お肌のお悩み・肌トラブル
プラセンタエキスとは?種類や期待できる効果を紹介【美容成分解説】
プラセンタエキスとは、人や動物の胎盤から抽出した成分のことです。プラセンタの歴史は古く、紀元前から人の健康や若さを支えるための薬として重宝されてきたとされ、現在では健康効果・美容効果の高さから医療分野や化粧品、サプリメントなどに幅広く利用されています。
ここでは、プラセンタの種類や期待できる効果のほか、取り入れる際の注意点などを解説します。
※美白:メラニンの生成を抑えシミそばかすを防ぐこと。
プラセンタは赤ちゃんとお母さんをつなぐ器官
プラセンタは直訳すると「胎盤」のことで、妊娠すると形成される臓器です。妊娠中にお母さんの身体から赤ちゃんに酸素や栄養素を届けたり、赤ちゃんの老廃物をお母さんの血液に戻したりと、お母さんと赤ちゃんをつないでいます。
また、胎盤は人以外にも、牛や豚、馬などの哺乳類にも形成されるものです。人以外の哺乳類は出産後に胎盤を食べることも多く、栄養の凝縮された胎盤を食べることで、身体の回復を早めようとしているともいわれています。
実際、胎盤には十数種類のアミノ酸や多種のビタミン、たんぱく質、ミネラルといった栄養成分や成長因子が豊富です。
世界三大美女が薬として活用していた
プラセンタの歴史はかなり古く、世界三大美女として有名な古代エジプトの女王クレオパトラは、若々しさを保つためにプラセンタを活用していたといわれています。また、中国では秦の始皇帝以来、不老長寿の妙薬として用いたといわれ、楊貴妃も服用していたと伝えられています。日本でも江戸時代に三大秘薬といわれた「混元丹」にはプラセンタが含まれていました。
プラセンタの種類と特徴は?
プラセンタにはさまざまな種類があります。種類によって特徴や効果が異なりますので、それぞれの違いを確認してみましょう。
動物性プラセンタ
動物性プラセンタには、下記の3つがあります。
・豚プラセンタ
日本で、美容目的に使われるプラセンタの多くは豚由来です。安全な豚由来のプラセンタを選ぶ基準として、「SPF豚」というものがあります。日本SPF豚協会が定めるSPF豚は、指定された病原体を持っておらず、通常の養豚の飼育時に使われる抗生物質の使用も少なく抑えられています。その豚から抽出されたプラセンタなので、不純物が少なく安全性が高いとされているのです。
・馬プラセンタ
豚プラセンタの次にポピュラーなのは、ほかのプラセンタに比べて含有されるアミノ酸の量が多いとされる馬プラセンタです。馬プラセンタに使用される馬の胎盤は、そのほとんどがサラブレッドのため、品質管理や栄養管理がしっかりとされているところが魅力です。
・羊プラセンタ
羊由来のプラセンタは、人由来の胎盤と分子構造が近いことが特徴です。日本で流通している羊プラセンタは輸入されたもののため、原産国などをしっかりとチェックするようにしましょう。
海洋性プラセンタ
魚類には胎盤がありませんが、卵の殻を包んでいる卵巣膜を海洋性プラセンタと呼んでいます。動物性プラセンタと違い正確にはプラセンタとはいえませんが、アミノ酸やコラーゲン、ヒアルロン酸などが含まれています。ただし、成長因子は含まれていません。
植物性プラセンタ
植物にも胎盤がないため、植物性プラセンタといわれるものは、植物の「胎座」と呼ばれる部分から抽出した成分になります。胎座は発芽が起きる部分のため、豊富な栄養素が含まれています。
プラセンタエキスの美容効果は?
プラセンタを酵素分解などの方法により分解した後に、抽出して加熱殺菌をした液状またはペースト状のものをプラセンタエキスといいます。また、「プラセンタエキス純末」というものもありますが、これは、プラセンタエキスを凍結乾燥などの方法により、水分を除去して粉末状にしたものです。
プラセンタエキスにはさまざまな栄養素が豊富に含まれており、下記のような幅広い美容効果を発揮してくれます。
肌の再生力アップ
プラセンタエキスに含まれている成長因子が、肌の細胞を活性化させ、細胞の修復や再生をサポートします。また、肌のハリを保つために必要なコラーゲンやエラスチンを生み出す線維芽細胞を増やす効果もあるため、ハリとつやのある若々しい印象の肌に導きます。
美白ケア
プラセンタにはメラニンの生成を抑制し、メラニンの排出を促進する効果があります。医薬部外品の美白有効成分としても認められています。肌の血行を促進する効果もあるため、血行不良によるくすみを改善し、透明感のある肌に整える効果も期待できるのです。
抗炎症作用
プラセンタには高い抗炎症作用や細胞修復作用があるため、ニキビの改善などに効果が期待できます。
抗酸化作用
プラセンタには、過剰に発生した活性酸素を除去する効果があります。活性酸素は肌を酸化させるため、さまざまな肌老化の原因となる厄介な存在です。活性酸素を抑えることで、若々しい肌を保つことができます。
プラセンタ製品を取り入れるときのポイントは?
プラセンタを日常で取り入れるには、化粧品やサプリメントを活用しましょう。下記に、化粧品やサプリメントを選ぶときのポイントをまとめました。
配合量や濃度を意識する
プラセンタ配合製品を選ぶにあたっては、配合されている量や濃度をチェックすることが大切です。
日本健康・栄養食品協会(JHFA)の基準では、プラセンタ食品(サプリメントなど)にはプラセンタエキス純末量を記載する決まりがあるほか、化粧品では通常、配合量が多い順に全成分表に成分が記載されていますので、そうした記載をチェックするといいでしょう。
品質や原産国などをチェックする
日本国内において、サプリメントや化粧品では、主に豚や馬の胎盤が原料として使用されています。以前は牛の胎盤を使っていたこともありましたが、狂牛病の発生をきっかけに、厚生労働省は国内でのプラセンタ製品の製造に、反芻(はんすう)動物(牛・羊・ヤギなど、4つの胃袋を持ち、徐々に食物を消化していくタイプの動物のこと)の胎盤を使用しないよう通知をしました。
日本で手に入る動物性プラセンタ製品は主に、国内で製造が許可されている豚や馬由来のものですが、輸入品では羊由来のプラセンタ製品もあります。羊プラセンタを選ぶ場合は、狂牛病が発生していないオーストラリア、ニュージーランド産のものの安全性が高いといわれています。
製品を選ぶ際は何由来のプラセンタエキスか、原産国はどこかを確認して選ぶといいでしょう。
プラセンタエキスを取り入れて若々しい肌を目指そう
古くから美容目的で用いられてきたプラセンタは、肌の再生力にアプローチしたり、美白ケアを叶えたりと、美容にうれしい効果が詰まっています。
すこやかで若々しい肌に整えるために、選び方のポイントを踏まえながら日々のケアに取り入れてみてはいかがでしょうか。
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