スキンケア・基礎化粧品

なかなか治らない大人ニキビの原因は?毎日のスキンケアでの改善法

大人になってからできるニキビは「大人ニキビ」などと呼ばれ、思春期にできるニキビとは原因もケア方法も異なります。どちらも、毛穴が炎症を起こした状態であることは同じですが、大人ニキビは繰り返しできやすいという特徴があり、改善を目指すにはスキンケアからしっかり見直す必要があるでしょう。
ここでは、大人ニキビの原因や思春期ニキビとの違いのほか、大人ニキビを改善・予防するためのスキンケアについて解説します。

ニキビはなぜできる?

さまざまな肌トラブルの中でも、悩む人が多いのがニキビではないでしょうか。実は、ニキビはある日突然できるのではなく、気づかないうちに肌の奥でじわじわと進行するものです。
ニキビは下記のように、「毛穴の詰まり」「皮脂の過剰分泌」「アクネ菌の増殖」という、3つの条件がそろうとできやすくなります。

毛穴の詰まり

肌のターンオーバーが崩れると、毛穴の周辺の角層がはがれずにとどまり、徐々に硬く厚くなってきます。厚くなった角層が毛穴の出口をふさぎ、皮脂や老廃物が毛穴に詰まるようになるのです。

皮脂の過剰分泌

ホルモンバランスの乱れやストレス、糖分・脂肪分の多い食生活など、さまざまな理由によって皮脂が過剰に分泌されることがあります。増えた皮脂がうまく排出されないと、毛穴をふさいでしまいます。

アクネ菌の増殖

アクネ菌は、誰の肌にも存在している常在菌で、普段は肌を守る働きをしています。しかし、毛穴が詰まった状態になると、溜まった皮脂を栄養にして過剰に増殖。アクネ菌は酸素を嫌いますが、ふさがった毛穴の中は密閉されて酸素が入らないので、どんどん増えて炎症を起こし、ニキビとなってしまいます。

大人ニキビとは?

大人になってからできるニキビを、大人ニキビといいます。大人ニキビは、思春期に多くできるニキビと、どのような違いがあるのでしょうか。

20歳を過ぎてからできるニキビを指す

大人ニキビとは、主に20歳を過ぎてからできるニキビを指し、「吹き出物」とも呼ばれます。思春期の頃はあまりニキビができなかったのに、大人になってから急にできやすくなったという人も少なくありません。
大人ニキビも思春期ニキビも、毛穴詰まりから徐々に進行していく点は同じです。しかし、毛穴を詰まらせる要因やニキビができる場所などには、大きな違いがあります。

あごや口周りなどのUゾーンにできやすい


大人ニキビができやすいのは、顔の中でも皮脂の少ない、口周りや頬からあごにかけてのUゾーンです。なお、10代にできる思春期ニキビは、顔の中で皮脂が多く分泌される、額から鼻にかけてのTゾーンにできやすいのが特徴です。

思春期ニキビの大きな原因は、皮脂の過剰分泌。成長期は皮脂の分泌が盛んなため、毛穴に皮脂が詰まり、ニキビのもとになるアクネ菌が増殖しやすくなります。大人ニキビの場合は、肌の水分不足が原因のひとつ。肌が乾燥すると肌表面の角質が硬くなり、毛穴が詰まりやすくなります。また、クレンジングや洗顔で肌をこすることが刺激になって角質が厚くなり、ニキビを引き起こすケースもあります。
そのため、思春期ニキビとは異なり、乾燥肌の人にも大人ニキビは多く見られるのです。

同じ場所に繰り返しでき、治りにくい

思春期ニキビは多くの場合、ホルモンバランスが安定してくる20歳頃になると、自然に治っていきます。それに対して、大人ニキビは同じ場所に繰り返しでき、しかも治りにくいという特徴があります。
繰り返す大人ニキビには、一時的な対処法ではなく、生活習慣やスキンケアを根本から見直すことが改善のカギです。

大人ニキビの原因は?


大人ニキビは同じニキビでも、思春期ニキビとはできる場所も原因も異なります。続いては、大人ニキビができる原因を詳しく見ていきましょう。

肌の乾燥

大人ニキビの最も大きな原因は、肌の乾燥と、それに伴うターンオーバーの乱れでしょう。
肌が乾燥して水分量が低下するとターンオーバーが乱れ、古くなった角質がうまくはがれずに溜まり、毛穴に詰まりやすくなります。さらに、乾燥した肌は角質が硬く厚くなり、毛穴の出口をふさいで狭めることに。すると、毛穴の内部に皮脂や老廃物が詰まりやすくなってしまいます。

食生活の乱れ

糖質や脂質の多い食事は、皮脂量を増やして大人ニキビを引き起こす原因になります。また、偏った食事や暴飲暴食、過度のダイエットも肌に悪影響があり、大人ニキビの原因となります。
中でも、肌をすこやかに保つために必要なたんぱく質やビタミン、鉄分などが不足すると、ニキビをはじめとした肌トラブルを招きかねません。

生活習慣の乱れ

肌のターンオーバーは、睡眠中に活発になります。寝不足が続くと肌のターンオーバーに悪影響を及ぼし、古い角質がはがれ落ちずに残ったままになり、毛穴の詰まりや過剰な皮脂の分泌など、大人ニキビの原因となるでしょう。
そのほか、ストレスや飲酒、喫煙といった生活習慣の乱れがターンオーバーの乱れを招くこともあるため、注意が必要です。

誤ったスキンケア

思春期ニキビの「ニキビ=皮脂」というイメージから、「大人ニキビ改善のためにこまめに洗顔をしなくては」と考える人もいるかもしれません。しかし、大人ニキビの場合、乾燥が原因のひとつのため、洗いすぎは悪影響を及ぼします。
1日に何度も洗顔すると、肌に必要なうるおいまで落としてしまい、乾燥を加速させる可能性があります。洗顔やクレンジングの際にゴシゴシこすることで、摩擦が刺激となって肌にダメージを与える可能性もあります。また、皮脂が多いからといって、保湿ケアを怠るのも大人ニキビには禁物です。

ホルモンバランスの乱れ

ストレスや加齢などでホルモンバランスが崩れると、皮脂量が増えたり代謝が悪くなったりして、大人ニキビができやすくなります。ホルモンバランスの変化の影響で、排卵後から生理前の時期に大人ニキビができやすい人もいます。

大人ニキビができたときのケア


大人ニキビを防ぐには、肌の保湿を心掛け、食事や睡眠といった生活習慣を見直すことが大切です。しかし、気をつけていても大人ニキビができてしまったときは、どうすればよいのでしょうか。
ここからは、大人ニキビができたとき、できるだけ早く改善するためのケアについてご紹介します。

さわらない・つぶさない

ニキビができたときに絶対にやってはいけないのが、指でさわったりつぶしたりすることです。ニキビは、毛穴に皮脂が溜まっている状態です。皮膚科などの病院ではニキビをつぶす治療もありますが、自分でつぶして皮脂をうまく押し出すことは難しく、皮脂が残っていると炎症は治まりません。それどころか、肌に刺激を与え、炎症が悪化するおそれもあります。

洗顔はやさしく

大人ニキビができている肌はバリア機能が低下し、乾燥しやすく刺激に弱い状態となっています。洗顔のときはたっぷりの泡でやさしく洗い、ゴシゴシこすらないようにしましょう。
熱いお湯で洗うと皮脂を落としすぎてしまい、冷たい水だと汚れや洗顔料が肌に残ってしまう可能性があります。人肌程度のぬるま湯で洗い流すのがおすすめです。

低刺激&保湿重視のスキンケアグッズを使う

アルコールが含まれた化粧水は、大人ニキビの炎症に刺激を与える可能性があります。大人ニキビができやすい肌には敏感肌コスメなどを使い、できるだけ刺激を与えないようにしましょう。
また、大人ニキビが繰り返しできるのを防ぐためには、保湿ケアがとても重要。皮脂が気になる場合でも、スキンケアは化粧水だけで済ませず、美容液やクリームなどでしっかりと保湿を行いましょう。

スキンケアグッズをいろいろ試しすぎない

一般的に、肌のターンオーバーのサイクルは約28日間といわれています。効果を実感できないからといってすぐにスキンケアグッズを替えてしまうと、そのグッズが肌に合っていたのか判断することができません。
大人ニキビを改善するには、生活習慣の見直しも含めたケアが必要です。手当たり次第に化粧品を試すのではなく、ターンオーバーのサイクルに合わせて少なくとも1ヵ月程度は様子を見ましょう。

紫外線対策を徹底する

紫外線ダメージは、ターンオーバーの乱れを引き起こす要因になります。さらに、ニキビは日焼けするとシミになりやすいため、徹底した紫外線対策を心掛けましょう。
外出時は必ず日焼け止めを使うと同時に、活性酸素を取り除くビタミンCやビタミンB2をとるのもおすすめです。大人ニキビができている肌は刺激に弱いため、肌への負担になりやすい紫外線吸収剤を含まない、低刺激タイプの日焼け止めを選ぶとよいでしょう。

メイクは最低限で、メイク用品は清潔に

ニキビを隠そうとメイクを厚くすると、肌への負担が大きくなってしまいます。メイクは最低限を心掛け、油分の配合が少ないファンデーションやフェイスパウダーなどを使うようにしましょう。ニキビの赤みを隠したい場合は、イエローやグリーンの下地やコンシーラーを使うと、ファンデーションを厚塗りにするより肌への負担が軽くなります。
また、メイクをするときに汚れたパフやブラシを使っていると、肌に雑菌を広げることになります。メイク用品は常に、清潔を保つようにしましょう。

ニキビケアについては、こちらの記事もご覧ください。
そのニキビケアで大丈夫?ニキビのNGと正しい対処法

正しいスキンケアで大人ニキビを改善へ

繰り返す大人ニキビは、肌の乾燥や生活習慣の乱れなど、さまざまな要因が重なり合って起こります。誤ったスキンケアが原因で大人ニキビを悪化させてしまうケースも少なくありません。
大人ニキビの原因を知り、正しいスキンケアでニキビのない肌を目指しましょう。

基礎化粧品会社イービーエムが展開する全国の「スキンケアスタジオ」では、お一人おひとりの肌や体質に合った化粧品をベースに、心を込めた美と健康の「手あて」をいたします。肌やスキンケアでお悩みがある方は、ぜひご相談ください。

この記事の監修者

医学博士。聖マリアンナ医科大学医学部卒。 聖マリアンナ医科大学病院、昭和大学病院、墨田病院などを経て、現在は子育てをしながら産業医として活動している。