お肌のお悩み・肌トラブル

シミ対策は万全?スキンケアでできる、シミを予防して薄くする方法

※美白:メラニンの生成を抑えシミそばかすを防ぐこと。

年齢とともに、現れやすくなるシミ。シミがあると顔が老けた印象になってしまい、鏡を見るたびに憂鬱な気分になる人も多いでしょう。メイクでも隠しにくく、放っておくと濃くなったり、増えたり…。シミができてしまったら、できるだけ早く改善のためのスキンケアを行い、新たにシミを作らないように対策することがポイントです。

ここでは、シミができてしまう原因と、シミを予防する方法のほか、できたシミを薄くするスキンケアについて解説します。

どうしてシミができるの?

シミとは、皮膚内で作られる黒色の「メラニン」という色素が沈着した部分を指します。肌に黒色メラニンが蓄積し、部分的に地肌の色よりも濃く見えるため、肌に黒ずみができたように見えるのです。シミができると肌がくすんで見えたり、老けた印象を与えたりしてしまいます。
そもそも、シミはどうしてできるのでしょうか。まずは、肌にシミができてしまう仕組みについて知っておきましょう。

紫外線

シミの最大の原因は紫外線です。肌が紫外線を浴びると紫外線によるダメージを防ぐため、メラノサイト(メラニン形成細胞)に信号が送られ、メラニンが作られます。メラニンが肌に沈着することで、肌は黒く日焼けした状態になるのです。

日焼けは一時的なもので、いずれターンオーバーによってメラニンは排出され、元の肌に戻るでしょう。しかし、長年にわたって紫外線ダメージが蓄積すると、メラノサイトが刺激され、過剰にメラニンを作り続ける状態に。すると、余分なメラニンがうまく排出されず、肌に沈着してシミとなって現れます。

ターンオーバーの乱れ

肌の細胞は、ターンオーバーによって一定のサイクルで生まれ変わり、古くなった肌の表面の角質は新しい表皮細胞に押し上げられて、垢となって排出されます。ターンオーバーのサイクルが正常であれば、メラニンは古くなった角質とともにはがれ落ち、シミにはなりません

しかし、乾燥やストレス、疲労、睡眠不足などによってターンオーバーのサイクルが乱れると、メラニンの生成と排出のバランスが崩れ、肌に蓄積。結果としてシミになってしまいます。
正常なターンオーバーのサイクルは約28日ですが、加齢によって少しずつ長くなり、年齢+8日が目安といわれることも。年齢を重ねるとシミが現れやすくなるのは、ターンオーバーのサイクルも原因のひとつです。

シミの種類と特徴

一口にシミといっても、加齢や遺伝など、できる要因によって主に4つに分かれます。ここでは、それぞれのシミの特徴について見ていきましょう。

老人性色素斑

シミの中で最も多いタイプが老人性色素斑(エイジングスポット)です。紫外線ダメージの蓄積によってできたシミで、日光性黒子(にっこうせいこくし)とも呼ばれ、年齢を重ねることで現れます。
円形の茶色いシミが左右バラバラにできるのが特徴で、大きさや濃さはさまざま。初めは薄茶色ですが、年齢とともにだんだん濃くなり、地肌との境界線もはっきりしてきます。30代以降から現れることが多いものの、人によっては20代でみられる場合もあります。

そばかす

頬から鼻にかけて左右対称にできる、粒状の小さなシミがそばかすです。スズメの卵の殻の模様に似ていることから、雀卵斑(じゃくらんはん)とも呼ばれます。
そばかすは、1つ数ミリ程度の小さな斑点で、色白の人にできやすいといわれています。遺伝的な要因によるもので、早ければ5~6歳頃からでき始め、思春期になるにつれて濃くなっていくのが特徴。紫外線を浴びることで濃くなる場合もあり、春から初夏にかけて目立ちやすくなる傾向があります。

肝斑

肝斑(かんぱん)は、女性ホルモンのバランスの乱れが原因でできるシミ。女性ホルモンのバランスが乱れると、メラノサイトが活性化されて大量にメラニンが作られ、シミができやすくなります。
肝斑は、主に頬骨の高い部分に、境界がはっきりしないもやもやしたシミが左右対称に現れます。できやすい年齢は30~40代で、妊娠や出産、ストレスなど、女性ホルモンのバランスが変化すると、現れたり濃くなったりするのが特徴です。閉経後は、目立たなくなることが多いです。

炎症後色素沈着

炎症後色素沈着は、ケガやニキビ、虫刺されなどによる炎症の後に、色素沈着してシミになったものです。
炎症後色素沈着は顔のどこにでもできるシミで、地肌との境界線がわかりにくく、色調にもムラがあるのが特徴。多くの場合は時間の経過とともに自然に消えていきますが、紫外線を浴びたりターンオーバーが乱れていたりすると、濃く残ってしまうおそれがあるため注意が必要です。

もうシミを作らない!4つの予防方法

シミができる原因がわかったら、次は対策法を知って、シミを予防しましょう。ここでは、シミの対策法を4つご紹介します。

1 紫外線対策を行う

シミの最も大きな原因として挙げられるのが紫外線で、4種類のシミすべてに悪影響を及ぼします。外出時には日焼け止めをはじめ、日傘や帽子などを活用し、肌を紫外線ダメージから守ってください。

紫外線量は夏に多いと思われがちですが、実は、春先から初夏にかけての時期も、夏とあまり変わらない量の紫外線が降り注いでいます。また、秋冬や天気の悪い日でも、紫外線がなくなるわけではありません。特に、紫外線のうち波長の長いUV-Aは、曇り空やガラスも通過します。季節を問わず、1年を通して紫外線対策を心掛けましょう。

2 正しいスキンケアを行う

肌が乾燥するとバリア機能が低下し、紫外線や摩擦などのダメージを受けやすくなります。肌のバリア機能が低下するとメラニンの生成が活発になり、シミができやすくなるため、日頃からしっかりと保湿することが大切。洗顔後は化粧水でたっぷりと肌に水分を与え、美容液やクリームで密閉して、肌の乾燥を防ぎましょう。

また、スキンケアの際に気をつけたいのが、肌に刺激を与えすぎないこと。メイク汚れをきちんと洗い落としていなかったり、洗顔の際にゴシゴシこすったりすると、肌に刺激を与え、かえってシミができやすくなってしまいます。

3 規則正しい生活習慣を心掛ける

ターンオーバーのサイクルが乱れると、メラニンがうまく体外に排出されず、肌に蓄積してシミができやすくなります。ターンオーバーの乱れを引き起こす原因は、紫外線や加齢、乾燥、睡眠不足、運動不足、偏った栄養バランス、ストレスなどさまざまです。
ターンオーバーを整えるために最も手軽に実践できるのが、生活習慣の見直しです。栄養バランスのとれた食生活や質の高い睡眠、適度な運動などを心掛け、規則正しいターンオーバーを促しましょう。

4 シミを作らないための美容成分を取り入れる

シミを予防するためには、メラニンの生成を抑える効果のある美白有効成分を、スキンケアで取り入れるのがおすすめです。
メラニンの生成を抑制する成分には、アルブチンやトラネキサム酸、コウジ酸、プラセンタエキスなどがあります。「うっかり紫外線を浴びてしまった」などという場合は、これらの成分が配合された化粧水や美容液、クリームなどを活用して、紫外線ダメージがシミになるのを防ぎましょう。

できたシミを薄くする!おすすめの改善方法

どんなに気をつけていても、シミができてしまうことはあります。しかし、あきらめる必要はありません。
できたシミに対しては、シミを薄くする美白有効成分が配合された、スキンケアアイテムを取り入れることがおすすめです。メラニンの排出を促進する成分には、リノール酸S、4MSKなどがあります。メラニンの生成を遅らせたり、メラニンの色を薄くしたりするメラニン還元作用がある成分には、ビタミンC誘導体があります。

さらに、肌はターンオーバーで生まれ変わるため、ターンオーバーのサイクルを正常に保つことも、できたシミを薄くするために欠かせません。そのためには、紫外線対策や保湿はもちろん、規則正しい生活を送ることも重要です。さらに、卵や大豆製品、緑黄色野菜、魚介類、乳製品などに多く含まれる、ビタミンB群を積極的にとりましょう。

シミをカバーするメイクのコツ

できたシミを薄くする方法はさまざまですが、即効性のあるものではありません。しかし、「今すぐなくしたい!」という人もいるでしょう。それには、メイクで隠すのが近道ですが、厚塗りになって老けた印象になったり、崩れて汚くなったりすることはありませんか。

ここからは、シミをカバーするメイクのポイントについてご紹介します。

濃くて大きなシミを隠すメイク

大きなメイクを隠す場合は、カバー力が高く、硬めのテクスチャーのスティックタイプやペンシルタイプのコンシーラーがおすすめです。

まずは、イエロー・オレンジ系のコントロールカラーを使い、肌とシミの色をなじませてください。リキッドファンデーションの場合は先にファンデーションを塗り、パウダーファンデーションの場合はコントロールカラーの後にコンシーラーをのせます。
シミの上に、少しはみ出すくらいにコンシーラーをのせ、肌の境目をなくすようにシミの周りを指でトントンとなじませてください。シミの上をさわってしまうとコンシーラーが薄くなるため、注意が必要です。
仕上げには、自然に光を反射するタイプのフェイスパウダーをのせると、より自然にシミを隠せます。

広範囲のシミ(そばかす)を隠すメイク

そばかすのような広範囲のシミを隠す場合は、伸びがいいクリームタイプや、リキッドタイプのコンシーラーがいいでしょう。濃いシミも薄いシミもあるという場合は、パレットタイプのコンシーラーが使いやすいです。

 

薄いシミの場合も、イエロー・オレンジ系のコントロールカラーを使います。シミやそばかす以外の部分にも塗ると、カバー効果が薄くなる可能性があるため、隠したい部分以外には伸ばさないことがポイント。シミの濃さによっては、これだけで見えにくくできるかもしれません。

カバーしたい部分にコンシーラーで数本線を引き、線の上から指でトントン叩いてなじませます。こするとコンシーラーがよれてシミを隠せないため、必ず優しく叩いてなじませてください。

シミの原因を知って、効果的な予防と対策を行おう

肌にできたシミは、顔の印象を大きく左右してしまいます。シミを防ぎ、できたシミを薄くするには、紫外線対策やスキンケア、生活習慣の改善といった日々の対策がとても重要です。正しいケアを続けて、シミのできにくい肌を目指しましょう。

基礎化粧品会社イービーエムが展開する全国の「スキンケアスタジオ」では、お一人おひとりの肌や体質に合った化粧品をベースに、心を込めた美と健康の「手あて」をいたします。肌やスキンケアでお悩みがある方は、ぜひご相談ください。

この記事の監修者

医学博士。聖マリアンナ医科大学医学部卒。 聖マリアンナ医科大学病院、昭和大学病院、墨田病院などを経て、現在は子育てをしながら産業医として活動している。