スキンケア・基礎化粧品

ニキビ跡に効くスキンケアとは?予防法を含めて解説

ただでさえ気になるニキビが治ったと思ったら、ニキビがあった所にシミのようなものが…。ニキビ以上に憂鬱になる「ニキビ跡」ができてしまったら、どのようなスキンケアが効果的なのでしょうか。
ここでは、ニキビ跡が残るメカニズムからニキビ跡への対処法、そもそもニキビ跡を作らないためのスキンケアまで、EBMのスキンケアアドバイザーが総合的に解説します。

ニキビ跡とは?


ニキビ跡は、ニキビが治った後に残る赤みやでこぼこ、シミのこと。ニキビそのものはなくなっても、跡が目立つことで気持ちが落ち込んだり、自分に自信が持てなくなったりすることもあるでしょう。
ニキビ跡は、炎症によって肌の組織がダメージを受け、跡が残ってしまった状態で、大きく分けて「色素沈着」「赤み」「クレーター(でこぼこ)」の3つがあります。

色素沈着

ニキビの炎症によって、ニキビ跡がシミのように茶色く色素沈着することがあります。メラニンが深く関わっているのも、通常のシミと同じ。炎症の期間が長引くと、その刺激で過剰にメラニンが作られます。ニキビができた部分はターンオーバーが乱れているため、メラニンが肌に蓄積して色素沈着を起こし、跡が残ってしまうのです。

赤み(赤黒い跡)

何度も炎症を繰り返していたり、炎症の度合いが強かったりすると、ニキビが消えても赤みがかった跡や赤黒い跡になります。赤みを帯びて見えるのは、皮膚組織の奥で炎症が続いているか、炎症で受けたダメージを回復するため、毛細血管が拡張しているから。
初めは白っぽく見えていたニキビが赤く変わったときは、内部で炎症が起きていると考え、慎重かつ適切なケアをする必要があります。

クレーター(でこぼこ)

ニキビの炎症によって、皮膚が重いダメージを負ったときに残るニキビ跡がクレーターです。その名のとおり、月の表面で見られるくぼみのような穴ができ、皮膚表面がでこぼこして滑らかさがなくなります。
クレーターは、ニキビの炎症が皮膚組織の真皮層と呼ばれる部分に及び、破壊された組織を修復するため、過剰なコラーゲンが分泌されることで起こるもの。
また、できたニキビを爪などで押してつぶすことも、クレーターを作る原因となります。うっかりニキビをさわったり押したりして血が出てくるようなら、肌のバリア部分である表皮を超えて、血液が流れている真皮層までざっくり切れてしまっているということ。炎症がかなり進んでいると考えて、さわるのは避けましょう。

ニキビ跡を悪化させるNG習慣


ニキビ跡ができていると気になってしまいますが、そのために無意識にとる行動が、実はニキビ跡を治りにくくしている場合もあります。よくあるニキビ跡を悪化させるNG習慣が、「洗いすぎ」「こすりすぎ」「さわりすぎ」の3点です。

洗いすぎ

ニキビやニキビ跡を予防するには、「洗浄力の強い洗顔料でよく洗って、皮脂をしっかり落とすことが大切」と考えている人が多いのではないでしょうか。実は、これは大きな間違いです。
ニキビは過剰な皮脂が毛穴を詰まらせ、アクネ菌が繁殖することによって起こりますが、皮脂をすべて落とせばよいわけではありません。皮脂には肌のうるおいを閉じ込める役割もあるため、洗いすぎて必要な皮脂まで落としてしまうと、肌が乾燥して皮脂が過剰分泌されてしまうことがあります。ニキビを繰り返す人や、ニキビ跡がある人は特に、洗いすぎに注意しましょう。

こすりすぎ

ニキビやニキビ跡がある部分を清潔にしようと、ゴシゴシとこすって洗ったり、肌をパシパシ叩いて化粧水を浸透させたりするのも、肌には悪影響。肌に強い刺激を与えすぎると、肌のバリア機能が低下して乾燥を誘発し、ニキビ跡の悪化や新しいニキビの出現につながります。
洗顔はたっぷりの泡を肌にのせてやさしく洗い、保湿は肌のキメに入れ込むようなイメージで、ハンドプレスしてください。

さわりすぎ

ニキビ跡があると、状態が気になってついさわってしまいますが、これもNG。余計な刺激を与えると、肌が自衛のために角質を厚くしたり、メラニンを作ったりして、肌の状態を悪化させかねません。
洗顔やスキンケア以外は、できるだけ患部をさわらないようにしましょう。

ニキビ跡の改善に有効なスキンケアとは?

ケアをしていても、残念ながらニキビ跡が残ってしまうことはあります。改善するための正しいスキンケアには、どのようなものがあるのでしょうか。

正しい洗顔をする

洗顔は、肌に刺激を与えないことと、必要な皮脂や水分まで洗い流さないことを心掛けましょう。
クレンジングはメイクとなじみやすいジェルタイプやオイルタイプのクレンジングを使い、短時間で余分な皮脂やメイク汚れなど、毛穴詰まりの原因を取り除いてください。洗顔はたっぷりの泡を肌にのせ、汚れを泡で絡め取るイメージで、肌の上を滑らせます。
最初に皮脂の分泌が多いTゾーンに泡をのせて洗い、Tゾーン以外は残りの泡を伸ばして短時間で洗い流すのがポイントです。

しっかり保湿をする

洗顔後は、肌が乾燥しないうちに、すみやかに保湿します。
脂性肌や混合肌の人は、べたつきが気になってさっぱりとしたスキンケアに偏りがちですが、肌のためには「しっかり保湿」が基本。乾燥しているがために、肌が過剰に皮脂を分泌してしまい、べたついている可能性もあります。化粧水をつけたら、乳液やクリームを重ねて水分を閉じ込め、徹底的に乾燥を防いでください。

紫外線対策を欠かさない

ニキビの悪化と跡が残るのを防ぐには、紫外線対策も重要です。
紫外線を浴びると、肌は刺激から身を守ろうとして角質を溜め込み、皮膚の厚みが増します。すると、角質が毛穴をふさいで、ニキビの原因菌であるアクネ菌が繁殖。ニキビの発生につながります。
季節を問わず、外出時はSPF値が高い日焼け止めを塗り、日傘や帽子、ストールなどで紫外線を遮断しましょう。室内にいるときも、窓から入る紫外線を防ぐため、SPF30前後の日焼け止めを塗ることをおすすめします。

ニキビ跡に効果的な成分は?

ニキビ跡のスキンケアでは、化粧水、乳液、美容液、クリームなどのスキンケアグッズに含まれている成分にも注目してみてください。肌への負担が少なく、「肌に必要な水分を取り入れる」効果や「肌の生まれ変わりを促進する」効果が期待できる成分が入ったものを選ぶよう心掛けましょう。
コラーゲンやヒアルロン酸といった成分は、肌の代謝アップが期待できます。

コラーゲン

コラーゲンは、元々は身体の至る所にある、たんぱく質の一種です。スキンケアグッズの中に含まれるコラーゲンは、外側から水分をプラスし、肌のうるおいをキープするのが主な役割。特に、クレーターのようになったニキビ跡は、肌のコラーゲンが減少してへこんだ状態のため、コラーゲンの量を増やすことが効果的です。

ヒアルロン酸

ヒアルロン酸も、元々は人間の体内に存在する物質のひとつ。ゼリー状で高い保水力があり、コラーゲンと同様に医薬品や化粧品に多く使用されています。しっかり肌を保湿することで、皮脂の分泌量を正常な状態にでき、ニキビ跡の改善が期待できるでしょう。

ニキビ跡を作らないためにできること

ニキビ跡ができても、あきらめずに代謝アップと肌の強化に取り組めば回復が期待できますが、状態によってはセルフケアでは限界があることも。大切なのは、ニキビ跡にならないうちにニキビを改善すること、そもそもニキビができないように肌の環境を整えることです。

頬やあごにできるにニキビは、偏った食生活による胃腸の不調や、腸内環境の悪化が原因かもしれません。バランスのとれた食生活を意識して身体の内側から働きかけ、ターンオーバーの正常化を図りましょう。
また、ストレスはホルモンバランスの乱れにつながり、ニキビのもととなる皮脂の過剰分泌を引き起こす可能性があります。質のよい睡眠をとる、日常的に運動する、湯船につかってリラックスするなど、自分なりの発散方法を見つけ、ストレスを溜め込まないようにしてください。

ニキビ跡ができたら、正しいスキンケアで改善を!

ニキビ跡には大きく分けて3つの種類がありますが、状態を改善するために正しいスキンケアが重要であることは共通しています。まずはニキビを作らない、ニキビ跡にしないことを心掛け、できてしまったニキビ跡に対しては、できるだけ早くケアをスタートしましょう。

基礎化粧品会社イービーエムが展開する全国の「スキンケアスタジオ」では、お一人おひとりの肌や体質に合った化粧品をベースに、心をこめた美と健康の「手あて」をいたします。肌やスキンケアでお悩みがある方は、ぜひご相談ください。

この記事の監修者

医学博士。聖マリアンナ医科大学医学部卒。 聖マリアンナ医科大学病院、昭和大学病院、墨田病院などを経て、現在は子育てをしながら産業医として活動している。