スキンケア・基礎化粧品

【種類別】クレンジング料の正しい使い方で肌をきれいに!

毎日、何気なく行っているクレンジングですが、正しい使い方ができているかと聞かれたら、ちょっとドキッとする人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、今さら聞けないクレンジング料の正しい使い方を詳しく解説。クレンジング料の種類ごとに、気をつけたいポイントと併せてご紹介します。

クレンジングと洗顔との違い

そもそも、クレンジングは何のために行うのか、考えたことはありますか?
クレンジングと洗顔は、「落とすケア」であることは共通ですが、落とす対象が異なります。メイク・日焼け止めなどの油性汚れを落とすクレンジングに対し、ほこりや肌表面に分泌された汗、皮脂、古い角質といった、主に水性の汚れを落とすのが洗顔。そのため、メイクをしていなくても日焼け止めを塗った日は、クレンジングを行う必要があります。

W洗顔不要のクレンジング料って?

クレンジング料と洗顔料は落とす汚れが違いますから、メイクや日焼け止めを塗った後は、クレンジング後に洗顔を行う「W洗顔」がお手入れの基本です。しかし、クレンジング料の中には「W洗顔不要」の表記がある場合も。こういったタイプを使う場合、クレンジング後の洗顔は不要です。
そもそもクレンジング料は、メイクに油性成分をなじませて浮き上がった汚れを、配合された界面活性剤の力で洗い流して落とすものです。それでも肌表面には少なからず汚れが残るので、水性の汚れとともに残った汚れを洗い流すのがW洗顔の目的です。

W洗顔不要とうたうクレンジング料は、洗い流す際にクレンジング料も汚れも肌に残りにくい処方が施されています。つまり、クレンジングをした段階で、洗顔で落とすべき汚れも落ちている状態になっているわけです。
W洗顔不要のクレンジング料は、時短になって便利な一方、汚れの落ち具合は製品によってまちまち。中には、濃いメイクやポイントメイクが落ちにくいタイプもありますので、W洗顔不要のうたい文句だけを信じず、メイクや肌の状態に合わせて使い方を工夫してください。

基本的なクレンジング方法

まず、クレンジング料の種類にかかわらず、共通するクレンジングのやり方をご紹介します。基本のクレンジング方法を、確認しておきましょう。

1. クレンジング料を手に取る前に手を洗う

手には、目に見えない雑菌や汚れがたくさん付着しています。思わぬ肌トラブルを防ぐためにも、クレンジングの前に一度手を洗い、清潔にしておきましょう。洗った後は手を拭き、乾いた状態でクレンジング料を手に取ります。

2. ポイントメイクを先に落とす

ウォータープルーフのアイライナーやマスカラ、密着度の高いアイシャドウやリップなど、落ちにくいポイントメイクをした日は、専用リムーバーであらかじめ落としておきましょう。

ベースメイクといっしょに落とそうとすると、時間がかかったり摩擦してしまったりして、肌へ負担を与えるおそれがあります。専用リムーバーはコットンにたっぷり出し、こすらないように丁寧にメイクオフします。

3. 適量のクレンジング料を手に出す

クレンジング料の使用量が少ないとメイクがなかなか落ちず、よく伸びずに肌への負担につながります。とはいえ、量が多すぎると、洗い流しに時間がかかってしまうことも。

パッケージなどで推奨されている使用量を確認し、「適量」を守りましょう。もし、説明書きがない場合は、さくらんぼ1粒大を目安にしてみてください。

4. 短時間でなじませメイクを浮かせる

手に取ったクレンジング料を顔に置き、指の腹を使ってやさしく徐々になじませていきます。なじませる時間が長すぎると肌に負担がかかるので、摩擦に気をつけながら手早く、かつ丁寧に行いましょう。
肌になじませてから洗い流し終わるまで、1分で完了させるのが理想です。

5. ぬるま湯でしっかりすすぐ

メイクとクレンジング料がしっかりなじんだら、十分にすすぎます。冷たい水は汚れが落ちにくい一方、熱すぎるお湯は皮脂を奪いすぎてしまう可能性もあるため、ぬるま湯がベストです。
髪の生え際やあご周りなど、すすぎ残しが起きやすいフェイスラインは特に念入りに。

クレンジング料の使い方と注意点

クレンジング料の基本の使い方を踏まえた上で、種類別に意識しておきたいポイントを解説します。普段の習慣を振り返りながら、見落としていたことがないか確認してみてください。

クレンジングオイル

クレンジングオイルを使うときの最大のポイントは、洗い流す前に「乳化」すること。乳化しないままいきなりすすいでもなかなか落ちず、ぬるつきが増してしまいます。
オイルを顔全体に伸ばしてメイクとよくなじませたら、少量のぬるま湯を手に取ってなじませましょう。ぬるま湯とオイルがなじんで白っぽくなり、指先の感触がふっと軽くなったら乳化した合図。ぬるま湯で十分に洗い流したら完了です。

質感がサラッとしている分、摩擦が起こりやすいのはオイルの弱点です。メイクだけでなく角栓まで落としたいからといって、強くこすったり長くなじませたりすると、乾燥やキメの乱れといった肌トラブルにつながります。強くこすらなくても汚れをしっかり落とせるオイルの洗浄力の高さを信じ、力任せに使うのは控えましょう。

クレンジングバーム

オイルを半固形状に固めたクレンジングバームは、温めると柔らかく変化するテクスチャーが特徴。オイルタイプとほぼ同じ成分構成なので、こちらも乳化のステップが必要です。
また、適量を手に取ったらいきなり顔にのせるのではなく、一度手の甲に出してなじませましょう。ある程度柔らかくなってから顔にのせることで、余計な摩擦が起きにくく、メイクとのなじみもよくなります。

もうひとつの注意点は、ジャータイプの場合はスパチュラを使うこと。指をそのまま入れると、そこから雑菌が繁殖して思わぬ肌トラブルにつながる可能性があります。スパチュラは、付属品として蓋の内側にセットされている場合が多いですが、なければ別途用意してください。

クレンジングクリーム

クレンジングクリームは、大きく分けてメイクをなじませた後に洗い流すタイプと、ふき取るタイプの2つがあります。どちらも可能な両用タイプもあるので、使用シーンや好みで選んでください。

洗い流し・ふき取りタイプ共に、クレンジングクリームとメイクがなじんだら、一度ティッシュオフすることをおすすめします。クレンジングクリームは油分を多く含むため、あらかじめティッシュに油分を吸わせておくことで、その後のすすぎやふき取りが格段に楽になります。ティッシュが三角になるよう半分に折り、顔に半分ずつあてます。摩擦の軽減にもなりますから、ぜひこの一手間を加えてみてください。

また、マッサージクリームとしての機能を兼ねたクレンジングクリームもありますが、マッサージクリームとして使う際は、くれぐれも力の入れすぎや時間のかけすぎに注意してください。やさしい力加減でもマッサージ効果は十分期待できるので、肌をいたわるように指を滑らせましょう。
そしてクレンジングバームと同様、ジャータイプの場合はスパチュラを使います。スパチュラの使用が面倒に感じるなら、チューブタイプのクレンジングクリームを探すのもひとつの手です。

クレンジングミルク

やさしい使い心地としっとりとした洗い上がりが魅力的なクレンジングミルク。水分の配合が多く界面活性剤が少ないため、肌になじみやすい一方で、摩擦が起きやすい傾向があります。使用量はやや多めを意識しましょう。

使用感が穏やかな分、しっかり重ねたベースメイクやウォータープルーフのアイメイクなどは、クレンジングミルクだけではなかなか落とせないことも。ナチュラルメイクの日だけ使う、ポイントメイクリムーバーを併用するなど、使いどころを考えることも大切です。

クレンジングジェル

みずみずしい使用感が魅力的なクレンジングジェルは、メイクをさっぱりとオフしたいときにぴったりです。主に、水性ジェルと油性ジェルの2種類があり、さらに水性ジェルは、オイルの有無で特徴が異なります。

■クレンジングジェルの主な種類と特徴

使い方はクレンジングの基本の使い方で問題ありませんが、まつげエクステをしている人は、選ぶ段階で注意が必要です。油分を含んでいるものは適しませんが、最近ではまつげエクステOKなオイルインのクレンジングジェルが増えています。まつげエクステをしている人は、商品説明をしっかり確認してから購入しましょう。迷ったら、オイルフリーの水性ジェルタイプがおすすめです。

また、クレンジングジェルには、グリセリンが水分と反応する仕組みを利用した、ホットタイプもあります。ホットタイプは目の周りへの使用を推奨していない場合もあるので、製品の特徴と自身のメイクの濃さを考慮して、最適なアイテムと使い方を見極めましょう。

水クレンジング

「クレンジングローション」や「クレンジングウォーター」とも呼ばれる水クレンジングは、その名のとおり水をベースにしています。コットンに含ませてふき取るだけでメイクを落とすことができ、すすぎやダブル洗顔が不要なタイプも多いため、手軽にクレンジングを済ませたい人にぴったり。朝の洗顔として使えるタイプや、保湿まで兼ねた多機能タイプもあります。

水クレンジングは、主成分が水分と界面活性剤で、水と油をなじみやすくする界面活性剤の性質を利用してメイクなどを浮かせ、ふき取ることで汚れをオフする仕組みです。
コットンで物理的にふき取るため、洗浄力は高め。コットンにたっぷりとって滑らせるように使うことが大切ですが、どうしても摩擦は避けられません。肌が弱い人はなるべく使用を控えるか、力加減に注意してください。
また、水と界面活性剤がメインなので、まつげエクステをしている人でも使えることが多いのも特徴です。しかし、中にはオイルが配合されているものもあるため、商品説明をしっかり確認してから選びましょう。

クレンジングリキッド

クレンジングリキッドは、オイルやバームタイプと同じく洗浄力は高めですが、水分をベースにしているのが特徴。水分ベースという点では水クレンジングとも近いものの、クレンジングリキッドはなじませた後に洗い流すタイプが主流です。濡れた手で使えることも多く、お風呂でサッと使いやすいのもメリットといえるでしょう。

水にも油にもなじみやすい性質があり、手早くメイクを落とせてぬるつきが少ないため、さっぱりと使えます。ただし、その分やはり摩擦が起きやすい点には要注意。適量を守って丁寧に洗いましょう。
水クレンジングと同じくまつげエクステに対応しているものがほとんどですが、まれに例外もあります。表示をしっかり確認してください。

クレンジングシート

クレンジングシートは、不織布などがクレンジング液に浸してあります。手早く使えて便利な一方、摩擦が起きやすく、毛穴に詰まったメイク汚れを落とすのも難しいという点はデメリットです。
毎日ではなく、洗面所に行く気力もないほど疲れてしまった日や、出先での緊急ケア用にするなど、あくまでもサブアイテムとして考えておくのがおすすめです。

クレンジング料の使い方を見直して美肌に近づこう

基本的なルールはあるものの、種類が豊富なため、使い方のポイントも幅広いクレンジング料。クレンジングでメイクを落とせるかどうかが、その後のスキンケアにも影響を与えます。
普段、何気なく済ませてしまいがちなクレンジングの方法をあらためて見直し、美肌に近づきましょう。

 

この記事の監修者

医学博士。聖マリアンナ医科大学医学部卒。 聖マリアンナ医科大学病院、昭和大学病院、墨田病院などを経て、現在は子育てをしながら産業医として活動している。