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ニキビができにくい肌を作るには?ニキビ予防のスキンケアを紹介

思春期から大人まで、幅広い年代を悩ませる肌トラブルの代表格であるニキビ。ほとんどの人が経験しているといっても過言ではないほど、ありふれた肌トラブルですが、炎症が悪化すると痛みが出たり跡が残ったりする可能性も。見た目が気になって自分に自信が持てなくなるなど、精神面に影響を及ぼす可能性もあります。

「治ってもすぐニキビができる」「できたニキビが悪化する」といったときは、スキンケアを見直してみるのもひとつの手。正しいスキンケアを心掛けると、肌の状態が改善するかもしれません。EBMのスキンケアアドバイザーが、ニキビを予防し、できてしまったニキビを悪化させないスキンケアについて解説します。

ニキビができるメカニズム

思春期にできるイメージのニキビですが、10代からずっとニキビに悩まされている大人は少なくありません。思春期のニキビも大人のニキビも、発症のメカニズムは同じですが、原因や特徴は少し異なります
まずは、思春期ニキビと大人ニキビ、それぞれの発症のメカニズムについて解説します。

思春期ニキビの原因

思春期は、性ホルモンや成長ホルモンの分泌が一気に活発化する時期です。大量に分泌されたホルモンが皮脂腺を刺激するため、皮脂分泌量が急激に増えます。その結果、排出しきれずに残った皮脂と、厚くなった角質で毛穴が詰まり、ニキビのもととなるアクネ菌が繁殖。炎症が起こり、ニキビが発生します。

思春期ニキビは、ホルモンバランスが安定する20代前後になると、自然に治まってくることが多いです。ただし、「青春時代にはよくあること」と軽視してケアを怠ったり、間違ったケアを続けていたりしていると、悪化して跡が残る原因となりますので注意が必要です。

大人ニキビの原因

大人ニキビもホルモンバランスの乱れによって起こり、毛穴が詰まって炎症を起こすのは思春期ニキビと同様ですが、思春期と違って原因となるホルモンは「性ホルモン」のみです。特に女性の場合、生理前に多く分泌される黄体ホルモンが皮脂分泌を活発にするため、生理周期に合わせて肌の不調を感じることが多いでしょう

さらに、健康な肌でおよそ28日とされる肌のターンオーバーの周期が、年齢を重ねるにつれて長くなることも、ニキビ肌を作る原因のひとつ。ターンオーバーの周期が長くなると、本来なら新しい皮膚に押されてはがれ落ちるはずの、皮脂汚れや角質が肌表面に残って毛穴が詰まり、ニキビができやすい状態になります。
また、行きすぎた角質ケアでターンオーバーの周期が短くなり、ニキビを誘発することも。

ターンオーバーの乱れは、睡眠不足やストレス、偏った食生活など、ライフスタイルの乱れと密接に関係しているため、肌表面だけでなく身体の中から健康を意識することが大切です。

ニキビを作らないようにするには?予防のためのスキンケア

ニキビができやすい人や悪化しやすい人は、普段のスキンケアを見直してみましょう。スキンケアのカギを握っているのは、洗顔と保湿、紫外線対策です。

洗顔

ニキビは過剰な皮脂が原因ですが、ゴシゴシこすって皮脂を取りすぎるのも逆効果。皮脂は皮膚のうるおいを維持し、刺激や乾燥から肌を守る役割も果たしています。皮脂を落としすぎると、水分を補うために皮脂が大量に分泌されます。
中でも顎は乾燥しやすく、ゴワゴワした手触りを感じることが多いため、つい力を入れてこすりがち。すると、肌は乾燥し、不足する水分を補おうとして皮脂が大量分泌され、ニキビができやすくなります。ゴワゴワした手触りを感じたら、乾燥によるニキビの前兆と捉え、正しいケアをしましょう。
洗顔のポイントは、下記の2点です。

・メイクをやさしく、しっかり落とす
余分な皮脂やメイク汚れは、毛穴を詰まらせる原因に。肌を清潔に保ち、ターンオーバーを正常に近づけるため、やさしく丁寧に汚れを落とすクレンジングを心掛けましょう。
摩擦が少ないジェルタイプやオイルタイプのクレンジングをやさしくメイクとなじませ、しっかり落とすのがおすすめです。

・たっぷりの泡で刺激を避けて洗う
洗顔もクレンジングと同様、肌への刺激を極力避けることが大切。たっぷりの泡を作り、「肌にふれたかふれないか」という程度の感覚で、泡を肌の上で滑らせるように洗います。

保湿

洗顔後は、肌にしっかりうるおいを与えましょう。肌の水分は洗顔を終えた直後からどんどん失われていくため、できるだけすみやかに保湿することが大切です。

洗顔後のケアは、年間を通して保湿を徹底することが重要です。油分の入った化粧品で肌がべたつくのを嫌い、化粧水のみで済ませてしまうと、肌の水分が失われて乾燥からニキビにつながる悪循環に陥ることも。特に、夏場はべたつきが気になる人もいますが、化粧水の上から乳液やクリームでしっかり蓋をして水分の蒸発を防いでください。

紫外線対策

紫外線を浴びると、刺激から肌を守ろうとする力が働き、角質が皮膚上にとどまって厚みを増してしまいます。角質が毛穴をふさぐとアクネ菌が繁殖しやすくなり、ニキビを誘発する原因に。外出するときは、SPF値の高い日焼け止めや日傘、帽子などで紫外線から肌を守りましょう。

自宅にいるときも、ベランダや窓際で不用意に紫外線を浴びたときに備えて、日焼け止めを塗ることをおすすめします。外出用に比べてSPF値やPA値は低めで構いませんので、肌にやさしい日焼け止めを選んでください。

ニキビができやすい人のスキンケアグッズ、注目すべき成分は?

スキンケアの方法がわかったら、次に注目したいのがスキンケアグッズに含まれている成分です。気をつけていてもニキビを繰り返す場合は、より肌によい成分を含むグッズを選びたいもの。
具体的には、下記に挙げる成分がニキビ肌に効果的とされています。

スクワレン

深海鮫の肝油から抽出される「スクワレン」。私たちが活動する上で欠かせないエネルギー源である酸素を補給する力があり、新陳代謝の活性化や血液浄化作用、肝機能障害の改善などの効果が期待できる成分です。
化粧品には、スクワレンを精製して酸化しにくくした「スクワラン」として含まれており、高い保湿効果を発揮します。特に、オイルタイプのクレンジングは、スクワランが含まれているものがおすすめです。

ホホバオイル

ナデシコ目の常緑低木・ホホバから取れる油が「ホホバオイル」です。植物性でほとんど香りのない自然素材の安心感と肌なじみのよさから、さまざまな製品に使われています。溜まった皮脂や汚れを取り除き、肌の水分・油分のバランスを整えてくれるので、スクワレンと同じくクレンジングでの活用が◎。

ビタミン群

ニキビを予防するために、積極的に取り入れたいのが「ビタミン」です。蓄積されて酸化した皮脂がニキビの原因菌であるアクネ菌の栄養になりますが、ビタミンCには抗酸化作用があり、皮脂量のコントロールやターンオーバーを担うビタミンBとともに肌の再生を助けます
ビタミンは体内に蓄積しておくことができないので、コンスタントにとり続ける必要があります。化粧品からだけでなく、サプリなどで経口摂取してもいいでしょう。

セラミド

「セラミド」は、人間の肌の角質層にある成分です。細胞間脂質の主成分として、角質細胞のあいだを埋めるようにして水分を蓄え、肌のうるおいを保っていますが、年齢とともにセラミドを作り出す力は低下します。すると、角質細胞の隙間が広がってスカスカになり、バリア機能が低下してニキビの遠因になるため、外から補わなくてはなりません。

セラミドが入ったスキンケアを選ぶ際には、人が体内で作り出すセラミドの構造に似ていてなじみやすく、保湿効果が高い「ヒト型セラミド」がおすすめ。パッケージの裏の成分を確認し、「セラミド3」「セラミド6」といった記載があるものを選んでください。

セラミドについてはこちらの記事もご覧ください。
セラミドとは?うるおいを守る働きとスキンケアアイテムの選び方

できてしまったらニキビはどうする?


予防に気を配っていてもニキビができてしまったら、悪化させないことと、できるだけ早く改善することに意識を切り替えましょう。続いては、ニキビができてしまったときの対処法を紹介します。

基本のスキンケアを見直す

ニキビ予防のスキンケアの基本である、洗顔、保湿、紫外線対策が確実にできているかどうか、もう一度見直してください。特に保湿は、自分ではかなり補っているつもりでも不足している可能性が大。ニキビケアに効果的な成分も取り入れながら、肌を守りターンオーバーを正常化させましょう。

さわらない

ニキビができると、どうしても気になって無意識にさわってしまうもの。しかし、こすったり、押したりすると、炎症が悪化して治るまでに時間がかかることがあります。うっかりつぶしてしまうと跡になる可能性も高いので、できるだけさわらないようにしましょう。

こすらない

肌への強すぎる刺激は、できてしまったニキビを悪化させるだけでなく、新しいニキビを誘発することにもなりかねません。洗顔や保湿のときには、肌を叩いたりぐるぐると強くこすったりせず、やさしくふれることを徹底しましょう。

肌の専門家に相談してみる

ニキビが長引く、何をしても悪化するといった場合は、自分の使用しているスキンケアラインや、スキンケアの方法について専門家に相談してみることもおすすめです。
プロの目で客観的に肌を分析してもらうと、「自分ではオイリー肌だと思っていたけど、実は乾燥肌だった」「十分に保湿しているつもりだったけど、実際は足りていなかった」というように、肌の状態を客観的に把握でき、自分の肌質に合った正しいケアを選べるはず。正しいセルフケアを行いながら、即効性のあるプロのケアを定期的に取り入れるのも有効です。

ニキビ跡が気になるときは、こちら記事もご覧ください。
ニキビ跡に効くスキンケアとは?予防法を含めて解説

スキンケア以外にニキビ予防のためにできることは?

ニキビは、普段の生活習慣やストレス、顔をさわる癖、ホルモンバランスの乱れといった外的要因が複雑に絡み合って発生しています。
ニキビを予防・改善するには、スキンケアを見直すとともに、下記のように日常生活の過ごし方にも気を配るといいでしょう。

食生活

頬や顎にできるニキビは、内臓系のトラブルから来ている場合も。胃腸が弱っていないか、便秘が続いていないか、体調を確認してください。
特に、便秘が続いて腸内に悪玉菌が増えると、肌荒れを引き起こしたり、肌のターンオーバーに影響を与えたりする可能性があるため、バランスのとれた食生活で排便リズムを整えることが大切です。

ストレスを溜めない

ニキビを含む肌荒れの原因のひとつに、ストレスがあります。ストレスはホルモンバランスに影響を与え、皮脂の分泌を促進してしまいます。睡眠を十分にとる、適度に運動をする、ゆっくり入浴するなど、自分に合った方法を見つけてストレスを発散してください。

肌にふれる回数を減らす

人は無意識のうちに、頬杖をついたり、目をこすったりと、顔のさまざまな部分をさわっています。何気ない刺激も、積み重なると肌のバリア機能を低下させ、毛穴詰まりを引き起こす原因に。自分の癖を客観的にチェックし、できるだけ肌にふれる回数を減らしましょう。

ニキビ予防の基本は、正しいスキンケアと生活習慣が重要

繰り返すニキビは、美容的な面でも、痛みやかゆみといった症状の面でも不快なもの。最近では、マスクが常に肌にふれていて刺激があることや、マスク内が蒸れやすいことも、アクネ菌繁殖の原因となっています。
ニキビ予防のためには、肌をやさしく洗ってしっかり保湿し、水分をたっぷり含んだ清潔な状態にしておくことが何よりも重要。ニキビに悩んだら、まずは今のスキンケアを見直し、肌に合ったスキンケアと正しい生活習慣で改善を目指しましょう。

基礎化粧品会社イービーエムが展開する全国の「スキンケアスタジオ」では、お一人おひとりの肌や体質に合った化粧品をベースに、心をこめた美と健康の「手あて」をいたします。肌やスキンケアでお悩みがある方は、ぜひご相談ください。

この記事の監修者

医学博士。聖マリアンナ医科大学医学部卒。 聖マリアンナ医科大学病院、昭和大学病院、墨田病院などを経て、現在は子育てをしながら産業医として活動している。