お肌のお悩み・肌トラブル

混合肌のスキンケアとは?正しいケアで一日中快適肌へ

乾燥肌と脂性肌が混在する、「混合肌」に悩む人は多くいます。実は、乾燥肌や脂性肌を自認している人の中にも、「隠れ混合肌」がたくさんいるといいます。
一日中快適な肌を保つには、自分の肌質を正しく把握し、適切なケア用品やケアの仕方を選択することが大切です。
ここでは、混合肌の特徴から混合肌向けのスキンケアまで、わかりやすく解説していきましょう。

混合肌とは?

混合肌は、顔の中に乾燥肌の部分と脂性肌の部分が混在していたり、日によって乾燥したりオイリーになったりする肌のことです。
それぞれの肌の状態には個人差がありますが、乾燥肌と脂性肌が混在する場合は、Uゾーンが乾燥肌になり、Tゾーンが脂性肌になる傾向があります。日によって肌の状態が変わる場合は、季節ごとや生理周期など、気候や体調の変化によって肌質が変化してしまいます。

■TゾーンとUゾーンの特徴

・Tゾーン
額から鼻筋にかけてのTゾーンには皮脂腺が多く集まっており、オイリーになりやすい部分です。

・Uゾーン
頬から顎周りにかけてのUゾーンは、皮脂腺が少なく、乾燥しやすい部分です。目元、口元も同様に、乾燥肌に傾くことが多いでしょう。

混合肌についてより詳しく知るために、まずは乾燥肌と脂性肌の特徴を確認しておきましょう。

■乾燥肌と脂性肌の特徴

乾燥肌 肌の水分と皮脂が不足して、カサカサした状態。
生活習慣の乱れ、洗いすぎや保湿不足、紫外線などが原因で肌の代謝が落ち、肌のバリア機能が損なわれてうるおいをキープできなくなっています。
肌の新陳代謝が低下して角質が溜まったことによる「ゴワゴワ」「カサカサ」した手触りは、わかりやすい乾燥のサインです。
脂性肌 皮脂が過剰に分泌されていて、テカテカした状態。
生活習慣が乱れ、肌の内部が乾燥したり、日常的に油分の多い食事をとったりすることで、表面の皮脂が必要以上に分泌されています。
手でさわるとベタベタしていて、皮脂の浮きや黒ずみ毛穴が目立つ、メイクが崩れやすいなどの悩みを抱えている人が多い肌質です。

以上を踏まえて、次のチェックに1つでもあてはまる場合は、混合肌の可能性が高いといえます。

■もしかして混合肌?セルフチェック!

□Tゾーンはべたつき、Uゾーンはカサカサするなど、顔の部分によって脂性肌や乾燥肌の特徴がある
□皮脂でメイクが崩れやすいが、おでこや目の周りなどは乾燥する
□洗顔後、すぐに皮脂が出るが、つっぱりやかさつきも感じる
□季節や生理周期によって乾燥肌になったり、脂性肌になったりする

 

混合肌の原因は?

乾燥感とオイリー感が混在する混合肌は、なぜ起こるのでしょうか。実は、混合肌や脂性肌のオイリー感が出てしまう最も大きな原因は「乾燥」です。どちらの肌質にも、乾燥は大きく関わっています。そのため、「脂性肌だと思っていたら、実は混合肌だった」「乾燥肌ではなく混合肌だった」というケースも少なくありません。
また、「年齢」や「生活習慣」「ホルモンバランスの変化」によって肌質が変化することも、混合肌の原因のひとつです。

乾燥

ニキビや皮脂による顔のべたつきが気になると、ほとんどの人が清潔にするために一生懸命洗顔をしようとします。しかし、皮脂は皮膚のうるおいに欠かせないもので、刺激や乾燥から肌を守る役割も果たしているため、落としすぎは禁物。
頻繁に洗ったりこすったりして皮脂を落とすと、「皮脂が足りない」と脳が判断して不足する成分を補おうとし、かえって皮脂が大量に分泌されてしまいます。すると、内側は乾燥しているのに、外側は過剰分泌された皮脂でオイリーになり、相反する特性が共存する混合肌になることが多いといわれているのです。

年齢

肌内部の保湿成分である「コラーゲン」や「セラミド」を生み出す力は年齢とともに衰え、肌の乾燥は見えないところで進んでいきます。そのため、肌表面は皮脂でうるおっているように感じるのに肌内部は乾燥している、いわゆる「インナードライ」の状態に陥りやすくなります。
インナードライは肌の内部が乾燥していますので、部分的に乾燥肌になりやすく、脂性肌と乾燥肌が混在する原因にもなります。

生活習慣

脂質や炭水化物が多い食事を続けていると、皮脂の分泌が進みます。一方、睡眠時間が短かったり、多忙だったりすると、肌のターンオーバー※が乱れて乾燥することも。その時々の生活習慣は、肌の質感を大きく左右します。

※表皮の基底層で生まれた新しい肌細胞が表面の角質層まで上昇していき、やがて垢となってはがれ落ちるまでのサイクルのこと。健康な肌のターンオーバー周期は、約28日といわれています。

ホルモンバランスの変化

女性の場合、ホルモンバランスの変化も肌質の変化に直結します。生理前に女性ホルモンのプロゲステロンが多く分泌されると、普段、乾燥肌ぎみの人も皮脂が増えて、脂性肌に傾くことが多いでしょう。

混合肌の正しいスキンケアは?


「一部はべたついて一部はかさつく」「昨日まではカサカサしていたけど、今日はオイリー」といったように、ゆらぎがちな混合肌には、どのようなスキンケアをすればよいのでしょうか。
ここからは、混合肌の正しいスキンケアについて、「洗顔」と「保湿」「メイク」のステップごとに解説します。

混合肌の洗顔方法

混合肌の洗顔は、おでこや頬、顎など、部分ごとの特性に応じて洗い方を変えるのがコツです。
洗顔するときには、まずは皮脂が浮いているTゾーンからやさしく洗い始め、顎、口周りのUゾーンへと順に移動します。脂浮きが気になっても、ゴシゴシと強くこすったり、何度も洗ったりするのは禁物。洗顔料をよく泡立て、泡で汚れを絡め取るつもりで、ゆっくりと洗いましょう。

混合肌の保湿方法

肌質にかかわらず、補水と保湿はスキンケアの基本です。べたつくからといって保湿をおろそかにすると、肌内部の見えないところで乾燥が進み、皮脂を補おうとする働きが促進されてよりべたつくことになりかねません。
混合肌の場合は、顔全体を化粧水で十分に補水した後、パーツごとの特性に応じて保湿アイテムを変えたり、保湿のステップを変えたりしてみましょう。

・乾燥する部分
乾燥する部分は、まず化粧水で保湿し、乳液、最後にクリームで水分を閉じ込めます。もし、あまり乾燥が気にならない場合は、化粧水か乳液を使った後にクリームを使います。

・オイリーな部分
オイリーな部分は化粧水だけで済ませがちですが、うるおいが保たれないため厳禁です。かといって、乳液とクリームを塗るのは、オイリー肌にとっては不快になりがち。どちらか片方だけにするなら、乳液を使わずに、直接クリームだけを塗りましょう。
どうしてもべたつきが気になる場合は、さっぱりしたテクスチャーのクリームを選ぶと、気持ちよく使用することができます。

混合肌のメイク方法

混合肌のメイクは、その日の肌状態、部分ごとの肌状態によってアイテムを使い分けるとベストです。乾燥肌に傾いているか、脂性肌に傾いているかをチェックして、上手にメイク用品を選びましょう。

・下地
下地は、乾燥する部分には、しっとりとした質感で水分を補ってくれるものを選びましょう。オイリーな部分には、脂を吸着してくれるものを選ぶと、メイク後のテカりを軽減できます。

・ファンデーション
ファンデーションも、肌のコンディションによって使い分けることをおすすめします。乾燥がより気になるなら保湿力が高く水分量が多いリキッドファンデーション、べたつきのほうが気になるときはさらっと使えるパウダーファンデーションといった具合です。乾燥する部分とテカりがちな部分で、使う量を変えるのもひとつの手です。
ただし、リキッドファンデーションは肌なじみがよい分、しっかりクレンジングする必要があり、結果として洗いすぎによる乾燥を招くことがあります。リキッドファンデーションを使った日の保湿は、いつもより念入りに行います。また、パウダーファンデーションは、きめの粗さが目立つことがあります。下地とうまく組み合わせたり、保湿成分が含まれているものを選んだりして調整しましょう。

混合肌の人のよくある質問


スキンケアにも、メイクにも手間がかかる混合肌。混合肌に人がより快適に過ごすには、どんなことに気をつければよいのでしょうか。
スキンケア用品の選び方や生活習慣に関することなど、混合肌の人から出てくる、よくある質問にお答えします。

Q. スキンケア用品は「しっとり」と「さっぱり」、どっちを選べばいいの?

混合肌の人のスキンケア用品選びにおいて、「脂性肌用を買うか」「乾燥肌用を買うか」は、最大の悩みどころではないでしょうか。市販の化粧水や乳液、クリームの多くは「しっとり」「さっぱり」といったタイプに分かれていますが、部分ごとに肌質が異なる場合はどちらを購入すべきかとても迷います。
そんなときのおすすめは、両方のタイプをそろえておいて、その日の肌の状態によって使い分ける方法です。「洗顔はさっぱり、スキンケアはしっとり」「洗顔はしっとり、スキンケアはさっぱり」のような使い方をします。朝晩でコンディションが変わる場合は、「朝はさっぱり、夜はしっとり」のように、一日の中でアイテムを使い分けてもいいでしょう。

Q. 洗顔と保湿、どちらに力を入れるべき?

洗顔も保湿も同じくらい大切なケアですが、混合肌はテカりがちなところは洗顔を念入りに、乾燥するところは保湿を念入りに行うことを心掛けると、よりよい肌の状態を維持することができます。
時間があるときは、ジェルクレンジングを肌になじませ、力を入れすぎないように注意しながら丁寧に洗うと、肌の状態改善が期待できます。スペシャルケアとして、週末などにトライしてみましょう。

Q. 食生活で気をつけることはある?

どんな肌質にもいえることですが、肌のためには栄養バランスのとれた食事がとても重要です。
食材を選ぶ際には、「P=たんぱく質」「F=脂質(脂肪)」「C=炭水化物」をまんべんなくとることを意識しましょう。野菜や果物からとれるビタミン、海藻類からのミネラルも必要です。
食べるときは、皮脂の分泌を増やす肉を食べすぎないなど、主菜が偏らないようにしてください。

Q. ホルモンバランスの変化による肌への影響を抑えるには?

良質な睡眠は、ホルモンバランスを整えるのに役立ちます。忙しくて十分な睡眠時間が取れない場合は、睡眠の質を上げる工夫をしましょう。
簡単にトライできるのは、「寝る前入浴」で副交感神経を優位にすること。寝る前に湯船に浸かって体温をしっかり上げると副交感神経が高まり、少しずつ体温が下がっていく過程で気持ちよく眠りに就くことができます。

肌の状態に応じたケアで、混合肌と上手に付き合おう

顔の部分ごと、もしくは日ごとに肌質が異なる混合肌。肌状態を正確に把握し、状態に応じたケアを選んで、上手に付き合っていきましょう。
ホルモンバランスの乱れで何をしても肌状態が低下しがちなときは、リフレッシュを兼ねて、プロの手で肌も心も癒やしてもらうのもおすすめです。

基礎化粧品会社イービーエムが展開する全国の「スキンケアスタジオ」では、お一人おひとりの肌や体質に合った化粧品をベースに、心をこめた美と健康の「手あて」をいたします。肌やスキンケアでお悩みがある方は、ぜひご相談ください。

この記事の監修者

医学博士。聖マリアンナ医科大学医学部卒。 聖マリアンナ医科大学病院、昭和大学病院、墨田病院などを経て、現在は子育てをしながら産業医として活動している。