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メラニン毛穴は消せる?原因とケア方法を紹介

毛穴の黒ずみといえば、思い浮かぶのは角栓の詰まりですが、毛穴が黒ずんでしまう理由は角栓だけでないことをご存じでしょうか。もしかしたら、その黒ずみ毛穴は色素が沈着した「メラニン毛穴」かもしれません。メラニン毛穴は角栓詰まりとは原因が違うため、同じ対処をしているとかえって悪化させてしまう可能性があります。
ここでは、毛穴が黒ずんで見える理由のひとつである、メラニン毛穴の原因とケア方法をご紹介します。

黒ずみ毛穴の原因は大きく2つ

毛穴が黒ずんで見える原因には、大きく分けて、「詰まった角栓」と「メラニン」の2つがあります。原因によって対処法が異なるため、まずはそれぞれの特徴を理解し、自身の黒ずみがどちらに該当するかを見極めることが大切です。

詰まった角栓

肌は、外側から表皮、真皮、皮下組織の三層構造になっており、さらに表皮は外側から「角質層」「顆粒層」「有棘層」「基底層」の4つの層で構成されています。健康な肌では、基底層で新たな細胞が生まれ、古い細胞が上へ上へと押し上げられて、最終的に角質層で垢となってはがれ落ちる「ターンオーバー」が一定のサイクルで行われています。

しかし、加齢や乾燥などでターンオーバーのサイクルが乱れると、皮膚は新陳代謝ができなくなります。結果として、角質層に残り続け、「角栓」となって毛穴をふさいでしまいます。
こうして詰まった角栓は、空気にふれると酸化して黒ずみます。これが、角栓の詰まりによる黒ずみ毛穴の正体です。

メラニン

毛穴が黒ずんで見えるもうひとつの原因は、メラニン色素が毛穴に沈着することによるものです。角栓の詰まりとの違いは、角質などによって毛穴が物理的にふさがれているのではなく、メラニンが蓄積した部分がシミになって黒く見えているという点です。
メラニンによる黒ずみ毛穴ができる原因は、大きく下記の3つに分けられます。

・摩擦

スキンケアやメイクなどの際に肌をこすることで、色素が沈着して黒ずんだメラニン毛穴になることがあります。メラニン毛穴を角栓の詰まりと勘違いしてゴシゴシこすると、摩擦が毛穴に刺激を与え、さらに黒ずみが悪化することも。クレンジングや洗顔は摩擦を避け、できるだけ肌への刺激を低減しましょう。洗顔はぬるま湯で、泡で肌をやさしくなでるように洗うのが基本です。

・ターンオーバーの乱れ

毛穴の角栓詰まりに関係するターンオーバーは、メラニン毛穴にも影響を与えています。日々、紫外線を浴びることでメラニンは日常的に生成されていますが、ターンオーバーのサイクルが正常なら、肌に沈着することなくいずれ排出されます。
しかし、ターンオーバーのサイクルが乱れた肌は、メラニンを排出することができません。残ったメラニンは毛穴周りに沈着するため、毛穴が黒く見えてしまうのです。

・皮脂の酸化

毛穴から分泌される皮脂は、紫外線を浴びると酸化し、メラニン色素を増やしてシミの原因になります。正しく皮脂のケアをしないまま、無防備に紫外線にあたり続けると、黒ずみはどんどん濃くなってしまうでしょう。

メラニン毛穴の特徴

メラニン毛穴を正しくケアするには、角栓詰まりとしっかり区別する必要があります。角栓詰まりと混同すると、良かれと思って行ったケアが黒ずみを悪化させる可能性も。
下記に挙げる3つの特徴からメラニン毛穴かどうかを判断し、正しいケアを行いましょう。

毛穴の色が茶褐色

角栓詰まりもメラニン毛穴も、パッと見た印象は同じような黒ずみ毛穴です。しかし、よく見ると色が異なることに気づくでしょう。詰まった角栓の場合は黒に近いですが、メラニン毛穴の色はそれより薄く、茶褐色に近い色をしています。

手触りがつるつる

メラニン毛穴の原因は、物理的な詰まりではなく色素の沈着。そのため、肌にふれてもざらざら、ポツポツした感じがせず、つるつると滑らかな手触りです。

黒ずみがドーナツ状

メラニン毛穴は、毛穴の外側に色素が沈着してできるものです。そのため、毛穴の中が黒ずんでいるのではなく、毛穴を中心にドーナツ状に黒ずんでいます。よく見ると毛穴ではなく、毛穴の周りが黒ずんでいることがわかるでしょう。

メラニン毛穴のケアは?

黒ずみの原因がメラニン毛穴であることがわかったら、どのようなケアをすればいいのでしょうか。ここからは、具体的なメラニン毛穴のケア方法を紹介します。

毎日の紫外線対策を確実に

メラニン毛穴の原因であるメラニンは、紫外線を浴びることで作られます。メラニン毛穴を予防し、できてしまったメラニン毛穴の悪化を防ぐには、紫外線ケアが何より大切。紫外線が肌に直接あたる量を少しでも減らすため、紫外線対策を徹底してください。

紫外線 というと暑い夏のイメージがありますが、実は春や秋、冬でも降り注いでおり、季節を問わずケアは必須です。また、晴れの日だけでなく、曇りの日も要注意。薄曇りでも快晴時の約8~9割、曇りで快晴時の約6割の有害紫外線量があるといわれています。
近所への買い物や自宅の窓際で仕事をするとき、ベランダで洗濯物を干すときなど、ちょっとした時間にも紫外線は肌に影響を与えています。室内外を問わず必ず日焼け止めを塗り、UVケアできる化粧下地やファンデーションも併用しましょう。
さらに、日焼け止め以外に帽子をはじめとしたアイテムで日差しをさえぎり、肌を守ることも大切。紫外線は目からも侵入するので、サングラスも使用するとより安心です。

メラニンの生成を抑える

メラニン毛穴に必要なのは、詰まりを押し流すようなケアではなく、メラニンを生成させない・溜め込まないためのケアです。スキンケアアイテムは、シミ予防に効果的な成分が含まれた、美白ケア用の製品を使いましょう。下記の成分は厚生労働省が認めた美白有効成分 で、これらの成分が入ったスキンケア製品を使えば、普段のスキンケアで無理なく美白効果が期待できます。

・ビタミンC誘導体

ビタミンC誘導体は、酸化しやすく効果が持続しにくいビタミンCを安定させ、より肌に浸透しやすくした成分です。即効性や持続性も高いといわれています。

・トラネキサム酸

トラネキサム酸は、人工的に作られたアミノ酸の一種です。メラニンを生成するメラノサイトの活性化を抑制する働きがあり、肌荒れを抑制する働きもあります。

・アルブチン

アルブチンは、コケモモなどの植物にも含まれる成分で、メラニンを作るチロシナーゼという酵素の働きを阻害することで、メラニンの生成を抑制します。

ピーリングをする

ピーリングは、肌に蓄積した角質をゆるめて除去し、ターンオーバーを促進するケアです。ピーリング剤でやさしくマッサージして洗い流すと、古い角質といっしょに沈着していたメラニンがはがれ落ち、メラニン毛穴が少しずつ軽減されます。

ただし、ピーリングのしすぎは禁物。毎日のように行ったり、強くマッサージしたりすると、肌に必要な皮脂や角質まで除去してしまい、かえって肌の調子を悪化させる場合があります。製品の推奨する頻度を守るとともに、洗浄力がやさしいタイプのピーリング剤を選びましょう。

メラニン毛穴の特徴を理解して正しくケアしよう

鏡を見るたびに憂鬱になる毛穴の黒ずみ。「毛穴といえば角栓」と考える人は多いですが、実は摩擦やターンオーバーの乱れなどが原因の、メラニン毛穴かもしれません。そうとわからず角栓や皮脂に対するケアばかり行っていると、かえってメラニン毛穴を悪化させることも。
しかし、原因を把握し、正しいケアを続けることで着実な改善が見込めます。黒ずみの悩みから解放されるために、日々の紫外線ケアを怠らず、メラニン毛穴の改善に合ったスキンケアアイテムを選びましょう。

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この記事の監修者

医学博士。聖マリアンナ医科大学医学部卒。 聖マリアンナ医科大学病院、昭和大学病院、墨田病院などを経て、現在は子育てをしながら産業医として活動している。