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原因は加齢だけじゃない!首のシワ改善に効くスキンケアとマッサージ

顔の皮膚にはハリがあるのに、なぜか実年齢より老けて見える気がする…。年齢に見合わない老け見えは、もしかすると首のシワのせいかもしれません。顔のスキンケアは完璧でも、首はどのようにケアしたらいいかわからない人は多いものでしょう。首は年齢が表れやすい部位なのに、メイクで隠しにくい場所ですから、しっかりケアする必要があります。
ここでは、首にシワができてしまう原因と、改善のための正しいスキンケアについて解説します。

首にシワができてしまう原因

そもそも、首のシワはどうしてできるのでしょうか。「シワといえば加齢」と思いがちですが、実はそれ以外にもさまざまな原因があります。まずは、首にシワができる原因を見ていきましょう。

筋肉の衰え

首にシワができる一番の原因は、筋肉の衰えといわれています。特に影響が大きいのが、あごの下から首全体につながる広頚筋(こうけいきん)です。広頸筋が衰えると、首の皮膚がたるんでシワが目立つようになってしまいます。また、顔の表情筋の衰えも、顔の脂肪があごに落ち、たるみによって首にシワができる原因になるでしょう。首の筋肉の衰えの原因は加齢だけではなく、若い世代でも姿勢が悪い状態が続くなどすれば衰えることがありますので、注意しなければなりません。

肌の乾燥

首の皮膚は薄く、水分を保ちにくくて乾燥しやすいデリケートな場所。しかも、意外と汗をかきやすく、かいた汗が蒸発するときや拭き取るときに、いっしょに水分が奪われて乾燥が進んでしまうのです。
さらに、皮膚が薄いため、紫外線のダメージを受けやすいパーツであることにも注意しなければなりません。日焼けは乾燥につながり、やがてシワの原因になります。首までしっかり日焼け止めを塗る、汗をかいたら日焼け止めを塗り直すなど、紫外線対策を見直してみましょう。

ケア不足や間違ったケア

顔はたっぷりの泡で丁寧に洗っているのに、首になるとゴシゴシと強くこすり洗いをしている人は多いもの。摩擦は肌への刺激となり、刺激はシワの元です。必要以上に引っ張らないように、やさしく洗いましょう。
洗った後は、顔と同様に化粧水、乳液、クリームなどでしっかり保湿することも大切です。

生活習慣

知らず知らずのうちに首のシワの原因になっているのが、生活習慣です。例えば、スマートフォンやパソコンを使用するときの前かがみの姿勢。この姿勢を長く続けていると、首に寄ったシワが定着し、とれにくくなってしまいます。つい、あごを引きぎみにしてしまう、気づいたら猫背になっているといった何気ない癖も、積み重なるとシワを深くする可能性があるでしょう。
さらに、首の筋肉がこり固まって血流が悪くなり、首の皮膚の老化を早めるリスクもあります。

首以外にもシワが気になる場合は、こちらの記事もご覧ください。
目立つシワができる場所と原因は?効果的なシワ改善方法をご紹介!

首のシワには縦ジワと横ジワがある!

一口に首のシワといっても、大きく「縦ジワ」と「横ジワ」の2つに分けられます。この2つは原因が異なり、ケアの方法も異なります。縦ジワと横ジワの違いを、しっかり理解しましょう。

縦ジワの特徴

縦ジワは、アゴの下あたりから見られる細かなちりめん状のシワ。コラーゲン、エラスチンといった肌のハリを保つ成分の減少や、フェイスラインおよび首そのものの筋肉の衰えなど、加齢が主な原因です。保湿ケアを怠っていると、紫外線のダメージが加わってどんどん進行するので要注意。

横ジワの特徴

横ジワは、日常の癖や生活習慣によってできるもので、年齢とは無関係です。高い枕を使って寝る、背中を丸めて座るなど、首に負担がかかる姿勢が習慣化していると、同じ場所にシワができ、次第に深くなってしまいます。「まだシワができるような年齢じゃないから」と油断していると、20代、30代でも消えない横ジワが刻まれてしまうかもしれません。

日常生活でできる首のシワ対策


首のシワを予防し、できてしまったシワを改善するには、どうすればよいのでしょうか。日常生活ですぐに実践できる対策をご紹介します。

枕の高さやマットレスの硬さを調整する

枕が高すぎると、必然的にあごを引いた状態になり、首にシワが刻まれます。かといって枕が低すぎると、今度は首の血流が阻害され、老化を促進することに。マットレスも同様に、柔らかすぎれば体が沈み、硬すぎれば体が反って、首を含めた関節に負荷がかかった不自然な姿勢になってしまいます。
寝ている時間は思いのほか長いものです。合わない枕やマットレスを使って1日7時間寝ている場合、不自然な姿勢を7時間続けていることになります。首にシワが寄らない、正しい姿勢を保てる寝具を選びましょう。

枕やマットレスにはさまざまな種類がありますが、リラックスして立ったときの状態をそのまま保てるものが首のシワ予防には理想的です。姿勢が固定されないよう、自然に寝返りができる、程良い弾力があるといいでしょう。枕に関しては、首と頭をゆるやかに支えつつ可動性を保てるよう、頭を置く場所の両脇に適度な高さがあるものがおすすめです。

加えて、枕を置く場所もポイントのひとつ。枕に頭だけのせて眠ると、首が不安定になってシワが寄ります。肩から頭までを枕にのせるようにし、首を無理なく支えましょう。

姿勢を正す

いつの間にかできる横ジワを予防するには、立っているときも座っているときも正しい姿勢を意識することが重要です。デスクワークやパソコンでの作業が多い人や、スマートフォンを見る頻度が高い人は、背中が丸まって猫背になったり、肩が前に入る巻き肩になったりしがち。そうなると、上半身がこり固まって首への血流を妨げ、しなやかさを失わせます。意識的に姿勢を正すとともに、仕事や家事の合間に簡単なストレッチをして、上半身をほぐしましょう。

また、鞄をいつも片方の肩にかける、足を組む、頬杖をつくといった何気ない癖も、肩や背中といった上半身のこりにつながり、首のシワに影響します。無意識にしている場合が多いため、自分の動きを客観視して、良くない癖を改善することが首のシワ予防につながります。

抗酸化食品とたんぱく質を摂取する

食事から取り入れる栄養も、首のシワ対策には欠かせません。必ず取り入れたいのは、紫外線による肌へのダメージを予防・軽減する「抗酸化成分」と、肌を作る「たんぱく質」です。

抗酸化成分は、ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノール、βカロテン、リコピンなどに多く含まれています。レモンやキウイなどの果物のほか、ナッツ、カボチャ、トマト、お茶、ココアなどを無理なく食事に取り入れ、内側から紫外線ケアをしましょう。
たんぱく質は、動物性なら肉類や魚介類、卵、植物性なら大豆からとることができます。1日に必要なたんぱく質の量は、年齢や運動習慣などによって異なりますが、食事ですべての量を補うのが難しい場合もあるかもしれません。より手軽に確実に摂取するなら、サプリメントで補給するのもひとつの手です。

スキンケアで首のシワ対策


生活習慣や寝具と併せて見直したいのがスキンケア。ハリのあるみずみずしいお肌を保つためのお手入れのコツを、3つご紹介します。

首までしっかりスキンケア

洗顔と同様、顔は念入りにケアをしていても、首はなおざりにしていないでしょうか。化粧水を手に取ったら、顔と同じように首にもなじませ、強くこすらないように注意しながら、手のひらで押さえるようにして肌に塗り込みます。乳液や美容液、クリームも同じように繰り返しましょう。
首の皮膚は目元と同じくらいに薄いので、顔よりしっかり保湿するくらいの気持ちで取り組んでください。首やデコルテ専用のクリームを取り入れるのもおすすめです。

一年を通したUVケア

日差しがさんさんと照りつける夏は、しっかりUVケアをしていても、それ以外の時季、つい紫外線ケアを疎かにしがちです。紫外線は一年を通して降り注ぎ、曇り空でも確実に肌に届いてダメージを与えています。
日焼け止めだけでなく、サングラスや日傘、帽子などの小物も上手に取り入れて、一年を通じてしっかり紫外線をブロックしましょう。

こすらない

ボディソープで強くこすると、肌がダメージを受け、乾燥が進んでシワが増えます。肌のうるおいを奪わないようたっぷり泡立てて、泡を肌の上で転がすように洗うことが大切です。
また、冬の寒さや夏の紫外線から身体をカバーするためにストールやマフラー、ショールなどが役立ちますが、粗めの素材は首の摩擦につながります。できるだけ柔らかい素材を選び、同時にクリームなどで保湿もしてください。

首のシワを改善するマッサージ

首のシワ予防や改善には、マッサージも効果的。そこで、ちょっとした空き時間に簡単にできて、むくみやたるみを改善する効果が期待できる首のマッサージをご紹介します。仕事の合間やお風呂上がりに実践して、シワを予防しましょう。

1. 美容液やクリームをなじませ、前から後ろへシワを広げる


首全体に美容液やクリームをなじませたら、指の腹で円を描きながらマッサージします。前から後ろへシワを伸ばすイメージで、左右3回ずつを目安に行ってください。

2. 下から上へシワを広げる


次は下から上へ、「1」と同じイメージでシワを伸ばすようにマッサージをしていきます。手のひら全体を使って、右手で左側の首、左手で右側の首を押さえ、各6回行いましょう。

3. あご下からフェイスラインをマッサージ


中指と薬指の腹をあごにあて、フェイスラインに沿って耳までリンパを流すようにほぐします。耳の下まで行ったら、首筋を通って肩まで下ろしてください。

4. 首の後ろの筋肉をほぐす


両手の指を使って、首の後ろの筋肉をほぐします。下から上へ、心地よいと感じる程度の圧で筋肉の緊張をゆるめていきましょう。

スキンケアと生活習慣の見直しで、首のシワを防ごう

気づいたらくっきりと刻まれている首のシワ。「もうお手入れをしても遅いかも…」とがっくりきているかもしれませんが、そんなことはありません。地道なお手入れとマッサージ、さらには日常生活の見直しを徹底すれば、必ず効果があるはずです。
シワに気づいたタイミングは、シワにストップをかけ、これからできるシワを防げる大チャンス!前向きな気持ちでお手入れに取り組み、美しく若々しい首筋を目指しましょう。

基礎化粧品会社イービーエムが展開する全国の「スキンケアスタジオ」では、お一人おひとりの肌や体質に合った化粧品をベースに、心を込めた美と健康の「手あて」をいたします。肌やスキンケアでお悩みがある方は、ぜひご相談ください。

この記事の監修者

医学博士。聖マリアンナ医科大学医学部卒。 聖マリアンナ医科大学病院、昭和大学病院、墨田病院などを経て、現在は子育てをしながら産業医として活動している。