お肌のお悩み・肌トラブル

肌が黒ずむ…。正しいケア方法を知ってワントーン明るい素顔に!

鼻や頬、目元など、肌の黒ずみに悩んでいる人は少なくありません。顔に黒ずみがあると、全体が暗くくすんで見えてしまうこともあります。なぜ、黒ずみが発生してしまうのでしょうか。実は顔の黒ずみは、毛穴の状態と密接な関係があるのです。
ここでは、顔と毛穴の黒ずみにスポットをあて、黒ずみが起きる原因や正しいケア方法のほか、黒ずみ予防のための対策について解説します。

肌が黒ずむ原因は色素沈着と毛穴汚れ

顔の肌が黒ずむ原因は、主に「色素沈着」「毛穴汚れ」の2つです。それぞれの原因について、詳しく見ていきましょう。

炎症でメラニン色素が生まれる色素沈着

肌の細胞は、一定のサイクルで常に新しく生まれ変わっています。この肌の代謝の仕組みを「ターンオーバー」といいます。ターンオーバーが正常であれば、皮膚の中で生成されたメラニンは徐々に肌表面へと押し出され、角質層がはがれるのといっしょに排泄されます。しかし、皮脂の過剰な分泌や物理的な刺激によって肌に炎症が起こるとメラノサイトが活性化し、この代謝のサイクルが崩れてしまいます。その結果、メラニン色素が角層内に蓄積されて色素沈着となり、黒ずみにつながってしまうのです。

炎症を引き起こす刺激には、肌に合わない化粧品、ニキビ、吹き出物のほか、クレンジングや洗顔でのこすりすぎ、マスク・寝具による摩擦など、さまざまな要因があります。また、肌を過剰にさわったり、傷や虫刺されなどでかいたりする行為も、肌への刺激となって色素沈着につながる可能性があります。
特に目の周りは、顔の中でも皮膚が薄く、摩擦に弱い部位です。メイクやクレンジング、マッサージなどの刺激によって色素沈着が起こりやすいため、十分な注意が必要です。

毛穴汚れで角栓が黒くなる

鼻や頬の黒ずみでよく見られるのが、毛穴に詰まった角栓が黒くなっているケースです。
毛穴が詰まる大きな原因は、ターンオーバーのサイクルの乱れです。皮脂の過剰な分泌やケア不足、乾燥などによって肌のターンオーバーが乱れると、古くなった角質や余分な皮脂がスムーズに排出されず、肌にとどまったままになってしまいます。そして、肌に残った角質や皮脂は毛穴の中に入り込み、産毛や空気中のほこりなどと混ざり合って、角栓が形成されます。その毛穴に詰まった角栓が酸化して黒くなり、毛穴の黒ずみへとつながってしまうのです。

老化や紫外線ダメージ、不規則な生活習慣などによってターンオーバーのサイクルが遅くなると、古い角質が肌に長く残り続け、毛穴詰まりが起こりやすくなります。だからといって、ターンオーバーのスピードが速ければいいというわけでもありません
バリア機能が低下して肌が水分不足に陥ると、ターンオーバーのサイクルが速くなり、未成熟な細胞がどんどん作られることになります。未成熟な細胞ははがれ落ちる機能も弱いため、肌の表面に積み重なり、やはり角栓となって毛穴を詰まらせてしまうのです。

毛穴の黒ずみについてはこちらの記事もご覧ください。
黒ずみ毛穴の原因と適切なケアは?解消する方法とよくある疑問

黒ずみをケアする方法

それでは、できてしまった黒ずみをケアするには、どうすればよいのでしょうか。色素沈着と毛穴汚れのそれぞれの原因ごとに、おすすめのケア方法をご紹介します。

色素沈着が原因の黒ずみ:ハイドロキノンやビタミンCが効果的

色素沈着による肌の黒ずみにセルフケアで対策するなら、ハイドロキノンやビタミンCが配合された化粧水やクリーム、美容液を使うといいでしょう。
色素沈着を引き起こすメラニンは、メラノサイトという細胞から生成されます。ハイドロキノンには、メラノサイトに作用してメラニンの生成を抑制する働きがあります。同様に、ビタミンCにもメラニンの生成を抑える働きがあることが知られています。ビタミンCには皮脂の分泌を正常に整える効果も期待できるため、色素沈着の元になりやすいニキビや吹き出物の予防にもおすすめです。

毛穴汚れによる黒ずみ:クレンジングと収れん化粧水がおすすめ

毛穴汚れが原因の黒ずみを改善するには、毛穴に詰まった角栓を取り除くことが大切です。クレンジングの前にはホットタオルなどで肌を温めて毛穴を開き、汚れを落としやすい状態にしておくことがポイント。こうすることで、毛穴がゆるみ、角栓も柔らかくなって取れやすくなります。
角栓のほとんどはたんぱく質で、そこに皮脂などの油分が混ざり合っています。油分の配合量が多いオイルタイプかクリームタイプのクレンジングを選ぶと、角栓の皮脂ともなじみやすくなるでしょう。特に、黒ずみができやすい小鼻などは、毛穴の奥の汚れを溶かし出すように、指先を使ってやさしく丁寧にメイクとクレンジングをなじませます。

新たな黒ずみができるのを防ぐためには、収れん化粧水を使うこともおすすめです。収れん化粧水には、皮脂の分泌をコントロールし、肌をキュッと引き締める効果が期待できます。
また、頑固な黒ずみが気になる場合は、ピーリングを取り入れてみるのもおすすめです。ピーリングで古い角質を取り除くことができれば、ターンオーバーが促進され、毛穴詰まりの予防につながります。ただし、あまり頻繁にピーリングを行うと、肌に負担をかけるおそれがあります。使用するアイテムによっても異なりますが、多くても週に1~2回程度にとどめておくことが大切です。

なお、毛穴の黒ずみが気になるからといって、指などで無理矢理角栓を押し出してはいけません。肌への刺激で毛穴周辺の角質が厚くなり、余計に角栓ができやすくなってしまうほか、色素沈着につながる可能性もあります。

クレンジングについてはこちらの記事もご覧ください。
美肌への第一歩!クレンジングの種類と選び方

肌の黒ずみを予防する方法


色素沈着も毛穴汚れも、黒ずみができる前に予防するのが一番です。顔の黒ずみを防ぐには、日頃の正しいお手入れが大切です。ここでは、黒ずみを予防する方法として、正しい洗顔とスキンケアのほか、UVケアや生活習慣について解説します。

正しい洗顔

正しい洗顔はスキンケアの基本です。肌に汚れが残っていると黒ずみの原因になるため、丁寧な洗顔でしっかりと落とします。また、メイクは洗顔料だけでは落としきれないため、きちんとクレンジングを使うことが必要です。
洗顔のときに気をつけなければいけないのが、肌を強くこすらないこと。肌をゴシゴシとこすると、その刺激によって肌が傷つき、メラニンの過剰生成を招くことになりかねません。洗顔料の量が少ないと、汚れを落としきれないだけではなく、泡立ちが足りずに肌を摩擦することになってしまいます。適正な量の洗顔料をたっぷり泡立てて、肌の上で泡を転がすようにしてやさしく洗いましょう。
洗い終えたら、洗顔料を肌に残さないよう、十分にすすぎます。このとき熱めのお湯で流すと、肌に必要な皮脂まで取り除いてしまうため、ぬるま湯を使うようにしてください。

正しい洗顔の方法についてはこちらの記事もご覧ください。
洗顔の正しいやり方をチェック!洗顔をマスターして理想の美肌へ

洗顔後の正しいスキンケア

洗顔の後は、すぐに保湿ケアを行い、肌の乾燥を防ぎます。乾燥は、肌のバリア機能を低下させ、ターンオーバーのサイクルを乱す大きな要因になります。化粧水で肌に水分を与え、乳液やクリームで油分を補うことが大切です。
なお、「べたつきが気になる」「皮脂を抑えたい」という場合も、乳液やクリームは省略しないようにしてください。肌に化粧水を塗っただけでは、せっかく補給した水分がどんどん蒸発してしまいます。水分が奪われると肌は乾燥が進み、乾燥から肌を守ろうとして余計に皮脂が分泌される…という、悪循環に陥ってしまうのです。
そのため、水分の蒸発を防ぐためには、乳液やクリームで蓋をすることが大切。べたつきが気になる場合は、軽めのテクスチャーのものをおすすめします。

正しいスキンケアでターンオーバーを整えれば、できてしまった黒ずみも、徐々に薄くなっていくはずです。さらに、新たな黒ずみを作らないために、美白有効成分でのケアを取り入れるのもおすすめ。ハイドロキノンやビタミンC誘導体、プラセンタエキスなどが配合された化粧水や美容液で、色素沈着につながるメラニンの過剰生成を抑えましょう。

スキンケアについてはこちらの記事もご覧ください。
スキンケアのやり方はこれでOK!朝と夜で行うひと工夫

UVケア

紫外線を浴びると、メラノサイトが活性化してメラニンという色素が生成され、肌は黒くなります。また、肌が無防備に紫外線にさらされると、乾燥が加速し、バリア機能の低下につながります。バリア機能が低下すると肌に炎症が起こりやすくなり、色素沈着による黒ずみのリスクがさらに高まってしまうのです。このようなことから、肌の黒ずみを予防するには、紫外線対策が必須といえるでしょう。

「日焼け止めを使うのは日差しの強いときだけ」という人もいるかもしれませんが、紫外線は季節や天気を問わず年中降り注いでいます。特に、地表に届く紫外線の約9割を占めるといわれるUV-Aは、雲やガラスなども通過する性質を持ちます。日焼け止めや帽子、日傘などを活用して、一年を通したUVケアを心掛けてください。

日焼け止めについてはこちらの記事もご覧ください。
意外に知らない日焼け止めの正しい塗り方

睡眠と食事など規則正しい生活習慣

肌に黒ずみを作らせないためには、スキンケアだけではなく、普段の生活習慣を見直すことも重要です。
睡眠不足や運動不足、不規則な食事などは、肌に悪影響を与えます。質のよい睡眠をとるために寝室や寝具など環境にも気を配り、眠りに入る前にはパソコンやスマートフォン、テレビなどの光を見るのは避けましょう。
また、黒ずみ予防につながる成分は、食事からもとることができます。肌をすこやかに保つビタミンAや、皮脂の分泌をコントロールするビタミンB6、肌を作るもとになるたんぱく質などを積極的にとりながら、栄養バランスの整った食生活を心掛けてください。

正しいスキンケアで肌の黒ずみを防ごう

顔の黒ずみがなくなれば、肌がワントーン明るくなり、メイクのノリも格段に変わるはずです。
黒ずみの原因は主に色素沈着と毛穴汚れですが、適切なケアで予防することができます。セルフケアだけでなかなか黒ずみが改善しない場合は、サロンやクリニックでプロの施術を受けるのもひとつの方法です。原因に合わせた対策で、黒ずみのない明るい素肌を目指しましょう。

基礎化粧品会社イービーエムが展開する全国の「スキンケアスタジオ」では、お一人おひとりの肌や体質に合った化粧品をベースに、心を込めた美と健康の「手あて」をいたします。肌やスキンケアでお悩みがある方は、ぜひご相談ください。

この記事の監修者

医学博士。聖マリアンナ医科大学医学部卒。 聖マリアンナ医科大学病院、昭和大学病院、墨田病院などを経て、現在は子育てをしながら産業医として活動している。