美肌をつくる食事・レシピ

セラミドを含む食べ物は?肌の内側から乾燥対策しよう

肌のうるおいやハリを保つために、欠かせない成分がセラミドです。誰の肌にもある成分ですが、年齢を重ねるにつれて減少するため、何も対策しないままだと肌はどんどん乾燥しやすくなります。
セラミドは、外側からのスキンケアだけではなく、食べ物から補うこともできます。セラミドを多く含む食べ物を上手に取り入れれば、身体の内側からも乾燥対策ができるでしょう。
ここでは、セラミドの役割と減少を招く要因のほか、セラミドを増やすために積極的にとりたい食べ物や栄養素について解説します。

そもそもセラミドはどんな成分?

セラミドと聞くと、保湿をイメージする人は多いかもしれません。スキンケアアイテムにも、セラミド配合のアイテムが多く見られます。では、そもそもセラミドとは、どのような成分なのでしょうか。

肌の最も表面にある角層に存在する成分

人の肌は外側から順に、表皮、真皮、皮下組織という3層構造で成り立っています。この中でセラミドは、表皮の最も外側にある、わずか0.02mmの角層に存在する成分です。角層には、肌のうるおいを保ち、紫外線や雑菌などの外部刺激から肌を守る働きがあり、この水分保持とバリア機能の働きを大きく作用するのが、角層に含まれるセラミドです。

保湿機能を担う

肌の角層は、角層細胞が何層にもレンガのように積み重なっており、角層細胞同士の隙間を接着剤のように細胞間脂質が埋めています。
セラミドは、この細胞間脂質の約50%を占めており、肌を乾燥から守るためになくてはならない成分。細胞同士の隙間を埋めて満たすことで水分を逃さず、キメや透明感を保つことができます。

バリア機能を担う

角層には、紫外線や摩擦、花粉といった外部刺激から肌を守り、水分の蒸発を防ぐ「バリア機能」があります。セラミドは、バリア機能を保持する上でも、重要な役割を果たしています。
セラミドをはじめとした細胞間脂質で角層細胞がしっかりつなぎとめられている肌は、外部刺激を防ぎます。しかし、セラミドが不足すると、角層細胞の並びが乱れて隙間ができ、少しの刺激でも影響を受けて肌荒れしやすくなるでしょう。

セラミドについてはこちらの記事もご覧ください。
セラミドとは?うるおいを守る働きとスキンケアアイテムの選び方

セラミドが減少する理由とは?


肌のうるおいを保つ上で、とても大切なセラミド。しかし、セラミドはさまざまな要因で減少してしまいます。ここでは、セラミドが減少する3つの理由について解説します。

加齢

肌に存在するセラミドの量は加齢とともに減少し、50代では20代の約半分になるといわれています。その理由のひとつが、ターンオーバーの乱れです。
ターンオーバーは表皮で起こる肌の新陳代謝のこと。表皮の底で生まれた細胞が少しずつ表面に押し上げられ、最終的に垢となってはがれ落ちるまでのサイクルです。セラミドも表皮の底で生まれ、ターンオーバーの過程で成長して、肌の表面の角層で保湿機能やバリア機能を果たします。

しかし、ターンオーバーのサイクルは、加齢とともに長くなったり乱れたりして、新しいセラミドが作られにくくなります。また、セラミドの生成を促進させる働きのある女性ホルモン「エストロゲン」も、20代をピークに分泌量が徐々に低下し、更年期前後には20代の半分以下に。顔をはじめ、手や脚、デコルテなどがカサつきやすくなるのも、セラミドの減少が一因でしょう。

ターンオーバーについてはこちらの記事もご覧ください。
ターンオーバーとは?サイクルが乱れる原因と整える方法

ターンオーバーの乱れ

ターンオーバーのサイクルが乱れる原因は、加齢だけではありません。紫外線ダメージや乾燥のほか、生活習慣や食生活の乱れなども、ターンオーバーのサイクルを乱れさせる要因です。
たとえ年齢が若くても、ターンオーバーのサイクルが乱れると、セラミドがうまく作れず水分不足に。乾燥しやすくなるとともにバリア機能が働かず、少しの刺激でも肌トラブルを起こしやすくなります。

間違ったスキンケア

誤ったスキンケアが、セラミドの減少につながることがあります。クレンジングや洗顔の際にゴシゴシこすったり、熱いお湯を使ったりしていると、肌に必要なセラミドまで洗い流されてしまいます。ベタつきが気になるからと、化粧水だけで乳液やクリームを使わないのもNGです。化粧水で与えた水分はすぐ蒸発し、乾燥した肌はターンオーバーが乱れて、セラミドの減少につながります。

肌の内側からセラミドを増やす


角層内のセラミドの量を増やせば、肌のバリア機能を高め、乾燥や肌荒れを防ぐことができます。セラミドはスキンケアアイテムで外から補うほかに、食事から補うことも可能。セラミドを含む食品と、生成を助ける食品を紹介します。

セラミドがたくさん含まれる食品

セラミドが含まれている食材を積極的にとれば、体の内側からセラミドを補うことができるでしょう。
セラミドを豊富に含む代表的な食べ物や飲み物は、下記のとおりです。セラミド不足が気になる人は、日々の食事に取り入れてみましょう。

<セラミドを多く含む食べ物>
・生芋こんにゃく
・米
・ホウレンソウ
・麦類
・豆類
・キノコ類
・牛乳

上記の食べ物の中でも、特にセラミドを豊富に含んでいるのが、生芋こんにゃくです。一般的なこんにゃくは、こんにゃく芋を乾燥させて粉状にしてから作っており、製造過程でセラミドが失われてしまいます。
しかし、生芋こんにゃくはこんにゃく芋をそのまますりつぶして作るため、セラミドが豊富です。セラミドは1日0.6mgほど摂取すると肌のバリア機能の強化が期待できるといわれており、これは生芋こんにゃくの約半丁分にあたります。

セラミドの生成を助ける栄養素

食べ物からセラミドを補う場合、セラミドを含む食材に加えて、セラミドの生成を助ける栄養素も摂取するといいでしょう。
セラミドの生成を促すには、ターンオーバーのサイクルを正常に整えることが大切です。また、細胞間脂質と同じように角層の水分を保つ役割を持つものに、皮脂膜やNMF(天然保湿因子)があります。これらの働きをサポートするために、食事の中で、次のような栄養素をバランスよく摂取することがおすすめです。

・たんぱく質
肉や魚、大豆などに多く含まれるたんぱく質は、髪や肌、爪、筋肉、内臓など、身体を作るもとになる栄養素。セラミドの生成をサポートするほか、肌のハリや弾力に欠かせないコラーゲンを生み出す役割も担います。
また、たんぱく質を多く含む大豆や大豆製品には、大豆イソフラボンも多く含まれています。大豆イソフラボンには、女性ホルモンのエストロゲンと似た働きがあるため、年齢とともに減少するエストロゲンを補うためにも、積極的にとりたい栄養素です。

・ビタミン類
緑黄色野菜や卵などに豊富なビタミンAは、NMFの生成を促進し、皮膚や粘膜のうるおいをキープするのに役立ちます。また、豚肉やレバーなどに多く含まれるビタミンBには、肌の再生を促し、ターンオーバーを正常に保つ働きが期待できます。そのほか、血行促進や抗酸化作用で知られるビタミンEや、抗酸化作用に加えてコラーゲンの生成を促すビタミンCも、おすすめの栄養素です。

・脂肪酸
α-リノレン酸、EPA、DHAなどのオメガ3系脂肪酸には、細胞膜の生成を助ける働きがあります。オメガ3系脂肪酸は、青魚やえごま油、亜麻仁油などに多く含まれています。

セラミドを減らす食べ物はある?

食べ物の中には、セラミドを減らしてしまうものもあります。セラミドを減らす食べ物を多くとりすぎると、いくらスキンケアをがんばっても効果が表れにくくなってしまうかもしれません。

肌のセラミドを増やすためには、脂質のとりすぎに気をつけましょう。特に、マーガリンや市販のドレッシング、ラーメン、インスタント食品など、脂を多く含む食品をたくさん食べていると、セラミドの減少につながる可能性があります。ほかにも、脂身が多い肉や揚げ物、スナック菓子なども、セラミドを減少させる不飽和脂肪酸が含まれているので、食べすぎないように注意が必要です。

セラミドは外側からのケアも必要


セラミドは食べ物からも摂取することができますが、それだけで十分とはいえません。肌のうるおいやハリを保つためには、身体の内側と外側、両方からのケアを行うことが望ましいといえます。その理由について見ていきましょう。

食品に含まれる量はわずか

食べ物に含まれるセラミドは、ほかの栄養素に比べてそれほど多くはありません。一度にたくさんの量を食べようとするのではなく、毎日の食事の中で継続してとりましょう。食事だけでは不安な場合は、サプリメントやドリンクでセラミドを補うのもひとつの方法です。
ただし、サプリメントは、あくまでも食事の不足分をサポートするもの。セラミドを含む食材や、セラミドの生成を助ける栄養素をバランスよく摂取することを基本としてください。

スキンケアで身体の外側からもセラミド補給を

セラミドを増やすには、スキンケアによる外側からのアプローチも重要です。スキンケアの際にはセラミドが配合された化粧品を選び、うるおい成分を肌に与えましょう。セラミドは油分とも水分ともなじみやすい油溶性の成分なので、化粧水でもクリームでも構いません。
また、ヒアルロン酸やコラーゲンなどの保湿成分と併せて使うと、よりうるおいのある肌へと導いてくれます。

セラミドは内側と外側からダブルでケア

セラミドは、人の肌に元々備わっている成分ですが、年齢を重ねるにつれて徐々に減少してしまいます。また、謝ったスキンケアやターンオーバーの乱れも、肌のセラミドを減らしてしまう原因です。
セラミドが不足すると肌のバリア機能が低下し、乾燥や肌荒れが起こりやすくなります。セラミドの減少を食い止め、肌のうるおいを取り戻すには、食事とスキンケアで内外からケアをしましょう。同時に、ターンオーバーのサイクルを正常に保てるよう、紫外線対策や良質な睡眠などを心掛けることも大切です。

基礎化粧品会社イービーエムが展開する全国の「スキンケアスタジオ」では、お一人おひとりの肌や体質に合った化粧品をベースに、心を込めた美と健康の「手あて」をいたします。肌やスキンケアでお悩みがある方は、ぜひご相談ください。

この記事の監修者

医学博士。聖マリアンナ医科大学医学部卒。 聖マリアンナ医科大学病院、昭和大学病院、墨田病院などを経て、現在は子育てをしながら産業医として活動している。