活動している。