お肌のお悩み・肌トラブル

化粧水がしみるのはどんなとき?敏感な肌に合った化粧水の選び方

化粧水を肌につけたとき、ヒリヒリしたり痛みやかゆみを感じたりした経験はないでしょうか。中には、「いつも使っている化粧水なのに、急にしみるようになった」という人もいるかもしれません。
化粧水がしみる場合、その化粧水が肌に合っていないか、肌が敏感な状態になっている可能性があります。ここでは、化粧水が肌にしみる原因や対策のほか、肌にしみない化粧水を選ぶポイントなどについて解説します。

化粧水がしみる原因は?

肌に化粧水をつけたとき、日焼けをしたときのようなヒリヒリとした痛みを感じることがあります。また、痛みだけではなく、肌がかゆくなったり赤みを帯びたりすることもあります。化粧水がしみる場合、どのような原因が考えられるのでしょうか。

肌のバリア機能が低下している

肌は「表皮」「真皮」「皮下組織」という3層構造になっており、表皮の一番外側に0.02mm程の角層があります。角層は、表面を覆う皮脂や、角層細胞に含まれるアミノ酸などの天然保湿因子(NMF)、細胞同士の隙間を埋めるセラミドなどの細胞間脂質によって、肌の水分を保っています。この保湿機能を、「肌のバリア機能」と呼びます。
バリア機能が正常に働いていれば、肌のうるおいを守るともに、紫外線やほこり、細菌といった外部刺激をブロックできます。しかし、乾燥や紫外線ダメージ、ホルモンバランスの乱れ、摩擦などの影響によってバリア機能が低下すると、肌は刺激に敏感に。化粧水の少々の刺激でも、肌が炎症を起こすことがあります。

季節の変わり目は肌が不安定になりやすい

季節の変わり目は、気温や湿度の変化によって肌の状態が不安定になり、バリア機能が低下しやすくなります。また、春は花粉の飛散、夏は汗や皮脂量の増加、強い紫外線、そしてそのダメージが残りがちな秋、空気の乾燥が進む冬と、季節によって肌ダメージの原因も変わります。変化に肌がうまく対応できず、化粧水などの刺激に対して過敏になってしまうこともあるでしょう。

化粧水の成分にアレルギー反応を起こしている

化粧水によっては、アルコールやパラベンなどの防腐剤、界面活性剤、着色料、香料などの添加物が含まれている場合があります。これらの成分が肌に合わずにアレルギー反応を起こし、痛みやかゆみなどを生じているかもしれません。人によっては、オーガニックのスキンケアアイテムでも、植物エキスなどで反応することがあります。
特に、肌のバリア機能が低下していると、化粧水の成分に刺激を受けやすくなるのでご注意ください。

化粧水の有効成分がしみることも

シミの予防や改善に用いられるハイドロキノン、肌のターンオーバーを促進するレチノール、ピーリング効果のあるサリチル酸やグリコール酸など、化粧水に含まれている有効成分が刺激になっている場合もあります。それぞれ、美白やエイジングケアなどに有効とされる成分ですが、肌が敏感になっていればしみることもありますから、その場合は使用を控えたほうがいいでしょう。

化粧水がしみるときのスキンケアはどうする?


化粧品がしみたとき「有効成分が効いているからでは?」と考える人もいるかもしれませんが、そうではありません。化粧品がしみるのは肌に対して刺激になっているということなので、使い続けるとさらにダメージを与えてしまいます。では、化粧品がしみたときには、どのような対策をとればよいのでしょうか。

化粧水がしみたらいったん使用を中止する

化粧水がしみたときには、その化粧水の使用をいったん止めましょう。そのまま使い続けると肌にダメージを与え、大きな肌トラブルを引き起こすことにもなりかねません。
化粧水以外のアイテムでも、肌に違和感があったときには使用中止が原則です。

ひりつきやかゆみ、ほてりがあるときは冷やす

肌がヒリヒリしてかゆみやほてりを伴うときは、その部分を冷やしましょう。冷水で濡らすか保冷剤を包んだタオルやハンカチを肌にあてて冷やすと、かゆみやほてりを抑えるのに効果的です。また、かゆいからといって、爪などでかいてしまわないように注意しましょう。

低刺激の化粧品を利用する

化粧水に含まれる成分など、しみる原因がわかっている場合は、その成分を使っていない化粧品を選びましょう。原因が特定できないときは、敏感肌用など低刺激の化粧品の利用がおすすめです。パックや美容液などの使用は一旦中止し、最低限のケアにとどめます
化粧水がしみているときは、基礎化粧品だけではなくメイクに使う化粧品も、低刺激のものを選んでください。できれば、かゆみや赤みなどが引くまで、メイクは控えたほうが安心です。

クレンジングと洗顔を見直す

化粧水がしみる場合、過度なクレンジングや洗顔によって、肌のバリア機能が低下している可能性も考えられます。洗浄力の強すぎる洗顔料や熱いお湯で洗っていないか、肌をゴシゴシこすっていないかなど、普段のクレンジングと洗顔のやり方を見直してみましょう。正しい洗顔方法を心掛けることで、肌の状態が改善される可能性があります。

正しい洗顔についてはこちらの記事もご覧ください。
洗顔の正しいやり方をチェック!洗顔をマスターして理想の美肌へ

過剰なスキンケアをやめる

肌に良いと思って行っているスキンケアが、かえって肌に負担をかけているケースもあります。例えば、肌を清潔にしようとして1日に何度も洗顔をしていると、肌に必要な皮脂やうるおいまで奪ってしまうおそれがあります。また、はがすタイプのパックやピーリングなども、バリア機能が低下した肌には刺激になることがあります。化粧水がしみるときには肌に手をかけすぎるのをやめて、シンプルなスキンケアを心掛けましょう

正しいスキンケアについてはこちらの記事もご覧ください。
スキンケアのやり方はこれでOK!朝と夜で行うひと工夫

しっかり保湿する

肌の乾燥は、バリア機能を低下させる大きな要因になります。肌がヒリヒリすると感じたら、いつも以上に丁寧な保湿ケアを意識するといいでしょう。洗顔後は低刺激タイプの化粧水で水分を与え、乳液やクリームでバランス良く油分を補います。
コットンを使うと繊維の摩擦が肌に刺激になることがあるため、清潔な手でやさしく保湿ケアをしましょう。

数日経っても治まらない場合は皮膚科受診

数日様子を見ても肌の痛みやかゆみが引かなかったり、化粧水を低刺激なものに変えてもしみたりする場合は、早めに皮膚科の受診をおすすめします。自己判断でセルフケアを続けていると、症状が悪化してしまうかもしれません。適切な対処法を知るためにも、皮膚科で相談してください。

化粧水がしみるときはライフタイルを改善する


肌が敏感になって化粧水がしみるときは、肌のバリア機能が低下している状態だと考えられます。生活習慣を見直すことで、崩れてしまったターンオーバーのサイクルを整え、バリア機能を高めることができるかもしれません。続いては、ライフスタイルを改善するためのポイントをご紹介します。

質の良い睡眠

睡眠不足は美肌の大敵。肌細胞の修復に必要な成長ホルモンは、睡眠中に活発に分泌されるといわれています。ターンオーバーのサイクルを整えるには、しっかりと質の良い睡眠をとることが必要です。

バランスのいい食事

肌のバリア機能を高めるには、肌を作るもとになるたんぱく質をはじめ、ビタミンやミネラルなどの栄養素をバランス良く摂取することが大切です。規則正しく栄養バランスの整った食生活を心掛けましょう。

適度な運動

運動不足は血行不良を招き、正常なターンオーバーのサイクルを滞らせてしまいます。日頃から適度な運動を心掛けてください。仕事や家事の合間に、ちょっとしたストレッチを取り入れる、座りっぱなしにならないようにこまめに動くといったことを心掛けるだけでも、肌にいい影響を与えられます。

糖分、アルコール、カフェインの過剰摂取を避ける

糖分や脂っこいものをとりすぎると、皮脂が過剰に分泌し、角栓を詰まらせてターンオーバーの乱れを招く原因となります。また、アルコールやカフェインのとりすぎも、肌には悪影響。肌が敏感になっていると感じたら、これらを含む食べ物や飲み物はできるだけ控えたほうがいいでしょう。

しみるときの化粧水の選び方

肌にしみるからといってスキンケアをしないでいると、肌のうるおいが失われてさらに乾燥が進み、悪循環に陥ってしまいます。では、肌が敏感になっているときには、どのような化粧水を選べばいいのでしょうか。

保湿成分や抗炎症成分が入っているものを選ぶ

化粧水がしみる場合は、アルコールや香料などの刺激物は避け、低刺激で保湿成分や抗炎症成分が配合された化粧水を選んでください。保湿成分にはセラミドやコラーゲン、ヒアルロン酸などが、抗炎症成分には、トラネキサム酸やグリチルリチン酸ジカリウムなどがあります。

パッチテストをしてみる

「パッチテスト済み」「アレルギーテスト済み」などの表示がある化粧水を選ぶのもひとつの方法です。ただし、テスト済みでも肌に合わない可能性があるため、使用前に自分でパッチテストをしてみることをおすすめします
入浴後など肌が清潔な状態のときに、二の腕の内側など目立たない部分に化粧水をつけてみて、30分程度様子を見てください。問題なければ丸1日そのまま過ごしてみて、トラブルがないようなら安心して使えます。

化粧水がしみるときには肌を一度休ませて

化粧水がしみるときは、肌のバリア機能が低下して刺激に敏感になっている状態です。基本の保湿ケアで肌をいたわると同時に、普段のスキンケアや生活習慣などを見直してみましょう。
また、痛みやかゆみが治まらないときや、化粧水を変えてもしみるときは、自己判断せずに早めに皮膚科を受診してください。

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この記事の監修者

医学博士。聖マリアンナ医科大学医学部卒。 聖マリアンナ医科大学病院、昭和大学病院、墨田病院などを経て、現在は子育てをしながら産業医として活動している。