お肌のお悩み・肌トラブル

マスクニキビに悩む人が急増中?予防と改善に効果的な対策とは

長時間マスクをつける生活は、感染症を防ぐ効果がある一方で、ニキビに悩まされる人が増えているようです。なぜ、マスクをつけることでニキビができてしまうのでしょうか。
マスクニキビは、マスクのつけ方や日々のスキンケアの工夫で、予防や改善が期待できるものです。ここでは、マスクによるニキビの原因とその対策について、詳しくご紹介します。

なぜマスクをするとニキビができやすい?

「マスク」とニキビができる原因である「アクネ菌」を組み合わせた、「マスクネ」という造語を耳にするようになりました。アクネ菌は肌の常在菌のひとつで、皮脂をエサにして増殖し、ニキビの原因となります。
なぜ、マスクを着用することでアクネ菌が増殖し、繰り返しニキビができやすくなるのか、まずはその原因を解説しましょう。

マスクで肌がこすれてバリア機能が低下する

マスクの繊維が肌に直接あたると、摩擦によるダメージを受け、肌のバリア機能が低下しやすくなります。肌のバリア機能が低下すると、外部の刺激から肌を守ろうと角層が厚くなり、それによって毛穴をふさいでしまいます。ニキビの原因菌のアクネ菌は、詰まった毛穴の中で増殖するため、マスクニキビの発生につながるでしょう。
特に、マスクがこすれやすい鼻やあごといったフェイスラインは、ニキビができやすいです。

マスク内が蒸れて雑菌が繁殖する

マスクの中は、呼吸によって高温多湿の状態です。それは、アクネ菌を含む雑菌が繁殖しやすい環境でもあります。また、高温多湿の環境では汗も皮脂も分泌されやすく、過剰な皮脂は毛穴をふさいでしまうことに。過剰な皮脂をエサにしてアクネ菌がさらに増殖するという悪循環が、マスクニキビができる原因となります。

マスクを外したときに一気に乾燥する

一日中マスクをつけていても、飲食時などマスクを外すタイミングは何度もあるでしょう。マスクをつけているあいだ、肌はうるおっているように感じますが、外すと蒸れていた肌が急に外気にふれることで水分が蒸発。途端に肌は乾燥してしまいます。
肌は乾燥を防ぐために過剰な皮脂を分泌し、前述したように毛穴が詰まってアクネ菌が増殖してしまいます。急激な乾燥を繰り返すことも、マスクニキビができる原因です。

マスクによる肌荒れについては、こちらもご覧ください。
マスクによる肌荒れ対策は?肌のケアと予防の仕方を解説

マスクニキビの予防のためにできること


マスクを着用する日々の中で、ニキビはどうしたら予防できるのでしょうか。ここからは、マスクニキビを予防するためのポイントをご紹介します。

自分に合ったサイズのマスクを選ぶ

マスクのサイズが顔に合っていないと、隙間からウイルスや花粉が侵入しやすいだけでなく、ずれて肌にこすれやすいため、ニキビの原因にもなってしまいます。ですから、自分にぴったりのサイズのマスクを着用することが重要です。
マスクにはさまざまな種類があり、サイズも普通、小さめ、大きめ、子供用と複数あります。自分にフィットするマスクの大きさを選ぶ際には、次の測定方法を参考にしてみてください。

<マスクのサイズの選び方>
1. 親指と人差し指で、L字を作ります。
2. L字にした手で、耳のつけ根の最も高い場所に親指の先を、鼻の付け根から1cm下の場所に人差し指の先をあてます。
3. 親指から人差し指までの長さを測定します。

測った長さに応じて、下記の大きさのマスクを選べば、サイズ選びで失敗しにくくなります。

■マスクのサイズの目安

マスクが肌とふれる部分をワセリンやクリームで防護する

マスクをつける前のケアとして、マスクが直接あたる部分に、保護としてワセリンやクリームを塗っておくのも効果的です。
いつもどおりにスキンケアをしてしっかり保湿したら、鼻や頬、フェイスラインなどのマスクがふれやすい部分に、セラミドのクリームなどを塗ります。摩擦によるダメージが軽減でき、乾燥もしにくくなるでしょう。メイクをする場合は、メイクの上からやさしくワセリンやクリームを塗ってください。フェイスパウダーをつけておくことでも、摩擦軽減につながります。

肌とマスクのあいだにガーゼなどを挟む

繊維による摩擦を防ぐために、肌とマスクのあいだにガーゼやティッシュなどのやわらかい素材を挟むのもおすすめです。クッションとなって、マスクのチクチクとした感触やこすれが気になりにくくなります。
また、ガーゼやティッシュを挟んでおいて、湿ってきたら交換することで、マスク内が高温多湿になりすぎることも防げるでしょう。

汗をかいたらこまめに拭き取る

マスクの中が蒸れた状態で長時間過ごすと、雑菌の繁殖や外したときの乾燥を起こしやすくなってしまいます。マスクの内側に蒸れを感じたり汗をかいたりしたときは、こまめにティッシュやハンカチで拭き取りましょう。

帰宅後にマスクを外したらすぐにスキンケアをする

マスクニキビ予防のためにも、帰宅後にマスクを外したら早めにクレンジングや洗顔をして、たっぷり保湿をすることが重要です。スキンケアでは、下記のようなポイントに注意してください。

・クレンジングと洗顔は肌をこすらない
一日中マスクをつけていた肌は、蒸れや摩擦によってバリア機能が低下しています。クレンジングは低刺激のタイプを選び、洗顔料はたっぷりと泡立てて、肌の上で転がすように洗ってください。できるだけ摩擦を少なくすることが重要です。

・洗顔後はたっぷり保湿
バリア機能の低下した肌は乾燥しやすいため、洗顔後はしっかりと保湿することが大切です。化粧水で水分を補ったら、必ず油分を含む乳液やクリームで蓋をしましょう。保湿に効果のある美容液を追加することもおすすめです。

マスクニキビができてしまったときの対処法


注意していても、マスクニキビができてしまうことはあります。最後に、マスクニキビができてしまったときの対処法を見ていきましょう。

ニキビができたら早い段階でケアをする

ニキビができたら、できるだけ早くケアを始めることがポイントです。マスクを毎日つけていると同じ場所がこすれたり蒸れたりするため、一度できたニキビは繰り返したり悪化したりしやすくなります。早めにケアをして、悪化やニキビ跡を防ぎましょう。

ニキビのケアについてはこちらの記事もご覧ください。
ニキビ肌を作らない、悪化させないスキンケアって?

ニキビをさわらない・つぶさないを徹底する

ニキビができるとつい気になってさわってしまいますが、ふれたりつぶしたりすると悪化や跡が残る原因となってしまいます。汗をかいたり蒸れたりしたときはハンカチやティッシュでやさしく拭き取り、ニキビに雑菌がつかないようにしましょう。

ニキビ跡の予防についてはこちらもご覧ください。
ニキビ跡に効くスキンケアとは?予防法を含めて解説

メイクは最低限にとどめる

化粧品の成分が刺激となり、マスクニキビを悪化させてしまう可能性もあります。そのため、ニキビができている場所のメイクは最低限にとどめることが望ましいです。
ただし、化粧水や乳液などの基礎化粧品は、しっかり使ってください。また、紫外線はマスクを透過しますから、日焼け止めや、日焼け止め成分の入ったフェイスパウダーでカバーしましょう。

しっかり保湿する

十分な保湿はマスクニキビの防止はもちろん、改善するためにも欠かせません。マスクを着用していると、内側が蒸れるため乾燥を感じにくいですが、マスクを外すと内側にこもっていた水分が一気に蒸発して、肌は乾燥しやすい状態です。
ニキビができているときは油分を避けようと、乳液やクリームを使わない人もいますが、保湿のためには必須。毎日、朝と晩のスキンケアできちんと保湿しましょう。

皮膚科の受診も効果的

早くニキビを改善したい場合や、なかなかニキビが治らない、繰り返しニキビができてしまうというときは、皮膚科の受診もおすすめです。皮膚科でニキビの相談をすると、医師が症状をチェックした上で、肌やニキビの状態に合った処方してもらえるでしょう。
なお、皮膚科を1回受診したからといってすぐに治るわけではなく、ニキビ治療はある程度の期間が必要です。スキンケアやマスクのつけ方について、医師のアドバイスも受けつつ、根気よく改善しましょう。

マスクのつけ方とスキンケアを見直してニキビ対策を

マスク生活が続く中で、ニキビに悩まされている人は少なくなりません。また、できたニキビを放置したり、ケアをしないままマスクをつけ続けたりすると、ニキビが繰り返しできたり、悪化して跡が残ったりしてしまうことも。
マスクで隠れるからとケアをおろそかにせず、早めに対処をしてマスクニキビの悪化を防ぎましょう。

基礎化粧品会社イービーエムが展開する全国の「スキンケアスタジオ」では、お一人おひとりの肌や体質に合った化粧品をベースに、心をこめた美と健康の「手あて」をいたします。肌やスキンケアでお悩みがある方は、ぜひご相談ください。

この記事の監修者

医学博士。聖マリアンナ医科大学医学部卒。 聖マリアンナ医科大学病院、昭和大学病院、墨田病院などを経て、現在は子育てをしながら産業医として活動している。